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W・M・S (Warlock Magus System)  作者: 渡野さら
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第73話 ニルヴァーナ領での日々7

 


 もう1人の俺達がアゼンツァ侯爵邸に乗り込んで、捕縛を終えた頃

 皆が俺の自室の居間で寛いでいた。

 今日は楽しかったのだろう。あれこれ買い物の話で盛り上がっている。

 明日は通常日なので王都に送るが、明日の朝になった。

 霊波移動なら瞬時だから、何処どこに居ても変わらないのが理由だな。



「じゃ、エリダ・ターニャ・ガイア・ジェシカ・カトリーヌとクリス・ケイティ

 マリアンヌ。侍女の皆が王都だね?此方こちらに残るのはアーシャとソニアとソフィア

 だね。あ、お祭りが終わった後から、混ざって行き来も良いと思うよ?」


「そうですわね。皆の刺激にもなりますし、妻連合の交流にも」

「ええ。私は年末迄はお休み以外来れませんけど、楽しそうですわね」

「はい。メリハリが付いて研究も捗りそうです」

「学校も研究も頑張ります!あ、繊維は目処が付きそうです!」

「まぁ!凄いわカトリーヌ!」

「「「「「「「「「「「「「凄いです!!」」」」」」」」」」」」」


「えへへ~後はちゃんとした糸にして、色々な試片生地を作るだけです。

 多分、アーシャ様がびっくりする物が出来ましゅ!ゴムも完成すれば、前にお話

 した様な服や下着。衣類全部に革命が起きます!」


「天才よ!カトリーヌは!」

「凄い!アレが実現するなんて!」

「夢が広がるわ!」

「やっぱりカトリーヌさんは凄いんですね!」

「カティ!待ってたよ~!期待しちゃうよ~!」


「そうだな。期待してる。実はカトリーヌが自前で持ってたペンを改良して

 こんな物を作ってみた。はい。只の棒に見えるが、こうなっててキャップなんだ

 で、このままインクが出て書けるって代物だ。ソニアが不便だと思ってだろ?

 カトリーヌが何やら作っていたのを見てな。俺も改良出来ないか考えた物だ。

 これなら一々インクも要らない、この”ペン”と紙が有ればいい。便利だよ。

 カトリーヌの発想には驚くよ?アーシャみたいだ。ソニアの為ってのもいい」


「「「「「「「「「「「「「これ凄い!!天才!!」」」」」」」」」」」」」


「…………」{カトリーヌ!!}


 ソニアがカトリーヌに抱き着いて撫でている。嬉しいのだろう。

 カトリーヌも真っ赤で恥ずかしそうだが、嬉しそうなんだよな。


「旦那様。カトリーヌは凄い娘ですわ。しかも”誰かの為”と言う優しさが」

「ええ。彼女は常に”誰かの為”が根底にある人なのよね。尊敬してるわ」


「そうだ。凄い事だよ。だがアーシャもエリダも同じだ。誰かの為に自分が動く

 我が妻達は本当に自慢だよ。俺もしっかりしなくてはな」


「いえ、旦那様が駄目なら世に確りした殿方は居ません」

「そうです。これ以上だと、私達が着いていけません」

「世の中が駄目男ばかりになります」


「え?そうなの?鈍いからやらかしてばかりと思うのだが…………あ、伝える事が。

 今日の日中なんだが、アーシャとアウラを狙う賊を捕らえた。盗賊ギルドの仕事

 で、アゼンツァ侯爵と息子からの拉致依頼だった。既に捕縛、牢に入れた。

 盗賊ギルドも余罪取調べを宮廷魔術師達が主導で行い厳しく追及して逮捕する。

 今回、俺への喧嘩だが、本国は反逆罪として、厳しく取り締まるつもりらしい。

 皆も普段から気を付けて欲しい。まぁ、何か有れば指輪で瞬時に伝わるがな。


 それから。数年時間的猶予が有るんだが、その間に子供を作りたいって思うんだ。

 優先は先に一緒になったアーシャ、ターニャ、ソニア。

 出産が早い方がいいクリスティ、決戦時を控えてガイアとカトリーヌ。

 彼女達の次に妖精の血が絶えない様にアウラ、ラティーナ、クラウディアかな。

 後は順次だけど、優先はエリダだね。だから出来易い日の前後数日を【聖域】で

 過ごすから、申告して調整して欲しい」


「「「「「「「「「「「「「「分かりました」」」」」」」」」」」」」」



「旦那様………いつもお守り下さって有難う御座います。嬉しいです」

「旦那様に守って頂け幸せです。私達、妻を御守り下さいませ」


「ああ、当然だよ?誰にも渡すものか」




 皆で風呂に入り、洗って貰う。

 ふ~~いい気持ちだ。大事にして貰って、皆の気持ちが伝わるようだ。

 その分、今回の様に守らなくてはな。笑顔で過ごして貰う!

 明日から貴族面接が出来るように準備を始めないとな。



 風呂を出て、寝室に入り人数分に分裂して、皆の部屋に行く。

 これも鍛錬になるし彼女達も喜ぶしで、いい事づくめだ。

 早く慣れないとな。


 今日も自室の寝室はアーシャとだ。

 彼女の甘い体臭と柔らかい肌を求めたくなってしまうな。

 抱き寄せて口付けをすると彼女も…………






 朝は何時も通りの目覚めで、霊波通信を行い補完する。

 特に変化も無く、平和。イエネッタには激しく甘えられてしまった。

 可愛い女性からの求愛だから喜ばないとな。

 あ、アウラもだった。自分が狙われていると知って怖いのだろう。

 何時もとは違う意味での求め方だな?安心させるのに苦労した。

 後はソニアに違和感が。悩みかな?


 全員で示し合わせたように朝風呂に入り、合一する。

 ゆったり湯に浸かり、朝の触れ合いだな。


 朝食の後は、昨日の人員を霊波移動で王都に送り、そのまま王都組に。

 アーシャ、ソニア、ソフィアは残留だな。

 万が一も有るし、アーシャとガイアは別にしておかないとね。

 瞬時だから関係無いとも言えるのだが。


 先ずは執務室に行き、朝の書類からだな。報告書と決裁書。

 アーシャ達はアウラ達とサリーニャと俺の居間で雷帝宮の使用人や設備、

 居住区、政務区、騎士団等の話をしている。

 勿論ここにも俺が着いている。約束だからな。

 あ、冒険者ギルドも行かないと!早速分裂して飛ぶ!


 近くの路地に現れて盗賊ギルドの建物を目指す。

 昨日のがトラウマになると良く無いので治癒と俺の霊波操作で記憶をぼかす。

 宮廷魔術師達と軍の兵士が書類の精査と聞き取りを始めていて騒がしい。

 そこで【真神霊治癒】!!

 …………ん、大丈夫そうだな。

 では冒険者ギルドに行こう。バハムート通りを目指し、通りを越えて路地に

 入ると見える。今日も止まるのか?息はしろ!

 正面玄関を開けて、中に入ると、



「「「「「「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」」」」」」


 あ、やっぱこうなるのか。息、しろ?


「おい、息はしろ。緊張し過ぎだ。ミレーヌ、レスティナは居るか?」


「あ?あ!はいっ!御案内致します!」

「うむ。元気が良いな?笑顔でハキハキして好感が持てる」

「え?あ、え?わ、、私!好感度高いのですか!?」

「え?ああ、そうだな。そう思うぞ……?」

「えへ。総領様に見初みそめて頂けるなんて!夢みたいです!あ、」


 コンコン


「所長、総領様が御見えです」

「ええ、お通しして頂戴」


 ミレーヌが開けて入り、それに続く。テキパキとお茶の準備をしているが

 見初めた訳では無い。好感が持てると言っただけだ。まあ、可愛い娘だが。



「いつも突然ですまんな。合間合間で動いてるからな」

「いいえ、お忙しいのですから。私は何時でもお待ちしております。

 …………昨日は、大騒ぎでしたわ。あちらさんは。収束されました?」


「ああ。詳細や余罪追及は今からだが、斬首は免れん。敵対行為だからな。

 俺よりも、本国関係の連中が黙ってない。舐め過ぎだと、憤慨してな。

 徹底して厳しく対処するようだ。関係者は連座で処罰されるだろう」


「あまり虐めないで欲しいのですが」


「いや、本国でも対処は変わらん。最初の俺の対応が甘過ぎたからな。

 俺も反省している。後から舐められて苦労するなら、最初から軒並み

 首を落とせば苦労は無くなるのだ。少し手加減し過ぎた」


「いいえ、総領様はお優しい御方ですから正解かと。自らされなくても」


「そうか?まあいい。例の祭りの件だが、2週後に2夜連続で舞踏会を行い

 翌日から、でどうだ?舞踏会は貴族が主だが限定では無い。顔役の1人として

 レスティナも参加したらどうだ?ドレスが映えそうだ」


「まぁ!嬉しいお言葉ですわ!新調しなくては!是非参加致します!

 お祭りの開始日は承りました。それで調整させますわ」


「頼む。何だか催促したようで悪いな……高級店街に”天の羽衣”と言う店が有る

 俺の名を出して新調しろ。金は心配するな」


「えっ!あそこは超有名店で高額です!駄目です!」


「いや、家の指名店だから大丈夫だ。いいな?俺が呼んだのだ、俺の為にしろ」


「……分かりました。有難う御座います」


「では、邪魔をしたな。また来る」

「あのっ!だ、抱き、締めて。いただけたらと」

「ふむ。こうか?」

「はい…………胸の高鳴りが、凄いです。嵌りそう、です」

「どうしたいのか、決めておけ」

「はぃ………」




 冒険者ギルドを出て、昨日の母娘の家に顔を出す。

 ノックをして、暫し待つ。と、ドアが開き


「あ、総領様!あの、どうぞ」


「邪魔するぞ?具合はどうだ?」

「はい。少し辛い程度です。援助して頂き感謝してます」

「何かの縁だ。どれ、胸に手を当てるぞ?【治癒】どうだ?楽になったか?」


「あっ!恥ずかしいです………はい、随分と楽に。」

「開拓民は少し待てよ?何か有れば言って来い。養生していろ。」


「あっ!あの………また、御会い出来ますでしょうか…………」

「うむ。また様子を見に来る。」

「お、お待ち致しております。有難う御座います。」




 その足でスラムに行き、ゴロツキの様子を見に来たのだ。

 さて、生きて人間を集めてるか?逃げだしたか?


「おい、真面目にやっているか?」



「…………何しに来やがった」

「偉く反抗的だな?早く纏めろよ?」



「人でなしの殺人領主が何言ってやがる!ざけんじゃねぇぞ!」

「ならば、お前が、お前達が今迄虐げて搾取した相手はどう思ってるかな?」

「~~やかましい!弱いヤツが悪いんだろが!」

「なら、お前より強い俺が正義だな。違うか?ま、屑と問答は無い。

 真面目にやるか、死ぬかだ。選択肢は無い。急げ、後6日だ。無理なら

 貴様等皆殺しだ。」



 こいつ等が役に立つか分らない。最悪は霊波で精神を操り、開拓民に仕立てる。

 下町やスラムの職を斡旋する仲介屋を各ギルドに受け持たせるか?

 それとも、一旦仕事を此方で各ギルドから集め、警備隊や軍の別動隊で処理

 させてみるか?奴等と話をした方がよいかもな。

 開拓団の件も正式に依頼しなければならんしな。そうするか。



 取り敢えずは雷帝宮に戻って、政務官の連中と相談した。

 祭りの件、舞踏会の件と併せての3箇所回る事。

 開拓団の件、スラム開発の件、盗賊ギルドの件、貴族問題の件。宿場町開発、

 職の仲介斡旋、創出。学校新設と治療制度と薬局の充実。等々を。

 他にも沢山有るのだが、直近の物としてだな。

 彼等にも随時、色んな案を出して貰って改革と創造を進める旨を伝え、

 取り敢えずのモノは動いて貰う事にした。1人だと切りが無いし無理だ。


 取り敢えずの案件と下準備は政務官と文官連中がやってくれる。

 実働も軍や各ギルドを使って回すから、問題は少ないな。

 他は~あ!新街道が途中だった!よし、飛ぼう!



 執務室の俺は文官の資料を読みながら昨日の事と

 これからの貴族の扱いを考えている。公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵……


 横に妻達のソファーセットはそのままなのだが、その向こうにパーテーションが

 立てられて、長机といすが並んでいる。

 ここで簡易的な商品実験を行う為らしい。まあ、お互いに見えるから安心だ。

 と、言う事らしい。可愛い妻達だな。俺も安心だが。

 ん?最近、ソニアの元気が無いんだよな。気のせいか?



 そんな事をつらつらと考えていたら、アウラが入って来た。


「旦那様、皆様、昼食の用意が整いましたわ」


「うむ、すまんな。行こうか。アーシャ達も」

「「「はい、旦那様」」」


 なので分裂してフローネを迎えに行き、移動椅子を押して食堂に行く。





 新街道の俺はミュルツ河から北向き。王都に向けて錬金整備していた。

 先ずは今迄とおりに25キロ作っては、宿場町用の防壁を作り、主だった

 建物の外壁を錬金で建てて行く。内外の木扉や木床、手摺、カウンターや

 厨房もだ。井戸も数か所掘り、汲み上げも作る。水路も作るかな?

 取り敢えず今日は軍の駐留街ゲッティまでだな。 



 少し嫌な感じがしたから合一せず、街中に飛ぶ。

 何だろうな?気のせいかも知れんが少し歩くか………スラム。奴等か?

 いや、スラムもだがあの長屋一帯もだ。人の動きが。争ってる?


 長屋の近くに飛んでみると、住人達を外に出し、ゴロツキ共が金を巻き上げている。

 老人が蹴られ、例の母娘も殴られている。他にも何人か暴行を受けている。



「おい」


「あ~~ん?」


 振りむき様に殴り飛ばし、他のゴロツキも纏めて蹴り飛ばす!

 分裂して警備隊を呼びに行き、俺は怪我をした住人達を纏めて【真神治癒】

 で治療して声を掛ける。


「む、大丈夫か?」


「あ………総領様……有難う御座います。」

「おじちゃん、ありがとう」

「「「「有難う御座います。総領様」」」」


「済まんな、遅くなった。後で完全に潰しておく。さあ、家に入って横に」


 分裂して其々を部屋に入れてやる。

 老人は治癒を掛けてもヨロヨロだ。むごい事を。



「横になれ。【治癒】どうだ?楽になったか?奴等も凝りんな。」

「はい。助かりました。もう、大丈夫です。娘も無事ですし。」

「横になっていろ。飯は用意してやる。何が有った?」

「分かりません。突然押し掛けて来て。見た事が有りません。」

「おじちゃん。お腹空いた。」

「ああ、何か作ってやろう。待ってろ。」

「うん」


 台所に行き、具沢山のスープと白パンを準備して親子に食べさせる。

 外に出て、俺と合一し、警備隊と話をする。


「こいつ等は何処のゴロツキ共かわかるか?」

「スラムの西側を根城にしてる連中です。ここは北側が仕切ってるのですが。」

「どうにしろ放置出来んな。隊長に伝えて人数揃えろ。今晩潰すぞ」

「え?わ、分りました!集合は何処に?」

「ここでいい。俺も彼等の様子を見ながらここで待つ。」

「了解です!」


 長屋に入り、母親と娘を見る。

 貧乏でも、真面目に一生懸命に生きている彼女達。それを………

 やはり許せんな。潰さねばならん。


「安心しろ。今晩スラムの無法者は潰す。女、名は?」

「有難う御座います。私はフェンディで娘はフェルーナです。あの、お礼が………」

「礼などいらん。お前達を助けるのは領主の仕事だ。」

「あ、あの、終わったら、会えますか?」

「おじちゃん来て~?」


「構わんが夜中だぞ?寝てろ」

「いえ、お待ちします。待ってますので。」

「……ふむ。良いが、無理はするな。ではな」



 表に出て、他の家からも俺が出て来るので合一する。



「総領様!警備隊だけでは手薄ですので、ストラディ将軍にも応援要請しました」

「そうか。これ以上弱き者を放置出来ん。歯向かう者に容赦するな

 だが、無抵抗、戦意無き者に手を上げるな?捕縛だけだ」

「了解です!」


「では、揃ったら出発しよう。」



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