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友達とお出かけ!(下)

「へぇ〜黒影っちそんなことになっちゃってたんだ」


 想像していたよりも何倍と軽い返しが返ってきて、思わず鳩が豆鉄砲を喰らったような顔になってしまうのを堪える。

 僕が女の子になってしまったことを告白したのち、僕たちは本来の目的であるカフェに入って話し込んでいた。


 やっぱり杉山は優しくて、柊の時と同様、僕の告白を受け入れてくれた。杉山は最初ぽかんとしていたが、状況を理解した途端に僕の体をまさぐり始まるという奇行に出た。こんな変態さんだったのは予想外だったが、僕は彼女なりの、僕を気遣ったユーモアなのだろうと理解した。


「ま、色々大変だったろうけどこれからは私たちがいるから!いっぱい頼っちゃってよ!」


「菊の言うとおりよ。ちなみに菊より私の方が信頼があるだろうから」


「出会って何日しか経ってないくせによく強がれるねぇ〜明美w」


「アンタとは彼と過ごしてきた時間の質が違うのよ。アンタみたいにうじうじ過ごしてないわけ」


「誰がうじうじしてるって?絶対私の方が信頼も信用も親愛もあるに決まってるもんね〜〜だ」


「ま、まぁまぁ二人とも落ち着いて」


 何で張り合っているのかよくわからないが、何やら険悪な雰囲気だったので止めに入った。


「ていうかさぁ〜いつから女の子になったわけ?全然変わりないように見えるんだけど……あ、もしかして」


「1ヶ月くらい前からかな」


「やっぱり?なんか色気が増したもん」


「色気って………」


「いつにも増して髪がふわふわだし、肌もつるつるのたまご肌!女だったら確実に事後な感じだったもん」


「事後?」


「黒影さんはわかんなくていいわよ」


「うん、わかった?」


 髪とか肌を褒められて、よく見てくれていたことに嬉しくなったが、男としてのプライドがピシリと音を立てた気がする………


「あからさまに変わったのは………やっぱり胸と股ー?」


「う、うん。一応そうだね」


 僕は自分の胸と股を想像してしまい、顔を赤くして答えた。

 

 長年親しんできた男のアレ(すごく小さかった)が失くなってしまったり、重くて足元が見えないお胸ができたりで、他人の体を借りているんじゃないかなんて錯覚を起こしてしまう時もある。


 お胸といえば、女友達ができたら頼みたいことがあるのだ。

 頼むなら今が絶好のチャンスに違いない。


「そういえば…お願いがあるんだけど今言っちゃっていいかな?」


「どんと来い!」


「もちろんよ」


「……………………ブラジャーを一緒に買ってくれない?(小声)」


「………ブラジャー?」


「あー。そういうことね。わかったわ、付き合ってあげる」


「ほんと!?柊、ありがとう!」


 僕が顔をぱあっと輝かせると、柊はなぜか顔を背けてしまった。


「あはは、明美顔まっかー」


「うるさい!ちなみに、アンタはついてこなくていいから」


「えっ」


 杉山が潤んだ瞳でこちらを見つめてきた。

 もちろん杉山にもついて来てもらいたい。僕の初めての女友達でもあるしねっ。


「杉山にも来てほしいな……」


「ほらーーー!黒影っちの一番の親友はわ・た・しなの!!」


「勝手に解釈しすぎ。結局あなたは彼の『親友』止まり」


「むぅ〜〜勝手に奪い取る気か….…!?」


「奪うも何もあなたのものじゃないでしょ?ふふ」


「ちっ、不敵な奴め……!!」


 二人って本当に仲が良いんだなぁ〜。僕の両隣で口喧嘩をしている二人を見てそう思う。

 僕もあんなふうに仲良くなりたいな……。


「えっと……じゃあ、いつが空いてる?」


「え?今からじゃないの?」


「今からでも大丈夫だけど……二人とも予定とかは大丈夫?」


「私は大丈夫よ」


「私もー!何かあった時のために夜まで空けておいたからー!」


 元男の僕の下着選びに付き合ってくれるなんて…二人とも優しすぎる……!


「二人とも、本当にありがとう……!パンケーキ食べ終わったら一緒に行こ!」


 それからも3人でお喋りしていたら、それぞれが注文したパンケーキが来た。


「こちらいちごソースパンケーキ、ふわふわホイップホットケーキ、ステーキパンケーキでございます。ご注文、以下でよろしいでしょうか。」


「はいっ!ありがとうございます!」


 めちゃくちゃ美味しそう〜〜!僕は目を輝かせながら店員に感謝の言葉を述べると、店員さんは微笑ましそうに会釈し、厨房に戻って行った。


「誰よ、ステーキパンケーキ?頼んだの……」


「あ、それ私の〜」


「アンタかい。まぁ、察してたけど…流石にそのセンスはどうなのよ…」


「センスを疑われた!?」


 柊がありえないものを見る目でステーキパンケーキを見る。


「ステーキパンケーキ、僕は美味しそうだと思うけど……」


「さっっすが!黒影っちはわかってるのよ!!明美こそがセンス悪いんじゃないの!?」


「黒影さんは優しいからアンタに同情しただけよ。アンタと違ってふわふわホイップホットケーキ頼んでるし」


「ぐうの音もでない………!」


 二人はまた何やら口論しているようだったが、僕は我慢できず目の前のホイップホットケーキに飛びつく。


「いただきま………っん……おいしぃい…」


 ホットケーキが口の中に入った瞬間にとろとろになっていく。咀嚼した瞬間はホットケーキのふわふわさ、その後はホットケーキの上に乗ったグラノーラが食感を楽しませている。ホイップも甘すぎず、絶妙な酸味がまるでホットケーキと結ばれることが運命だったかのように相性が良い。


「かわい…コホン」


「かわい……ん゛っ。わ、私も遠慮なくいただくわね」


 僕がとろけているうちに、いつの間にか二人とも各々のパンケーキを口にしていた。


 3人は、それぞれのパンケーキを食べ終わり、飲み物も全て飲み干したのでカフェを後にした。

 ちなみに、男前を見せようと思って僕が奢ろうとしたら二人に止められてしまった。男前見せられなかった…


◇◇◇


 そして僕は今、羞恥を堪えて女性用の下着売り場に足を踏み入れていた。

 前にはウキウキで僕のブラジャーを選ぶ杉山の姿が見える。なんでそんなウキウキなの……?


「くーろかげーっちー!これとかどう!?」


「わー!?い、いきなり見せないでよ…」


 曲がりなりにも、僕は元男の子だったわけだから、いきなり女性の下着を見せつけられると流石に恥ずかしい…

 僕は顔を赤くして目を逸らしたが、運悪く二つのブラジャーを抱えた柊が視線の先にいた。


「あ、黒影さん……どっちが良いかしら?」


「あ、あの……」


 ここが地獄か。


「あー……そういえばさー。黒影っちの胸のサイズ私らわからんくね?」


「当たり前でしょ。だから測ってもらうのよ」


「………え?測る……?」


 何やら不穏な言葉が聞こえてきた。

 でも、そりゃそうか。お胸のサイズがわかんないのにブラジャー買えないもんね。


「そうだねー。」


 杉山は近くの店員さんに躊躇いなく話しかける。


「すいませーん。あの子の胸のサイズ、測ってもらえませんか?ついでに、おすすめのブラジャーも。」


「はい。承知しました」


「黒影っちー!この店員さんについて行ってー!」


「え?あ、わかった!」


 そうして僕は店員さんについて行き、お胸のサイズを計ることになった。


「じゃあ測りますねー。早速上脱いでもらえますか?」


「えっ、脱ぐんですか」


「脱がないと測れませんよ?」


「た、たしかに……」

 

 僕は納得しつつ、渋々脱ぐ。恥ずかしいもん。


「メジャー通しますねー」


「は、はい…………ひゃっ……くすぐった………んっ………」



「ねえ明美」


「何よ」


「今すぐにでもこのカーテンをこじ開けて中を見てみたい」


「私もよ」



「アンダーバストが69cm………カップは16cm……なかなか逸材……」


「あ、あの?店員さん?もう上着ちゃって良いですか?」


「あ、はい。構いません。ありがとうございました。」


「いえ、こちらこそ」


 なんやかんやあって僕はお胸のサイズを測ってもらうことに成功した。これでようやく包帯を巻くのも卒業だね!


「適正はこのサイズですかね。」


「おお……結構デカめなんだね、黒影っち」


「ふーーん……」


 なんか二人とも僕のお胸を凝視してくる…恥ずかしくて思わずお胸を隠してしまう。


「あ、あんまりじろじろ見ないでよ……?」


「……これは変な男が寄らないように守らないとと、ね」


「………男が寄って来るどころか、殺してしまうんじゃないの」


「確かに」


「?」


 僕が男を殺す?物騒だな…。

 そんなことを思っていると、店員さんが苦笑を浮かべながらブラジャーを片手にこちらへやってきた。


「デザイン、こちらはどうでしょうか。」


「ちなみに、私はこれが良いと思う」


「私はこれかこれね。貴方が好きなものを選びなさい」


「同じデザインのものだけじゃなくても良いんだからねっ!」


「えっと………じゃあ、これとこれ、二着ずつ。買おうかな」


 僕は無難でシンプルなデザインのやつを二つ選んだ。店員さんが持ってきてくれたやつと、柊が持ってきてくれたやつの片方。

 杉山が持ってきてくれたやつは……ちょっと派手すぎる…かな…。うん。


「黒影っちの意思を尊重するよ…………ボソッ(私のも選んで欲しかったな)」


「菊のセンスは謎なのよ」


 僕は会計を済ませ、ブラジャーの入った紙袋を持ちながら小走りで二人の元に向かう。


「その、今日は本当にありがとう!」


「うんうん、良いってことよ!!」


「このくらいどうってこともないわ。いつでも付き合ってあげる」


 そして駅まで3人で楽しくお喋りしながら帰り、僕たちはそれぞれの駅で降りた。

 杉山とは降りる駅が一緒だったので、僕の家までブラジャーの話とかをしながら帰った。


 そうして僕は一大イベント、「お友達とお出かけする」を無事成功させた。思わぬ収穫もあったしね!

 

 普段の一週間分くらい対面で話したから、少し疲れていたからソファに座り体力回復を図る。

 配信は22時からで、今は15時なのでまだまだ時間がある。一眠りしてもいいが、昨日のことを考えると鳥肌が立ったので起きてることにする。

 ノアさんとの配信、楽しみだな……!

過去一長い!

続きが見たい!!って方やそうでない方も

下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援をお願いします!

面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた感想をお願いします。今後の糧にします!


何卒よろしくお願いいたします!

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