8話 初めての大型機械、Xtra Large Smelter。
ついに、ついにだ。
ついにこの工場に大型機械を置けるときが来た。
流石の私でも、にやけが止まらない。
そう、何を隠そう私は大型機械が、とてつもなく大好きだ。
これだけで米が4杯は行ける。
実際に行けたこともあるし。
あのロマンの塊の魔力は、誰にも止められないよ。
早速設置しよう。
レシピライブラリー的に、もうすぐ異空間拠点に工場を移すことになるだろうが、
それはそれとして、もっとも良い置き場所を探し、設置する。
早速、設置した機械を眺める。
ガラス張りの筐体の中には、金属的な重厚感の溢れる、繊細かつ大胆な機構が詰まっている。
その中央には2個のブラックホールの様なものがあり、
投入された資源が左から入り、すぐに右から出てくる。
サイズは、高さ32m幅16m奥行き16mの巨大な直方体だ。
縦置き羊羹みたいで、美味しそうだ。
そんな変な比喩表現が出てくるくらいに、私は、今、興奮している。
パウルが私に何か言っている気がするが、今はそんなことどうでも良い。
私にもうしばらくこの世界で初めて作った、大型機械を感じさせて欲しい。
早速、この超並列精錬機である、『Xtra Large Smelter』を既存の精錬機から置き換えよう。
置き換えてみたが、なんだこれは。
あまりにも、強すぎる。
投入する電力を機械側で設定することで、並列数を制御出来るのだが、
現状投じている1.024MWだけで、4096並列が1秒という破格すぎる性能が得られている。
もともと設置していた、発展型形V4精錬機も強かったが、そんなものとは比べ物にならない程強い。
あっちは消費電力が8.38MWと、生燃焼発電機を圧縮しないと、まともに運用できないレベルの大電力食いだった。
なのに、こっちはどうだ。
比べ物にならない程省電力で、比べ物にならない程加工速度も早い。
これを芸術と呼ばずして、なんと呼べば良いだろうか?
大型機械というのは、この世界に於いて、制作難易度が高い代わりに電力効率なども良すぎるようだ。
最高だ。
ちなみにこの機械の制作に必要な素材は、究極型V5精錬機256機と、溶融ミスリルアダマン合金を36864Lだった。
それでもこの電力効率の前では何も言うまい。
ちなみに1インゴット144Lだ。
私はこの機械の性能を目の当たりにした時、涙を流しながら気絶した。
普通に睡眠不足だった。
もうすぐこれが作れると思い、睡眠時間を削ってでも作業していたのだ。
ケイは、そのまま2日程寝込んでいた。




