ランディも降ってきた
メタルナアイーツ降下7日目。
この日の首都圏には、メタルナアイーツのみならず、Randy Jr Huntも降ってきた。
ピチピチの白い全身タイツに幾何学模様。
青を貴重とした仮面を着用。ハロウィンでもなければ、正義の味方にしては時代錯誤な格好である。
そして自家用ジェットで首都圏の某空港に降り立ったランディは、その悪目立ちで記者に囲まれる。
以下はインタビューでのランディの発言。
「やぁ、俺はランディ。親しみを込めてそう呼んでくれ」
「来日理由? まぁヒーロー活動みたいなものさ。君たちを苦しめる悪漢を成敗してあげるよ」
「なんだい? あのメタルの事をそんな風に思っているのか? いやいや、あれの本当の力は底知れないよ。6、7個目かな? だいたいそれくらい潰すとミラクルな力に目覚めるんだ」
「ああ、俺の大国ではそんなイカしたヒーローが沢山いるぜ。そして俺がそのトップさ」
彼の発言は、全てが、疑う余地のないレッドカードだった。
TVの向こうでブラウンは涙目だ。
あのバカ息子、軍事機密を漏らしやがったと辞表を書いている。
異常対策本部の面々は顔を引き攣らせる。
薄々分かっていた。あの国はそういう事をする。異常能力者の部隊編成は嘘とは思えない。
今からでも黒木影人と交渉をするか。
しかし、後手だからこそ分かる。それはそれで、茨の手綱を握る事になるのだろう。
TVを見た民衆の多くが思う。
じゃあ、最近の狂ったSNS情報は……実はほとんどガチなのでは、と。
そして、即座に開かれる両国の会見という名の免責儀式。
沿岸国家は『事実確認中』『軍事行動を認めた事実は一切ない』という内容を延々と繰り返した後、国民には冷静な行動を求める。そう締め括った。
連邦制の大国版は、この発言を『個人の見解』『軍事的意味はない』事を強調し、Randy要員には『厳重な指導』を行うとのことだ。
……その『指導』を『誰が』『可能なのか』を答えられる者はいなかった。




