9話 異次元ポータル発生機。
ようやくだ。
どれだけこれを渇望していたことか。
『異次元ポータル発生機』
ついにこれを作ることが出来た。
これで手狭になってきていた拠点を、引っ越すことが出来る。
異次元ポータル発生機は、鉄インゴット16777216本を、圧縮機で圧縮することで作れる。
要はXtra Large Smelterが、ゲート要員になっているということだ。
嬉しいことは続くもんだね。
早速ポータルを発生させて、この手狭すぎる土地に分かれを告げよう。
「パウル、拠点の機械全部持った?」
「持ったけどよ、何で全部俺が持つんだよ……」
「うるさい黙れ。行くぞ」
ちなみに、次元を超えての資源輸送は無論可能だ。
それが出来なかったら、資源ノードから資源を拠点に送り込めないしね。
異次元ポータル発生機を起動する。
駆動音が聴こえてくる。
うるさいから後で消音アップグレードを刺しておこう。
数秒した後、比較的大きめなサイズのポータルが開通する。
ポータルをくぐると、程よい温度の風が頬を撫でる。
ちょっと丁寧な表現をしたくなる程嬉しいね。
辺り一面、広大すぎる芝生が広がっている。
いずれ全て工業化されるだろう。
今から楽しみだ。
「お前も流石に、ここいら全体を工場にしようとかは思ってないよな?」
「何言ってんの、全部工場になるよ」
「俺の重労働が確定してしまった…………」
「うるさい黙れ。ちょっとは機械を置くとかして移行作業しとけや」
その時、後ろから声がかかる。
「余剰資源の買取に来たんですけど、あのー、これは……?」
「引っ越し」
「そ、そうですか…………」
「とりあえず鉄インゴット16777216本と鉄棒65536本くらいで良い?」
「…………」
「なんか喋れ」
「すごい数ですね……」
「受け取ったら早く帰って。私は喜びに浸りたいから」
「あ、あのー、今手元にあるお金だけですと支払いが出来ないのですが、後でお金を持ってくるのでよろしいでしょうか……?」
「何でも良いから早く帰れ」
「は、はいー」
「あ、資源は一旦置いてけ」
「あ、わかりました」
こうして、使者はポータルをくぐり、帰って行った。
この空間には今、我々と芝生と静けさのみが存在していた。
すぐ機械で埋まるけどね。
機械が無い状態は落ち着かないから、早く移行を終えよう。
邪魔者も消えたし、とっとと工場を敷き直して寝るか。




