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突然ですが魔術が使えないので(チートな)魔力と結界術を極めます。  作者: 来栖榊


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第7話 ここはどうやら夢の国のようです。

「おお……」

思わず声が漏れる。

最初に目に入ったのは、遠くにそびえる巨大な城ではなく、

足元一面に敷き詰められた石畳だ。その1枚1枚に空気を浄化する小さな術式が組み込まれており、

ついペタペタ触ってしまう。

「あ!ノエル汚いから地面触ったら駄目だよ!」


向こうの通りには人が溢れている。もちろんもれなく全員魔力回路を持っている。横を見れば魔道具を売る店。その隣には杖を並べた露店。

その奥の道に見えるあれは、魔術書店か!それに、空を飛び交う船みたいなのは何だろうか?き、気になる!絶対後で見に行くぞ。


そして、空中を漂う様々な魔力。生活魔術だが魔術が当たり前かのように飛び交う街。

建物の壁には魔法陣が刻まれ、街灯は魔力で淡く輝いている。あれは炎系統初級魔術:灯火と光系統初級魔術:光球!!


「何これ…………」

「あれ?ノエルどうしたの。思ってたのと違った?」


「いやいや、その逆。さいっっこうじゃん!!」

きっと今、俺の目はキラキラと輝いて見えるだろう。だって仕方ないじゃないか!目に映るものすべてが始めてであり、何もかもが新鮮なのだ。ん?


「か、鍵まで魔術!?」

建物のドアを見れば施錠を魔術で行っているし、

あっちもこっちも、どこもかしこも魔術、魔術の、

魔術尽くし。こんなの興奮するなっていうほうが無理があるぞ!

ああ、早く、早く見て回りたい、回りたすぎる!


「魔術書店も行きたい。」

「飛んでる船も見たい。」

「いや、まず魔道具屋か……。」


くそっ、あまりに行きたい所が多すぎぞ。


「あ、そうじゃん全部行けばいいんだ!」

「ふふっ、お気に召したようで良かった。全部回るの大変だけどほんとに回るの?」

「もちろん!目につくもの全てを回るよ!」

俺は魔術のためならどんな労力も厭わない。たとえどれほど時間が掛かろうが見て回るぞ。

ふふふ...待ってろよ魔術!!



「しょうがない、目を離したらなんかしそうだから私たちがついて行ってあげる。今だってもう何かしそうだし、ね、ナタリー」

「はい、私もお供いたします。」

「お、ほんとに?じゃあ、さっそく――」


何かしそうとは失礼な。俺は常に落ち着いて自重してるはずだ。ただ、2人がついて来てくれるなら丁度いい!王都に何があるか分からないから、案内ついでに解説とかもしてもらおう!



ということで、まずは最初に目についた魔道具を売る店に行くとしよう。魔術書店の道は――って

「あれは何!?」

そう言って俺が指差したのはたった今すぐ隣を駆け抜けていった謎の乗り物?らしきものだ。馬や牛などの家畜が引いているわけでもないのに動いてるそれが、

気になって気になって仕方ない。


「あれは、魔術車っていう名前です。なんと動力源は馬車のように馬ではなく、ノエル様の大好きな魔術なのですよ。」


「き、気になる―――――――――けど、今は魔術書店に行こう。」


ふぅ、危ない危ない。全くなんて罠なんだ!我ながらよく耐えた。あんな面白くて知らないものを見せられたら見ずにはいられない。だが、俺は自分の欲望に勝ったのだ。

ほら、やはり俺は自重できるじゃないか。


「よ、よく我慢できたねノエル。驚いた。私、絶対あ、これ時間かかるなって思ったもん。」

「ええ、お嬢様の言う通り、驚きました。」


「あ、待ってあの術式見せて!」

「「………はぁ、前言撤回」です。」


す、すごい。これは炎魔術の術式を誰でも使えるように魔導具化してるのか。な、なぜそこで術式を変えているんだ?お、面白すぎるぞ!!このカチッとなるやつはなんだ?カチッ、カチッ、カチ、カチカチカチ

なんか癖になるぞ。

「お、おい。何してるんだ!」


「ノエル!そろそろ行くよ。迷惑になってるでし

ょ!すみませんでした!」

「申し訳ありません。」

「おっさん、ありがとう!」

「は、はぁ。って俺はまだ30代だ!いや、待てよ、もう30あ、あぁぁ。」


それにしても街は面白い。注意深く観察してると、新たな発見が出てきて、飽きないぞ。って

いかんいかん、これじゃあ、目につく全てに反応してしまって収拾がつかない。よし、今は魔術書店だけを見るべきだな。ニーシャとナタリーとおっさんに申し訳ない。


「ごめん、もう反応しないようにするから。安心して」


「「期待しないでおくね。」きます。」


しばらく、反応しそうになるのを必死に堪えると、魔術書店までもうすぐそこというところまで迫っていた。いやー本当に長かった...


こ、ここが

「...魔術書店。」

外見は思ったよりもこじんまりといていた。なぜだ!もっとでかくするべきだ。これじゃあ、魔術書をまだまだ収容できないじゃないか!

それと、なんだかインクと紙の匂いがするようなしないような気がする。


「……こうしちゃいられない。」

「あ、ノエル待ってーー!!!」

「ノエル様お待ちください!!」


俺は気づいた瞬間ダッシュした。2人が何か言ってるが関係ないね。今はただ目の前の魔術書店だけを見据えて俺は2人を置いて全力疾走で、魔術書店に向かうのだった。


バタン!!

「ふぅ、ふぅ、魔術書ぉ魔術書を見せてくれぇぇぇ」


俺は全力ダッシュをした勢いのまま、ドアをバタンと開け放つ。何の反応もないので店内をチラリと見てみると、全員、と言っても数人だがギョッとした顔でこちらを見ていた。驚かせてしまっただろうか。


すると、厳つい顔をしたハゲ頭のおっさんがこちらに向かって歩いてきた。この人が店員なのだろうか?もし違うなら俺に何のようだ?


「おい、ボウズ…………」


「?」


「そこまで、そこまで魔術書が好きなのかーー!!」

「何を言ってるんだ!大好きに決まってるだろう!!」


話してみると、このおっさんはこの店の店主で、見た目によらず魔術書が好きとのこと。

素晴らしい!ここに魔術好きの同志とは。ん?なんで、同志かだって?

そりゃあ魔術も魔術書も手段が違うだけで結局のところ行き着く先は魔術に変わりはないからね!


「すみませんすみません。」

「ははは、そんな謝らなくてもいいって。」

遅れてきたニーシャが店主に何度も頭を下げる。さっきからニーシャもナタリーも謝ってばっかりだ。まあ、俺が悪いのだろうけど。


「それが分かるなら自重しなさい!」

「あてててて、」


また、思考盗聴された!?まさかこれも俺の知らない魔術なのか…奥が深いぞ魔術は。


「ふむふむ、お、この理論少し古めだな。術式は代用できる演算を組めるから、取り除けるから詠唱が1小節……いや2小節減るな...」


「あ、そう言えば、アンタらあの森に行ってきたらしいが、変な魔物がいなかったか?」


「いましたね。」

「うん、いたいた。」


「やっぱ、そうだったか...最近森の魔物がおかしいって噂になってるんだよ。一応、冒険者ギルドか大臣とかに報告しておいたほうが良いんじゃねえか?」


「属性系統魔術は創造の術式が作用しているのは間違いないけど、その後に繋げるのはあくまで個人の自由なんてそんな事できるのか……?」


属性系統魔術はあくまで大衆化された術式を一般に公開してるから弄ることは別に不思議しゃあない。ただその組み合わせを模索するのに、暴発する恐れがあるからやらないだけだ。


「そう、ですね報告しときます。」

「おう、それがいいぜ!」


そう言えばニーシャとナタリーと店主のおっさんは何を話してるんだろうか。魔術に関係することならうれしいが。


「ノエルーそろそろ行くよー。」

「い、嫌だーー!!」

「ふふっ//我儘言っては駄目ですよ。」


「ははっ、ぼうずいつでも来い!俺もこの店も逃げたりしねぇよ。」


店主のおっさんもこう言ってるし、さっきは2人に迷惑かけたから、仕方ない、

従うとしよう。



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