表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/31

平和になったよ

 メタルナ・アイーツが降らなくなって、1週間。

 世界は平和になったよ。


 国家の多くは、危篤状態。

 強いメタラーがそれぞれの土地を管理しているだけ。その境界を越えることも、奪い合うことも、ほとんどない。だって、奪うものがもうないから。


……


 山間部、巨人が集落を守る。

 全てのメタラーが進攻を諦めた楽園。


「オデ、みんな守る。飯くれ」


 食費の確保は大変だ。

 それでもここは安全だ。ただ……。


「ばあちゃん、早く孫見せろって言ってたな……」


 その言葉に集落の女性が固まる。


「なぁ、子どもはどうやって、作るだ?」


 ま、まずは山より大きい女性を探すべきだろう。

 巨人の楽園は、女性には息苦しいかもしれない。


 他の集落もどっこいどっこい。

 メタラーの支配はあるが、だいたい既存の人間のルールで生きている。人は働くし、通貨がある。病める時もあれば健やかなる時もある。


 ……そんな世界で、旅をする少年がいた。

 10と数歳。小柄だ。ロングシャツとジーパンはくたびれている。補修の追いつかないリュックサック。旅というよりは遭難中にさえ見えるほどに、危うい。


「あ……やっと見つけた!!」


 声の主が、少年の元に駆け寄る。


「やぁ、君が森川天星君? 噂の……『握手を求める人助けの人』だね?」


「え? はい。おじ……お兄さんは、誰ですか?」


 目元に大きめのクマを持つ少年は、穏やかにそう言う。


「俺は世道虚。君に興味を持った普通の、おじさんだよ」


 そう言って、世道虚はイチゴミルクを、ズズズと飲み干した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ