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リン先輩とコラボ配信(下)

「続いて三人目のお悩みは〜匿名3546さんだね!『こんにちは。最推しのゆいちゃんがリンとコラボするツイートを見かけた時には、あまりに嬉しくて鼻血を吹き出してしまいました。ところでお悩みなのですが、私はよく食べるし、体重も平均並みにあるはずなのに、おっぱいが大きくなりません。どうしたら大きくなるのでしょう?』……だって」


 リン先輩が抑揚をつけて読み上げる。


【ゆいの民で女さん?珍しい】

【結構いるらしいぞ】

【女子は可愛いもの好きだしなぁ】


「僕のリスナーさんだぁ………嬉しいなあ」


「本当にこうしてお便りで最推しって書かれると嬉しいよね。わかる、その気持ち」


 まだvtuberを始めたて、ということもあるのか、画面越しでみてくれるリスナーさんは本当にいるのだろうか、と不安になってしまうことがある。

 スイッターで熱心に告知にコメントを返してくれる人が一定数いるし、いいねもたくさんつけてくれるからそれは杞憂なんだろうけど。


「うーん、おっぱいが小さい、ねぇ………私は大きさは平均くらいだからあんまりアドバイスはできないかなぁ」


「というか、おっぱいって意図的に大きくできるの?遺伝なんじゃ………」


【ぐはぁ……………】

【!?し、死んでるー!?】

【貧乳リスナーが流れ弾喰らってて草】

【誰が貧乳じゃコラ】

【すいませんでしたぁ!!】


「そういうゆいちゃんはどうなのよ!」


【初配信でおっぱいの大きさ暴いてやろうと思ったけど躱された】

【気になる】


「僕は………まあ、普通?」


 嘘だ。僕のお胸は無駄に大きい。それにTSした時にすでにこの大きさだったため、何もアドバイスできることは無いのだ。


「へ〜?普通?ふーん?」


 ………なんだろう。リン先輩が訝しむような目で見てくる。あれ?そういえば事務所で会ったことあるんだっけ?でも流石にお胸の大きさまでは覚えていない………だろう。


【へー普通なんだ】

【高校生だぞ?何を求めてるお前ら………ちくしょう】

【お前もやんけ】

【ロリで巨乳とか男の夢の塊だろ?】

【それはそうだけど】


「おっかしいな。私が見たときはかなりのサイズが…………」


「わーー!わーー!」


 なんで覚えてるの………。リスナーさんに暴露されるが恥ずかしく、大声を出して発言を止める。


【お!?】

【へー。ふーん。】

【あ察し】

【草】

【リンないっす〜〜〜!!!】

【ゆいちゃんは巨乳だった!?】


「そんなん普通覚えてないでしょ!?忘れろっ!」


「後輩に叱られちゃった。てへぺろ〜」


「誤魔化さない!」


「だってぇ〜後輩のことくらい覚えておかないと先輩失格だって〜」


 た、確かに。後輩思いのデメリットが出てしまったようだ………。いや、デメリットなんて本来ないんだろうけど。


【こんな先輩が欲しかった】

【悲しい】

【結局それは本当なん?】

【もうバレちゃってるから本当のこと言ってほしい!】


「ま、まあ本当だけど………恥ずかしいから言いたくなかった………」


【可愛い】

【高校生ですでに大きいってやっぱりコンプレックスになったりするん?】


「僕はなんとも思わないけど………リスナーさんに知られるのは、ちょっと恥ずかしい」


 元男だし、そういうところは何も思わない。けど、いつも見てくれるみんなにそれを知られるのはまた別の話だ。

 僕が恥じらいながら言った。


【ごほっ…………】

【ପ(꒪ˊ꒳ˋ꒪)ଓ昇天】

【俺たちは特別ってことか!!】

【うん、違うよ】


「勝手に言っちゃってごめんね?」


 僕が恥じらっていることが気になったのか、リン先輩が僕に謝罪をする。この先輩、優しすぎる。


「別にいいよ!そんなの気にしないで!!結果的に………配信が面白くなった訳だし?」


「おお………逞しい後輩だ……」


 コメントが流れるスピードも上がってるし、リスナーさんも盛り上がって?くれているみたいだし、きっとハイsんは面白くなっているのだろう。


【草】

【強い】


「四人目のお悩みは…………」


◇◇◇


「最後!10人目のお悩みは………sakanaさん!どれどれ……『同級生に好きな女の子がいるのですが、どう告白して良いものかわかりません。その女の子とは、何回か遊びに行ったり、お家でゲームしたりはしています』」


 気付けばお悩み相談も最後の一人となっていた。リン先輩のトーク力が凄まじく、僕にも話しやすいように流してくれるので、時を忘れるほど楽しく配信をできた。


「結構仲が良いんだね。告白かぁ………」


「ゆいちゃんはどう思う?」


 リン先輩に意見を求められる。正直、僕は恋愛とかよくわからないし体験したこともないので、間を取った無難な回答をすることにした。


「う〜ん………特別なイベントの時に告白する、とか?……リン先輩はどうする?」


「私は……さりげなく告白するのもアリかな〜。君と一緒にいられる時間が大切で尊いんだ!みたいな?」


【うわぁ、そういう告白シーン憧れる】

【花火大会の時とかね!】

【エモいな】

【てかこいつら、こんなに親密そうなのに付き合ってないってマ?】


「あはは、確かにもう付き合ってそうだよね」


「絶対脈アリだよ!!sakanaさん、頑張ってね!!」


 リン先輩が笑顔で励ます。こんなことをされてしまったら、どんなヘタレ男子でも告白するだろう。お家でゲームし合うほどの仲なら、女の子も断るはずなさそうだけどどうなんだろう。


【さっさと付き合え】

【ワンチャン友達としてみてたみたいなこと言われるかも】

【流石にないだろ】

【sakanaニキ報告求む】


「はい!という訳でお悩み相談室はこれで終わりとなりまーす!」


「これでみんなのお悩みが解決できたら良いなっ!」


 お悩み相談室を終え、僕たちはエンディングトークに入る。


【もう終わりかー】

【またやって欲しいです!!】

【面白かったー】

【そういえば告知あるって言ってたような】

【あ、忘れてたw】


「そう!告知があるんです!!」


「なんと、すまいるほーむは来月の第一日曜日に………」


 僕はタメを作る。ここで愛用の効果音、ドラムロールを流す。


【日曜日に?】

【ワクワク】

【好きやなこのドラムロール】


 デン!という効果音を流す。ここでリン先輩にバトンタッチ。


「全体コラボをしまーーーす!!!…………しかも、なんと、なんと、3Dで〜〜〜す!!!!」


【ええ!!!!???】

【3D!!!???】

【全体コラボだーーー】

【しかも3Dだ………と!?】

【やばーー】

【激アツ告知】


 一気にコメントが加速する。もう目で追えなくなるスピードで、思わず笑ってしまう。


「すまいるほーむの3D配信は初めてだから、みんな絶対予定空けといてね〜」


「いや〜ついに3Dか〜。私がvtuber始めた頃には考えられなかったなぁ」


 リン先輩が感慨深そうに言う。


「しかも、初めての全体コラボ!五人が一堂に会する激ヤバ配信となりまーす」


【見るしかない】

【俺その日1日仕事入ってるウワァァ━━。゜(゜´Д`゜)゜。━━ン!!】

【かわいそうに】

【お前の分まで見てやるよ!】

【それ慰められてる?】


「というわけで、今日のコラボ配信は終わりになりまーす」


「リン先輩とのコラボ、最初は緊張したけど楽しかった!」


「私も楽しかったよ〜」


【ゆいちゃんにしては緊張してなかったしな】

【面白かったよ!!!】


「そんじゃあおつリン〜〜」


「おつゆい〜〜」


【おつゆい〜〜〜!!!】

【おつゆい!!】

【おつリン〜〜!!】

【お疲れ様でした!!】

【おつゆいー】

【全体コラボ楽しみ!!】

【今日は色々激ヤバな配信だった!おつリン!】

【おつリン&おつゆい〜!】


 配信を閉じる。あーあーと言い、配信が完全に切れていることを確認する。


「う〜ん!!お疲れ様!」


 リン先輩が伸びをしながら声をかけてくれた。


「うん!お疲れ様!今日は本当にありがとう」


「可愛い後輩の頼みだもん!このくらい当然だって!」


 本当に、そう言ってくれるのは感謝しかない。


「次会うときは全体コラボだね?」


「そうだね!フローラ先輩とも顔合わせか〜」


「フローラも優しいし、面倒見良いからそんなに緊張することないよ」


 それからリン先輩と他愛ない雑談を交わし、次の全体コラボのことで話を膨らませていた。

 リン先輩がすまいるほーむのことを話す時は本当に楽しそうで、さすが最初のメンバーだからか、すまいるほーむが大好きなんだな、と思った。

 もちろん、僕も大好きだ。


「改めて、今日はお疲れ様です〜」


「また通話しようねー!」


「うん!時間が合えば喜んで!」


 またいつか通話することを約束し合い、僕は通話を切る。


 ………ふぅ。通話を切った途端、疲労感が押し寄せる。と言っても、何かをやり遂げた後に来る、悪くない疲労感だ。

 最初リン先輩とコラボする時はがっちがちに緊張したが、ひるねの言う通りすっごく優しくて後輩思いな先輩だった。そんなことを思っていたら、ピコン、とLIMEの通知が鳴る。


 誰からかな、と思って机に置いてあるスマホを取って覗くと、そこには「桃花のLIMEʕʘ̅͜ʘ̅ʔ」と表示されていた。ひるねだ。


「ちょうどお礼を言おうと思っていたんだよね」


『配信見たよー!お疲れ様ー!!』


『ありがとうひるねのおかげで何事もなく進められたよ』


『お役に立てたようで何より!ま、私はなんもしてないけどね!』


『そんなことないって』


 渋い顔をした猫が、「そんなことない」と言っているスタンプを送る。


『それはゆい自身の実力だから!自信持って』


 陽気な顔をした猫が、「自身持てよ」と言っているスタンプが送られる。


『ありがとう。ひるねには助けてばっかりだね。何かお礼できないかな』


『じゃあ、また今度お茶しに行こう!また会いたいな』


『いいね!』


 そこから数分ひるねとメッセージをやり取りした後、僕たちは会話を終えた。

 

 僕はしばらくソファでぐてーとしていたが、ふとお外を見るとすでに太陽はさよならしてしまっていたので、キッチンに向かった。

 今日のご飯はちょっとだけ豪華にしよっと。

ここから本格的に夏休み編です

続きが見たい!!って方やそうでない方も

下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援をお願いします!

面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた感想をお願いします。今後の糧にします!


何卒よろしくお願いいたします!

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