第63話 オレオレ詐欺の派生版!?あれあれ詐欺とは。
ガゴン!
「今度こそ着いたな……。」
「長かったね。」
「そう……ですね。」
「着いたぜ!さっさと行こうぜ。」
長ーいエレベーターの旅を終え、ついに目的地である地下モールに着いた。……そんな大げさなことではないんだけどな。ただ何となく盛り上げてみただけなんだけど。
「でも……入り組んでそう……ですね。」
「そうだな。」
ざっと見た限り、20個近くはルートがあるのではないかなと思った。こういう時、全面透明なエレベーターって役に立つよな。あと景色見るときとか。……今回の場合は、外の景色=土の壁だったから完全にその面では意味をなしてなかったのだけれども。
「これってまさにあれだね。」
「あれってなんだよ。」
「あれよ、あれ。」
何? オレオレ詐欺か何か? 俺だよ俺。俺だって。あーこの場合なら、オレオレ詐欺じゃなくてあれあれ詐欺だな。
「アリの……巣ですか?」
「そう、それ!」
「アリの巣な。」
確かにありの巣って実はすごく入り組んでるらしいな。なんかどっかで聞いたことあるんだけど、アリは自分の巣の全貌を覚えてないらしいな。だから、たまに道に迷う。そもそもアリの脳みそはかなり小さくて少ないのに、ルートを覚えろなんて完全につらいだろうし、仲間が増えれば巣が変わるしな。
「アリの巣ってこんなふうなんだな。」
「え、悠加知らなかったの?」
「おう。勉強に関しては何もできないからな。」
まさか悠加って僕より頭悪いんじゃ……。絶対に本人の前で逝ったら僕が殺されそうなんで言えませんけど。
「でも……このままじゃ……迷子に……なっちゃいます……ね。」
「そうだよな。適当に自由行動!みたいなことをしようと思ってみたけど、これじゃ無理だよな。」
まだ外ならば外の風景などを見て、集合場所付近まで行くことできるんだけど、すべてが土だからな。……これは迷わない方がおかしい。
「みんなで行動するのもいいけど、4人で移動したところで迷うものは迷いそうね。」
「その通りだな。」
初めていく初見場所は、何人で行こうが行かないが変わらないからな。
「なんか案内してくれる美人な人いないかなー。」
僕がそうつぶやくと、
「希心、それ、完全にフラグだよね?」
「フラグ……ですね。」
「フラグだな。」
「……なんかひどくない?」
別にフラグを立てたつもりじゃなかったんだけどな。
「多分この調子だと、1)来ない、2)おっさんが紹介してくれる。の二つに決められたね。」
「流石にそれは勘弁。」
せめて、紹介人は女性がいいなー。そっちの方がなんか安心するしな。
「あの……ここに来るのは初めてですか?」
急に声をかけられた。声質的には……女性っぽいかな?
「はい、そうです。」
「私が案内しましょうか?」
女性の人が案内してくれる流れになってくれた。ならこれで大丈夫だな。そしてフラグを一個へし折ったかな?
「じゃあお願いします。」
そう言って僕は振り返ってみたら。
「(デブ!)」
めちゃめちゃ太ってる女性の人がそこに立っていた。
「はい、着きましたよ。ここが雑貨屋さんです。」
「ありがとう。助かった。」
「ありがとう……ございました。」
「サンキュー。」
「ありがとね。」
僕らはあのおデブさんの案内のおかげで、雑貨屋さんまで来ることが出来た。
「では、私は外で待ってますので。」
「はい。」
案内人さんは店に入ってこないんだな。なんでだろう……。考えてもしょうがないや。
「でも、こんなの絶対に迷うだろぜ。」
「流石にこれを案内人なしで見つけのは不可能だろうな。」
かなりの道を歩いた。さらに風景が変わらないからゲームでたまにある、さまよいの森ステージをずっとやってるような気がするものだった。
「そういえば、この場合、希心のフラグは回収したの?それとも折ったの?どっちになるんだろうね。」
早絵がそう言ってきた。
「そうだな……。」
僕は美女の案内人に紹介してもらいたかったんだけど、美人じゃなかったんだよな。でも、男女比率的にいうと1;1なんだから、そもそも男を引いていないという時点でへし折ったといえるのか……そこがな。
「まぁ、どっちでもないっていうことで。」
「そうです……ね。」
「フラグ回収してほしかったぜ。」
「いやいや、フラグは回収しないからな!」
雑貨屋さんでは日常消耗品を買って後にした。再び、おデブの案内人さんに次の目的地まで案内してもらったのであった。




