第十三話 救済軍発足
穂月視点です♪
パーティーから5日経ち、俺は熾音が「魔王」として認められていくのを見ていた。
皆が王として見る。
王としての仕事をこなしていく。
それは熾音に王としての才覚があるということで。
そんな時だった。
人間界で大災害が起こったという情報が入ったのは。
シヨンの民が助けを求めてやってきたのだ。
人間界での災害はまたしても、魔獣の発生。
しかも大量発生だ。
発生場所は……フィリシアーー王都だ。
俺が召喚された場所。
胡散臭い人もいたが、いい人もいた。
短い時間だったけれど、あまりいい思い出もないけれどこの世界最初の場所だった。
「熾音……俺はフィリシアに行くよ」
執務室で熾音に告げる。
「……!」
息を吞んだのはレルハだった。
「私も行く」
一人で行こうと思っていた。
熾音はやっとここで居場所が出来たばかりだから。
「熾音!それは……」
言葉が続かない。
一緒に居たい自分がいるからだ。
「軍も連れていくわ。救済のために。人間との和解を目指すの。協力してくれる?」
微笑まれて断れるわけがない。
ここ数日で急激に成長したんだ、熾音は。
まるで……独り立ちを急ぐ子供のように。
「オレはいいと思うっ!」
「人間との和解はずっと目指してきたことだしな」
「人間の技術が入ってくれば、魔道具の改善もされるわ」
満場一致。
「なら、レオとレルハは騎士と魔術師の希望者を集めて頂戴?私も頼みにいくから」
王としての言葉。
さっそく、俺たちは武官の集まる、訓練場に向かった。
初めて足を踏み入れた訓練場はむさ苦しかった。
「魔王様だ!」
「勇者じゃね!?すげー、本物?ルサ様に圧勝したんだろ」
「熾音様!?」
「レオ将軍とレルハ将軍だ!!」
訓練場は大騒ぎになった。
「静かに!」
少女の声が響く。
「人間界で魔獣が大量発生してます。弱い者を助ける事が出来る者が真に強いものであると思うのです。救済軍を発足します。立候補者はいますか?」
熾音が続けると、訓練場が静まり返った。
長年戦ってきた人間界。
やはり反感はあるのだろう。
「俺は、行く」
ルサが言った。
いたのか。
それに続いて立候補者が続出した。
今回、レルハとギスターは連れて行くことが出来ない。だからこそ、他に有力な人間が欲しかった。
「では、出発は明日。仕度を整えておいてください」
言い残した熾音と共に訓練場を後にした。




