第十二話 ダンスホールでの試合は
熾音視点です!
試合が始まった。
穂月なら大丈夫だという自信があった。
この試合に勝てば、ほとんどの魔族が穂月を認める。
結界の中の穂月と目があった気がした。
「始め!」
ギスターが合図すると試合が始まる。
ルサが剣をふり、数段早いスピードで穂月が避ける。
剣王ルサの剣技のスピードは魔界一だと言われているから、それを避けた穂月に魔族が息を呑んだ。
ルサが攻めて、穂月が避ける事を続けていく。
時間が経つにつれルサが目に見えて消耗してきた。
全力で振った剣が穂月に擦りもしないのだ。
相手を怪我させない、優しい戦い方。
「すげぇ……っ!剣王ルサに対してあの余裕!!」
「なぁっ、凄すぎる」
「あやつは仕えるに値する」
感嘆の声があがる。
ルサも大分粘っている。
息を切らして振る剣は威力が落ちる一方だけれど。
不意に閃光が瞬いた。
ルサが穂月に向うその魔術の光は穂月の咄嗟に編んだ光の結界によって弾かれる。
跳ね返った自分の術でルサは崩れ落ちた。
「……っ!」
「モネード!!」
穂月が叫び、私はダンスホールの結界を解く。
モネードが駆けつけて、処置をしてる。
手が震えているのに気づいた。
ひどく時間が経つのが遅く感じた。
気が付くと穂月が隣にいた。
「ルサは大丈夫だから。1、2日で
回復するよ」
私が気にしていた事をわかったような口ぶり。
どうしてわかるの?
「ありがとう」
その後、パーティーは予定通り進んだ。
穂月が大人気になることは予定外だったのだけど。
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