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W・M・S (Warlock Magus System)  作者: 渡野さら
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第70話 ニルヴァーナ領での日々4

 


 執務室でお茶を飲む。

 勿論3人でだ。まだ、余韻が残ってるのか、瞳が潤んでいる。

 まあ、あれだ。どれだ?こんな事が起こるのも人生だ。



「君達は……いや、素晴らしかった。非常にな」


 もじもじしてるが無言て。俺、困るのだが。

 え?何も言わないの?仕方無い。


「コホン。仕事でもするかな…………」



 立ち上がろうとしたら、両側から腕を掴まれた。

 えっと、どうするんだ??


「分かった。今晩も、部屋に行く。どうだ?」


「「はい!お待ちしております!」」


 そう言う事か。乗り掛かった舟か。いや、俺が乗ったのか?

 釈然としないが、喜んでいるし大切な女性なのは間違い無い。覚悟しよう。



「では、もう一杯貰えるか?」


 もうね、お茶で誤魔化すしか無いのよ。

 あそう言えば


「サリー。舞踏会は各部署に通知を出したかい?マリアも前日は屋敷で舞踏会

 の予定だが、招待客やらアーシャ達と早く出してくれ」


「はい、城主様。最短で10日なので2週間後に決めた方が良いかと。

 領内貴族に一律のお知らせを出せば終わります。それ迄に揉め事が収まれば

 言う事は無いのですが」


「こちらも、懇意にされてる各家に送れば完了です。出欠の返送は有るでしょうが

 構わず開催で宜しいかと」


「まあ、そうだな。両方とも。雷帝宮は2夜だし参加も多いのだろう。滅入るな」


「御当主様。奥様達とお支えします。この身体もお好きにお使い下さませ」

「そうですわ。年増の身体で良ければ、何時でもお好きな様に」


「うん。まあ、頼むよ。身体は………考えておく」


「それから。場内の使用人リストですが数日内には提出致します」



 そのまま2人とは細々した話迄して、意見交換した。

 屋敷の方はまあ、問題無いが貴族間の付き合いや家との結び付き方。

 その中で役立ちそうな家の娘を側室に入れるとか、家臣に入れるとか。

 屋敷の改修は少しづつか、一気にか、何方が負担が無いとか。

 秘密の部屋が欲しいとか。もっと凄いのがいいとか。

 ん?それは個人的な願望?いいけどさ。


 ニルヴァーナ領も協力的な貴族や、逆に反抗的な家からも側室を入れるとか

 爵位を下げた後の餌だったり、立ち位置とか、メリットとか、領地没収した家を

 どうするか?法衣貴族も数と扱いをどうするか?等々。

 私も秘密の部屋が欲しいとか、もっと相手しろとか、好きに扱って欲しいとか。

 この人達は一体何を言っているのだ?


 そんな事より。そうなんだよな。貴族の付き合いや扱いか………面倒だが

 そろそろ避けては通れないよな。仕方ない、本国は多少頑張る程度でいいが。

 こっちだよな。一から始める訳だし、軋轢も有るだろう。皆が言う事を素直に

 聞く訳じゃ無いからな。領地持ちの子爵迄は一律に爵位を落とすかな?

 ここの公爵家を残す訳にも行かないからな。で、侯爵に落とすと、下を全部

 落とさないと収まりが着くまいな。国としては重複して準王家を認めんだろ。

 どちらにせよ宰相に相談だな。良い知恵有るのか?無いと思うがな。



 昼食なので、一旦切り上げて食堂へ2人と向かう。


 食堂に入ると妻達は全員着席していて俺待ちか。すいません………

 ここも丸テーブル式にした様だな。ただ、本当にバラバラだ。

 自分達の好きな様に座ったって感じで。それがいいと思うがね?

 俺の席は変更無し。正妻達とだな。


「皆、随分打ち解けたね?妻達の笑顔が見れて嬉しい」

「はい。旦那様のお心遣いのお陰ですわ」

「そうね、優しい旦那様ですから」

「私達も一安心です。皆さんもお優しい方達なので」

「そうだな。母さんに似て、柔らかい感じの女性を俺が好むのかな?」

「そうかも。知れませんわよ?うふふ。そんな旦那様も可愛いっ」

「旦那様は”にぶかわ”ですわね」

「鈍くて、可愛い。ですか?そうですわね。くすっ」

「酷いな。師匠に苦情を入れないとな?」


 うん。今日の昼食もメインは肉だが、魚介がふんだんに使われてていいな!

 塩味も効いて味も濃厚になるし、俺好みだよ。



 食後は俺の自室の居間でお茶してる。

 明日をどうするかキャッキャッと話し合ってる妻達。

 本日午後は引き続きで場内探索をするそうなので、明日の日中をどうするかと。

 城下に出ても良いのだが、どうするかな。

 バハムートに出張って貰って、何処どこか遠出するかな?霊波移動?

 場所も悩むな。どうするか………


「明日か。城下でもいいし、全く別の場所でもいいし。他国でも」

「え~~良いのですか?旦那様」

「構わないよ?皆で決めてね」

「「「「「「「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」」」」」」」


 あれこれと意見が飛び交っていたけど、俺は休憩したし分裂して執務室だな。




 執務室に入り、書類に目を通す。

 1日も早く領内をざっくりでも把握して再編して纏めて行かないとな。

 市場の子持ちの女性達が言う様に、不安や不満、心配や恐怖は有るのだから

 俺が少しづつ解消して、民の生活を安心で豊かに導いてあげないとな。

 まあ、その為にも貴族問題も重要なんだが。

 あ、宰相に相談しよう。


 スフィアを取り出し、宰相を呼び出す。



『おや、どうした領主殿?困った事案かね?』

「ああ、相談が有る。貴族の爵位や扱いが難しくてね」


『ふむ。例えば公爵家とか?法衣ほうえも含めての年金の扱いだな?』

「察しが良くて助かるよ。どうしたらいい?」


『難しい問題だが、やはり公爵家は二重には出来ぬな。本国公爵家と婚姻を結び

 取り込んでしまえば良いが、現状は………やはり一律爵位を落とすかね?

 年金額は据え置きにして。貴族の数は領地に対して普通だが、邪魔なら

 有官無爵か』


「やはりその辺りか」


『うむ。風土と言うモノも有るしな。好きにやってみろ!メルに任せる。

 そう悪い事にもならんだろう。そこは暫く自治区の意味合いが強いだろう。

 強権を発動でも、懐柔でも、武力でも、自由にやっていい。儂はお前を信じる』


「そりゃ責任重大だな。ま~何とかやってみますか」


『ああ、頼んだぞ』




 好きにやれってマジか。いや、何とかするけど………気が重いな。

 ふ~~溜め息が多いな。




「御当主様……お疲れでしょうか?御慰め致しますわ」


 いつの間にか横に居たマリアンヌが、膝の上に乗って首に腕を回し

 口付けをしてきた。


 何だか最近吹っ切れたのか、積極的なんだよな。

 だが、アーシャが黙認を合意してる時点で抵抗は無意味か。

 なら、癒してもらおう。




 書類に目を通しながらも悩む。

 全体の把握と貴族全般の傾向や統治上の問題等が出て来ないと何とも言えん。

 先ずは面談か?聞き取りと要望、此方こちらの基本方針、摺り合わせ。

 な感じが良いのかも知れんな。法衣と在地で方針を決めておくかな。

 それと、今から上がって来る数字だな。これを照らし合わせて。

 早く始めないとな。


 ああ、余談だがマリアンヌは寝室で寝かせている。



 向こうの俺は妻達と一緒に雷帝宮を回ってるな。

 彼女達には初めて見る光景ばかりで楽しいのだろうな。

 まだ、明日の予定は決まって無いが、大方は城下町を見に行く事になると思う

 だが、行くならルートと場所は絞っておかないと、警護に支障が出るな。

 分裂した俺が別動隊と共に動くかな?それが無難か。守備隊もだな。

 俺からも提案ルートを出した方が良いだろう。何処が良いかな?

 屋台市場は行くとして、宝石商もかな?喫茶街もだよね。ん~中々難しい。

 夜に決めて、朝一で騎士団に通達だな。



 夕食迄にマリアンヌを起こしておこう。

 執務室から寝室に飛んで、マリアンヌに優しく触れて治癒を掛けて起こす。


 ゆっくりと瞼が開き、両腕が伸びてきて俺を引き寄せ口付けをせがむ。



「こんな機会、またと有りません。爛れた時間を……お願い致します」


「………仕方無い娘だな。まあ、マリアンヌも大切だ」



 だが、ここは不味いので、空き部屋に飛び空間隔離する。

 俺は、もう1人分裂して執務室に戻る。




 そろそろ夕食に集まってるのかな?あ、マリアンヌに何か差し入れ必要だな。

 食堂にはもう1人の俺が居るから問題無いだろう。

 メイドを一人呼んで、軽食を適当に持って来るように頼んでおく。



 夕食後は執務室の俺とマリアンヌとの俺はそのままで

 妻達と自室の居間に戻り明日の予定をどうするのか聞いてみる。

 一番多い意見は城下を見て楽しむ。だったので採用したが内容で纏まらないから

 俺がルート提案し、その方向性で落ち着いた。なので執務室の俺が騎士団詰所に

 話を通して、明日の出掛ける前に手配完了出来る様に頼んでおく。



 後は普通に皆で風呂に入り、人数分に分裂して其々の寝室に向かった。

 俺はアーシャと自分の寝室のベッドで抱き合い話をしていた。



「旦那様?いつもご苦労様です。ここ迄城内や領地を掌握出来ているのが驚きです

 お疲れでしょう?私も暫くは此方に残ります。旦那様が心配です」


「有難うアーシャ。アウラと皆も助けてはくれてるけど、アーシャが居てくれる

 だけで落ち着くんだ。あ、アウラもアーシャに近い波動なんだよ。

 大好きだよアーシャ。離さないからな。心配するな、一緒だから」


「はい。アーシャは旦那様と、ずっと一緒です。ず~っと。今日も…………」






 いつもの時間に起きて霊波通信で補完して、皆の状況は体感した。

 ま、大した事は起きて無いが、おねだりされてるとか、お喋りの最中だとか

 ちょっと嫉妬混じりでスキンシップとか。

 マリアンヌはあの後も凄かったみたいで壊れそうだったとか……限度が有るだろ。

 そんなに求めてくれるのも良いが、何だか可哀相になってきた。大丈夫か?

 彼女は、ああいった事が好きなのか?性癖は………人それぞれか。

 ちょっと、彼女の事は考え直そう。解決してあげたいとは思う。

 アウラやリーリアとフローネは抱き締めた状態で起きると安心してくれるので、

 こちらも安心できる。妾組は控え目で助かるけど愛人組とジェシカ・カトリーヌ

 は結構自分からも求めて来るから大変だ。1人づつの部屋で助かった。



「…………旦那様?おはようございます。寝て無いのですか?」

「いや、眠ったよ。アーシャを見ながら考え事してた」

「まぁ!そういう時は私だけを見て下さいまし?ちゃんと妻の事だけを」

「そうだな、悪かった。今はアーシャだけだよ。ごめんな?も少し寝たら?」

「はい。ではずっと抱いてて下さい」





 6時半には起きて、風呂に入り身支度を整える。

 今日は早目に朝食を皆で済ませてから、女性陣は化粧室に籠った。

 俺は合一して執務室に行く。


 朝に届けられる書類から目を通して行く。

 主に俺の決裁印が必要な物からなのだが、ふと。やはり侯爵家からだな。

 3家しか無いが国土を考えれば普通か。

 内、1家は魔物に蹂躙された北部域の制圧に、領軍と共に壊滅。残っているのは

 領都の貴族街の屋敷と身内のみ。ここは話が早いだろう。

 1家は当主の首を俺が刎ねた。ここは揉めそうだな………

 もう1家は”あの”翌朝に当主は逃げ出したと報告が来ている。残りの家族が

 何人居て、どうしているかは直接問うしか無いだろう。

 年金は本国と同額保障して、侯爵に爵位を落とす。

 侯爵家も同じだな。伯爵までは。子爵からは、状態や状況を見てから判断だな。

 子爵からは爵位を落とす家の、年金以外の収入が有る無しや、土地・民への

 貢献度等の複合的な要素を調べて判断しよう。没収家もだな。


 今迄の体制から察するに、没収する家も確実に出るだろうが、どうするか?

 いや、淡々粛々と進めるだけだな。悪事を働いたのなら自業自得だ。

 で、直轄地になるが………代官も居ないし、現段階で無領の家に与えて良い材料が

 無いからどうにもな。家の家臣にするか。宰相に代官派遣を依頼しても良い。

 信頼の置ける者に託すのが一番だが、そうなると家臣になるな。

 まあ、こうやって悩みながら基本方針を決めておこう。



 そうやって悩んでいる横で、マリアンヌは笑顔で座って俺を見ている。



「マリアはここで良いのか?準備はどうした?」

「着替えるだけですし、又と無い機会ですから御当主様のお傍に。お嫌ですか?」

「いや、嫌では無い。その………女性に聞き難いのだが、マリアンヌは”ああいった”

 事が好みなのか?その、身体も負担が有るが」


「そ、そうでは、無い。のです。えと、”あれ位”求めていると言う現れと、

 言いますか、その”瞬間は私だけ”を求めて頂けると、錯覚出来ますので……」


「普通に求めてくれれば応えるのだが。君が心配になるのでな」

「…………宜しいの、ですか?私で」

「今更だろう。アーシャ達も黙認だし。秘密の部屋は作るから」

「有難う御座います。宜しくお願いします。今は、その、必要ですか?」

「いや、お茶にしよう。2人でな」

「はい!」



 その後は、俺の横で満面の笑みで飲むマリアと、密着したまま雑談して

 彼女も、着替えに衣装室へと向かった。

 俺も控室に入り新しいスーツに着替え、左右に帯剣して執務室を出る。


 騎士団が廊下で待っていたので、彼等と一緒に妻達の化粧室へと向かっていく。


 部屋の前で待つ事10分。サリーニャとマリアンヌが先頭で出て来る。

 今日は全員ドレスにしたようだが、余り派手な印象で無い纏め方にした様だ。



「「「お待たせ致しました、旦那様」」」


 アーシャ、エリダ、アウラがそう言ったので


「うむ。では行こうか」


 俺がベルナーラを抱き、左右後ろを3人が固め、他の妻達が後ろに続く。


 馬車止めで4台に分乗し、俺も分裂して其々に乗る。

 騎士団も馬車に張り付き護衛に着く。

 そうして雷帝宮を出発した。



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