幕間 高校一年生 八月
「夏も終わりだねえ」
「そうだな。宿題は終わったか?」
「むむむ、私をどこかの眼鏡の小学生と勘違いしているな?」
「よく事件に遭遇する方?」
「昼寝と射撃が得意な方」
「一生小学生の方ね」
「うーむどっちもだな」
「なんにせよ無事終わってるんだな」
「ふふふ。まあでもあんま量もないしね、うちの学校」
「確かにな」
「ってか、今夏の振り返りをしているのに何で宿題の話とかするわけ? もっと他に思い出ないの?」
「そりゃあ明日学校だからな。加えていうと特に思い出はない」
「……そうなの? 楽しくなかった……?」
「……」
「ふふ。最近桜井の顔を見るだけで何が言いたいのか何となくわかってきたよ」
「……うっせ」
「私は今年は楽しかったなー。だって色々な本読めたし、映画見れたしー」
「金もかかんないしな」
「そ・れ・にー」
「……なんだよ」
「うーうん! ないしょ!」
「……ったく」
「でもでも、水着は着たかったなー」
「海にでも行きたかったのか?」
「ううん。水着着たいだけ。もう何年も着てないから」
「なんで水着だけ着たいんだ?」
「勃起してくれるかなって」
「……なんて?」
「私の水着見たら反応しない?」
「……してほしいのか?」
「うふふ。そりゃあしてくれたらうれしいよ?」
「……この話は無しにしよう」
「はい」
「ぶっ!」
「今ってすごいね、写真をAIにかけると勝手に水着にしてくれるんだもん」
「おまっ! 羞恥心はないのか!?」
「所詮AIだしー、というか私の肌のがいけてるよ?」
「やかましいわ!」
「裸にすることもできる――」
「シャラップ!」
「AIごときが私の美肌を超えれると思うなよ、とは思うけど、でも今の時代すごいねえ。私なんて多分いろんな人のスマホで裸になってるんじゃない?」
「……えらく達観してるな。嫌じゃないのか?」
「別に。妄想されるのと一緒でしょ?」
「そういうもんか……?」
「でも情けないからやめた方がいいよ」
「するか!」
「見たいなら正直にお願いして?」
「……するか」
「ちょっとラグあったね?」
「しねーよ。変態扱いされて僕の心がさらに傷ついて終わりだろ?」
「……本当にそう思う?」
「……うるさい」
「……もしかしたら……?」
「……うるさい」
「……一回試して、み・た・ら?」
「ええい! やかましい! やかましい!」
「勃起した?」
「するからやめろ!」
「えへへー。りょーかい」
「……水着、来年見せてくれよ」
「え? ムラムラしてるの? 一回勇気出してみたら?」
「うるせー。……来年、一緒に海に行こう」
「……うん。楽しみにしてるね」
「……夏休み終わるな」
「楽しかったし、幸せだったよ?」
「……そうだな」
「来年も、その次も、一緒にいてくれる?」
「……ああ」
「ありがと。じゃあ、新学期もよろしくね」
「こちらこそ、な」
「うふふ」




