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七氏族の怪樹守護者—最後希望の島 第2章第8節【羨望への墜落】

「私は忘れられない。再び父の姿を目にした、あの瞬間のことを……。かつては陸地への希望に満ちていた父の瞳は、まるで死人のように絶望しきっていた。ポセイドンの神力による加護のおかげで、どうにか命だけは取り留めたものの、1年にも及ぶ虐待によって体はボロボロになり、もはや元に戻ることはなかった。父はただ、生きる気力を失ったまま、生きながらえているだけだったんだ。最後には、そんな父の姿を見ていられなくなり、私は父を元の姿に戻す方法を探すために、一人で人間の世界へと旅立った。そして幸運にも、君たちに出会えたんだ……」魚人のカイグは、感極まった様子で三姉弟に語りかけた。


「そんな事情があったなんて……。だから、あんな危険な旅に一人で出て、最後には傷だらけになって私たちの家にたどり着いたのね……」長女のマーフィは、深くため息をつきながら言った。


「あの日が来るまでは……すべてが、天と地がひっくり返るほどの激変を迎えるまでは……」魚人のカイグの瞳が、凍りつくように冷たくなった。


「あの日って……?」次女のルナが、先を促すように問いかける。


「十年前、人間の大軍がこの島に攻め込んできた、あの日じゃ……」神龍村の村長が、暗い表情でぽつりと言った。


「ああ……あの夜のことだ。突然、数十隻もの軍艦が、音もなく目の前に現れた。私の仲間たちが上陸を阻止しようと橋の入り口に立ち塞がり、交渉を試みようとしたその瞬間、人間どもはいきなり銃を乱射し、立ち塞がった者たちを皆殺しにしたんだ。それから、大量の戦車と兵士が島に攻め込んできた。さらに、毒性のある石油化合物を大量に海へ流し込んだ。私たちの仲間の多くは、その化学物質によって瞬く間に毒されていったんだ。私たちがどうしていいか分からず立ち尽くしていた、その時……突然、一匹の悪魔が天から舞い降りてきたんだ……」カイグは恐怖に体を震わせながら語った。


『魚人族よ。愚かな人間どもが、お前たちを滅ぼしにここまでやって来たぞ。お前たちは、いつまでこの真っ暗な海底に引きこもり、奴らに踏みにじられるがままにしているつもりだ?』羨望の悪魔レヴィアタンは、嘲るような口調で言った。


突如として現れた羨望の悪魔を前に、私たちは互いに顔を見合わせるばかりで、完全に思考を失っていた。するとその時、羨望の悪魔が再び口を開いた。


『人間に蹂躙されるくらいなら、いっそ悪魔へと堕ちるがいい! 人間に対抗するための力を、我が授けてやろう!』羨望の悪魔は獰猛に歪んだ笑みを浮かべ、手元で宙をなぞるようにして魔法陣を描き出した。陣の内部からは禍々しい闇の閃光が放たれ、怨念に満ちた哀叫が響き渡る。無数の触手が、獲物を求めて外へと蠢き出していた。


誰もが背筋を凍らせ、じりじりと後ずさりした。その時だった。一人の影が、這いつくばり、転がるようにして魔法陣の前へと倒れ込んだ。その影は、苦しそうにもがきながら、低くうめき声を上げていた。


私が目を凝らしてその姿を確認した瞬間、思わず叫び声を上げていた。「父さん、ダメだ……!」


父は私の方を振り返り、まるで「さようなら」と告げるかのような視線を一瞬だけ向けると、そのまま魔法陣の中へと倒れ込んでいった。魔法陣は父を完全に飲み込むと、まるで爆発するかのように外へとエネルギーを放出させた。途切れることのない漆黒の光が水面へと放射され、巨大な光の柱を形作る。その刹那、私は衝撃で吹き飛ばされた。体は毒性の石油化合物に侵され、皮膚を蝕んでいく。私は次第に力が抜け、ただ無力なまま、水面へと浮かび上がっていった……。

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