不用心すぎてTSがバレてしまったみたいです
朝、鴉の鳴き声で目が覚めた僕は手元の時計で時刻を確認する。時計の短針は11と12の間を指していた。
「やばい寝過ぎた……」
今日のひるねとのコラボが楽しみで、昨日の夜はすっかり目が冴えてしまいよく眠れなかった。
それに加え、日頃から守っている9時間睡眠のせいで今この状況に至ると言うわけだ。だが、コラボ配信自体は15時からであるためそこまで焦る必要はないと思った僕は、ベッドから起き上がらずにスマホを弄り出す。
何やらメンションをされていたらしく、疑問に思いスイッターを開くとそれはひるねからのメンションであったことに気付く。
@Hirunedanya_sumairuho-mutwo 4h
今日は15時からマラクエをプレイするにゃ。
今回はなんと特別ゲストを呼んでいるにゃ!→@Yui_sumairuho-mutwo
ゆいとの初コラボ、みんな絶対来てにゃ!!!
121件のコメント 5k件の高評価
僕は急いでひるねの投稿に引用をつけてツイートし、同じように宣伝する。
@Yui_sumairuho-mutwo 1m
初コラボです
見に来てください
ひるねとです
マラクエです
16件のコメント 256件の高評価
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@Hirunedanya_sumairuho-mutwo 4h
今日は13時からマラクエをプレイするにゃ。
今回はなんと特別ゲストを呼んでいるにゃ!→@Yui_sumairuho-mutwo
ゆいの初コラボ、みんな絶対来てにゃ!!!
121件のコメント 5k件の高評価
僕の初コラボ配信ということもあってか、投稿は盛り上がりを見せていた。嬉しくてついニヤニヤしてしまう。
大急ぎで打った僕の変な引用ツイートもいい感じで伸びていた。
それからしばらくスイッターで最近気になっていたvtuberの切り抜きや、僕の推しである花咲メメのファンアートをぼけっと見ていたら、いつの間にかお昼の時間になっていて思わず「ひえっ」と声が出た。
そして僕は小走りでキッチンに向かい、大急ぎで昼ごはんを作る。
一昨日買ってきたうどんを茹で、茅○舎の出汁につける。それを、これも一昨日買ってきたオクラの天ぷらと一緒に食べる。
女の子の体になってしまってから、食欲が少し落ちた。いや、正確には胃袋が小さくなったと言う方が的確か。
もともと少食だったが、さらに少食になってしまい、もはや「超少食」の域に達した。
食べる量が少なくなり、ご飯の時間も圧倒的に減った。しかし、僕はそんな生活にもだいぶ慣れ始めていた。
「人って順応が早いんだねー」なんて他人事みたいに思っているうちに、しっかりとご飯を食べ終える。
「まだ後3時間くらいあるか……」
時計を確認すると、配信まで後3時間残っていた。
さっきまで慌ただしかったのが嘘みたいに暇になったので、せっかくだし散歩に出ることにした。最近休日はずっと引き篭もっていたからちょうど良いね。
1時間くらいそこら辺を散歩して戻ってこようと思い、僕は着替え始めた。
ひるねとの配信もあり浮かれていたのかもしれない。僕は普段着ている体型が隠れるようなパーカーではなく、はっきり体型が見える動きやすい服装を特に気にせず選んでしまった。
「じゃあ、行ってきまーす」
誰も家にいないが一応挨拶だけはして戸を締め、適当に川沿いでも歩こうかと思い川に歩を進める。
◇◇◇
「ふぅ……疲れた…」
30分くらい歩いたか、僕は流石に疲れたので河岸に横になって休む。
「前はもっといけたのに……絶対コレのせいだよね」
僕は自分のお胸に目を向ける。本当になんでこんなに無駄に大きなってしまったんだ…
「小さくなんないかなコレ」
落胆しながら僕は自分のお胸を揉んでいた。きもちい。
しばらく自分で自身の肩や胸を揉みほぐしていると、何やら後ろの方から強い視線を感じたので何だろうと思い振り向いた。
そして僕は、今日散歩に出掛けてしまったことを強く後悔した。
「……………黒影さん?」
なんとそこには、愕然と目を見開く柊の姿があった。視線は僕のお胸にあることはすぐに分かった。
「…………柊…さん…」
僕は次に言えば良い言葉の最適解が見つからず、お互い見合った状態で固まる。気まずい沈黙が僕と柊を包んだ。
しばらく経ってから、次の口を開いたのは柊だった。
「あ、貴方、ソレはなんの冗談のつもり…?最近の女装は…随分レベルが高いのね?」
僕はしばらく頭が真っ白だったが、柊の発言で意識が引き戻される。
それと同時に、もう逃げようがない状態であることを認識した。
もう隠すことは無理だろうと判断し、僕は半ばヤケになって自白した。
「そ…その……女の子になっちゃったんです…」
「ハ、ハァ?女の子になるなんて、そんな話あるわけ…」
「で、でも。本当に、朝起きたら、女の子だったんです」
「…………」
彼女の動きが完全に止まった。どうやら彼女の情報処理能力がダウンしてしまったようだ。
「ひ、柊さん?」
「……いつから?」
「え、えっと……1ヶ月前くらいから…かな」
「結構前じゃない。なんで気付かなかったんだろう…」
「必死に…隠してたから、バレなかったんだと思う」
「…隠してた?なんで隠す必要があるわけ?」
「そ、それは、怖かったから…。周りから気持ち悪がられるのが、嫌だったから。」
「………………確かにそうよね。配慮が足りなかったわ、ごめんなさい。」
「全然大丈夫」
僕は拒絶されなかったことに安堵しながら、柊を信頼して全てを告白した。
◇
お母さんに買い出しを頼まれてスーパーに向かっていた途中、私はありえないものを見てしまい絶句することになった。
つい昨日、お出かけする約束を菊に半ば強制的に取り付けられた相手、黒影玲。彼が偶然河岸に寝そべっている姿を見かけたのだ。
しかもどういう訳か、身体が完全に女の身体なのだ。
何度目を擦っても顔は黒影くん。でも体は女のソレだ。
何か見てはいけないようなものを見てしまったような気がして、頭ではここを離れた方が良いと分かっているのに、体は言うことを聞かなかった。黒影くんの姿から目が離せなかった。
我慢できなくなった私は、安直にもつい声をかけてしまった。
私が声をかけると、黒影くんの顔の色はみるみる絶望したような色に変わっていく。
「…………柊…さん…」
そんな彼の姿を見て、私はなんと言えば良いのかわからなかった。気まずい沈黙が私と黒影くんを包んだ。
その後、私は冗談を交えてコレはどういうことなのか聞いた。
すると、彼はとんでもないことを言い始めた。
「そ…その……女の子になっちゃったんです…」
へぇ、そうなのね。女の子になっちゃったのね。
____なんて納得できるかーい。
私は完全に脳がフリーズしてしまった。
◇◇◇
その後、状況を把握しきれてない私のために彼は一言一句包み隠さず事の顛末を教えてくれた。
彼の目は、私に信頼を向けている目だった。
彼は正体を明かすのが怖かったと言った。気持ち悪がられるのが怖い、と。
私は涙目でそう明かす彼を、抱きしめてやりたかった。私たちがいるじゃないの、と言ってやりたかった。
彼は私を信頼して全てを明かしてくれた。私はその信頼に応えなければならない。彼を守ってみせる。私は強くそう思った。
結局私はお母さんに何を買えと頼まれていたか忘れてしまい、手ぶらで家に帰って怒られるのだった。
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