第6話 おや、メイドの様子が……
「ふふふ、ははははははははは!!!素晴らしい!」
さて、こんなにテンション高くして俺は何をやっているのか…それは捕獲した謎の獣の解体である。
「「………」」二人とも、理解不能という目で見てどうしたというのだ。まさか、この素晴らしさが分からないのだろうか?
「ねえ、ニーシャ――」
「いやぁぁぁぁ!!!私に近づかないで!!
【風系統下級魔術:風弾】」[結界]
おお、ノーモーション無詠唱の風弾だ。しかも、おそろしく速く流れるような動きだ。俺じゃなきゃ見逃したかもね。うん、やはりニーシャはいいな。かなり素質が高い。だがなぜか、さっきよりも威力…というより殺意が高いのはなぜだろうか?
「それはノエルがその手で私に近づくからだよ!!」
「ノエル様、あまりお嬢様をいじめないでください。」
「ナタリー見てないで助けてよ!」
「ニーシャなんで俺の考えてることが分かったん
だ!?」
「いや、そんなキョトン顔されたら嫌でも分かるよ!!」
いや、解体する限りは手に血肉とかついてしまうのは仕方のないことだ。ただ、それが酷くキモイ見た目をしていて臭いだけだ。そんな大げさな反応しなくても良いじゃないか。
そして話を戻すとこの瘴気獣の術式が不安定とか言って残念がったのを訂正しよう。なぜあそこまで壊れた術式で魔術として成り立っていたのだろうか。これが完成したらとんでもなく素晴らしいことになるのは間違いない。よし、もっとだもっと調べよう!
「………ふふふ。」グシャ
「おお!!」ミチミチ
「「………」」
ネチャネチャ
「「……、、………」」
ドロリ――「…………」
「「……?」」
「ふひっ、あはっ、ははははははははは!!!!」
「「っ!?」」解体してる最中、俺が何かに反応するたびに2人と距離がだんだん離れていってる気がするが気のせいだろう。
「ははっ、全く一体誰だ?こんな魔術作ったやつは不安定と言ったけど、不安定だからこそ完成してたんだ!!このウイルスはおそらく魔力に反応してる。そして、感染力と増殖力は脅威的だけど生命力は大したことない!何故なら寄生生物がつけ入る隙が無いから、あえて、生命力を落とさないとこの2つは共存できない。まあ、全部仮説だけどね!だが、だからこそっ、だからこそ不安定!未完成のように見えて完成された術式なんだ!!!
ああ、この魔術を作ったやつに会いたい!
さあ!2人とも待たせたね。さあ、王都に行こうか!!!」
「「……、………うん」はい」
2人ともどこか、諦めたかのような顔をしている。それでいてあからさまに引いてる、流石にあのグロすぎるのを見たらそうなるのも無理は無いのかな?まあ何にせよ。こんな素晴らしい魔術を見れて俺は満足だ。
「あ、ナタリーナイフ貸してくれてありがとう!
これ返すね」
と言って渡そうとしたら
「………☆◇※△□◎!?!?」
何かを呟いたナタリーが凄まじい速さでナイフを蹴り上げてそのまま【風系統中級魔術:小嵐起】で、ぶっ飛ばしてしまう。はて、そんなに俺が使ったナイフが嫌だったのだろうか?
それは困るな…嫌われてしまっては最悪魔術を見せてくれないかもしれない。一体どうすればって、ん?今ナタリー何した?
「そ・れ・は!!」
「はぁ、はぁ、ノ、ノエル様、今は私達に近づかないでください。」「そうよ、ノエル体洗ってから――って」
「中級魔術!!!」
ナタリーが中級魔術を使ったことに興奮した俺は全力で二人に向かって駆け寄る。
「「だから、近づくなって言ってるでしょ!!!さっさと離れ、いやぁぁぁぁぁあ!!!」」
――――――――
その後、後にナタリーとニーシャはこう語る。
「あそこまで、早く動けたのは初めて。」「ええ、まさに火事場の馬鹿力でした。それにしても」
「「ノエル(様)は悪魔よ!!」です!!」
当の本人はそんな事つゆ知らず
「ちょっと2人とも待ってよ!!なんで置いていくのって、速いな2人とも。」「「いやぁぁぁぁぁ!!」」
全力で追いかけ回し、2人が疲れ切った頃には王都の門前に着いたのであった。
――――――――
「2人ともごめんって。まさかそんなに嫌だったとは思わなかったんだよ〜」
「「………」」
2人とも顔をムスッとしたままこちらを見ようともしない。まさか、こんなに怒るとは思いもしなかった。
「ねえ、ニーシャ謝るから許してよー」
「………フン!」
俺の必死の謝罪も虚しく、相変わらずニーシャに無視を決めこまれている。
それならばナタリーにと思い、声をかけるが
「ナ、ナタリー、許してくれない?」
「………//」
ナタリーはナタリーで顔を赤くして変な反応するし、全く困ったものだ。
まずいな、これじゃあほんとに魔術見せてもらえなくなるかもしれないぞ...
これから起こりうるかもしれないことに戦慄思わず戦慄していると、
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、
もういいよ。なんかバカらしくなってきたし、もう、許してあげる。」
「あ痛っ」
呆れたようにそう呟くニーシャに額を小突かれる。
「次したら、もう二度と魔術見せないからね!」
「もちろん!了解しました!だから魔術見ないって言わないで!!」
別に俺もわざとでは無いのだ。だから次はもう無い!安心して魔術見れるね!
「そういえば、誰かさんのおかげで門の前だけど――」
ニーシャが足から頭の先までをじろっと見てくる。
どこか変なところでもあるのか?
「……流石にこの格好では、」
ナタリーも同様にこちらを見てくるが、なんか、途中途中止まったのはなぜか考えないことにしよう。
「あ、そゆこと」
体は、さっき2人に言われて王都の門近く綺麗な川で洗いに行ったけど、顔は面倒くさくて洗ってないし、髪も長くて、清潔感無いし何より、
「「「ボロ布一枚じゃあ…」」」
現状、俺の格好が目覚めた後、ニーシャ達の魔力を辿ってる最中に、そこら辺で拾ったボロ布一枚という
何ともすごい格好であり、流石に門を通過するとなったらちょっと、いや、かなり怪しい。
「頭とか顔は川があるから何とか出来るけど――服はどうしようも無いね。」
「あ、お嬢様、ノエル様、私にいい考えがあります。」
「うん、何それ?」
そう言ってナタリーが取り出したのは
「………??メイド服ですけど…?」
いや、見たら分かるよ。何いい考えってまさか俺が着るのか?
「で、それをどうしろと?」
「着てください。」
「プフッ、、」
「まあ、ボロ布よりマシだし別に良いんだけど。」
マシなんだけど、はぁはぁ言ってて、怖いんだけど。発作か何か起こしたのか?それともさっきのウイルスにってそれはないか。完全に死滅してたし。
「それじゃあ、行きますよノエル様」
俺が良いと言った瞬間シュバッ!と機敏な動きで俺を運び出し、見事な動きで俺をキレイに洗い、髪も
「邪魔ですね、整えましょう」と言ってハーフアップのウルフカットにしてメイド服を着せていく。そうして、
「「こ、これは――」」
綺麗になってメイド服を見た俺をみた2人は言葉に詰まる。そんなにおかしいのかな?なかなか悪くないと思ったのだが。とまあ、そんな冗談は置いといて
さあ、準備は整った!ようやく王都に行ける!
「2人とも行こう!王都楽しみだね!」
「ふふっ、そうですね」「ふふっ」
王都の門を警備していた兵士の横を通り過ぎ、門をくぐり抜けると、そこには期待以上の素晴らしい景色が広がっていた。
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