第65話 其々の鍵
朝から変な展開で変な事、考えちゃったよ。
やはりアーシャを眺めてると癒されるな…………
「んん。あ、おはよう御座います、旦那様。朝から大好きですっ!」
「ん、おはよアーシャ。俺も大好きだよ?何時でもね」
「あぅ。不意打ちは、心の臓に………悪いです!もぅ。イケメンなんだからぁ」
「ん?悪いのはここかな?それともここかな?」
「あ、きゃう。んもぅ。もっと触って下さぃ………んもっとぉ…………ん。」
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「アーシャ、掛けるよ?【真神瑠璃】よし。後はどうなるか」
「…………ぁ………おなか、きもちぃ。れす。」
アーシャを抱き上げて、風呂に行き身体を流してあげる。隅々までね。
本人は恥ずかしながらも嬉しそうなんだよな。
ガウンのまま、サンドウィッチを作り朝食にする。具は鶏肉と野菜で。
ダイニングテーブルに向かい合って、夫婦2人っきり。ここの所無かったな。
定期的にこう言った時間は作るべきだな。勿論、其々の妻達ともね。
居間のソファーに座り、お茶を飲みながら、アーシャがもたれてくる。
「ね、メル……私の事。好き?」
「好きだよ?当たり前だ。どうした?」
「…………じゃぁ、離さないで。ね?何処にも行かないで………」
「離さないし、行かないよ。心配か?」
「うん。出会ってから今迄、毎日。怖いの。今日は居てくれた、明日は?って」
「………じゃ、毎日聞いてくれ。毎日答える」
「うん。メルは優しいから、そう言うわね。でも………いつか、その日は来るわ」
「そんな事、毎日考えてた?言わないと。夫婦になったのだから。
奥さんを不安にさせてたとは………アーシャの不安は母さんが創世神だから。だろ?」
「…………うん。まいにち。こわいよ」
「俺は。いや、俺も前は何時か。百年か千年か分らないが、何時かは。って
同じ事を思ってた。最近は違う。アーシャは俺の両親の事、どう捉えてる?」
「えっと、シリアお義母様は、創世神様だからこの世界をお創りになったお方。
お義父上様は…………お話が少なくて分りません。どうしたの?」
「俺も前はさ、時期は別にしても母さんが神なんだから、俺も似た様な事になる。
そう、思ってたさ。最近は違う。母さんは父さんの事を”この世界そのもの”って
良く言うんだ。バハムート曰く、父さんを”天照大御神”と呼んでいたんだよ。
そこで考えた。多分、父さんが”全知全能神”であり、この世界を作ったってね。
母さんはそれを表向き、任されてる。そう思う。
母さんに一度だけ、一緒に暮らせないか聞いた事が有る。
答えは”今は駄目、もう少し待ってて。親子3人必ず会える”だった。
今迄起きた事、聞いた事、ガイアの発言とバハムートの話、俺の進化と能力。
まだハッキリは分らないけど、多分。俺達家族は地上で再会すると思う。
だから、アーシャの漠然とした不安は外れると思うんだ。
それにさ、考えたら、俺達が離れるのに、良い世界って母さんが言うと思えない」
「…………そうね。メルと私を引き裂く訳ないものね?そうに決まってるわ」
「他の妻達ともね。そりゃ、何時かは寿命も来るだろうけど、それ以外は」
「それにね。この世界の一番の鍵は――――――――思う」
アーシャは10分程度、思案していたようだが、突如。最高の笑みで飛んで来た!
暫くはソファーでじゃれ合っていたんだが、段々と、お互いそんな空気になって
抱き上げてベッドに運び、終日爛れた時間を堪能した。
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一方で、旧ロマーノ地区ニルヴァーナ領
雷帝宮・総領主私室
寝室のベッドの上で霊波通信を行って補完した俺は
「”マガルリ”か、【聖域】ではないが、試してみるか」
俺の右腕を枕に眠っているアウラを見る。
幸せそうな寝顔だ。この妻の笑顔を守らなくてはな。
母さんが選んだし、例の”血”も有る。やはり”一番の鍵はアウラだな。”
「ん………ぅ……だんな、さま?」
「ああ、アウラ。悪いが許せ」
「ぇ?ん。ぁっ。あっ…………」
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「……ふぅ。では【真神瑠璃】よし。経過観察だな」
「んぅ。すごく、ぃぃ。です。お腹が、きもちいいです」
そんなアウラを暫く抱き締めて、私室に新設した風呂に彼女を抱いて行く。
シャワーで流して、薔薇の石鹸で綺麗に柔肌を洗ってあげる。
アウラは余韻も有ってか、とろんと、しているが嬉しそうだな。
支えて一緒に湯に浸かり、謝る。
「さっきは済まなかったな。お前の魅力もだが、試したい事も有ったのだ」
「いいえ………求めて頂けるのは、嬉しいです。何時でも、お待ちします。
お試しに?もっと、愛でて頂いても、大丈夫ですが………いえ、欲しいです」
「うむ。なるべく時間を見て求めよう。試したのは、孕み易くする魔法だ」
「っ!!私に授けて下さるのですか!夢のようです!では、もっと、ですわね」
「そうだな。お前の罪悪感も減るし、ベルナーラに弟妹が欲しいだろ?」
「………御見通しでしたか。やっぱり、気になって。もっと早く、御逢い出来れば」
「それは言っても仕方無いし、俺は気にならん。お前達は俺の妻と娘。いいな」
「はい…………でも、胸に痞えが。旦那様だけの女でいたかった思いが強くて……」
「なら、痞えが消える様になるべく抱く。お前が悪い訳では無いのだがな」
風呂から出て身支度を整えて、ベルナーラが来るのを待ちながらお茶を飲む。
すると隣室から侍女に移動椅子を押されてフローネも入ってきたので
優しく胸に手を当て、治癒を掛ける。
ベルナーラが”とうしゃま~”と言いながら突進して来たので受け止めた。
「では食事に行こう」
食後は執務室に集まる。
応接セットはそのままに、執務机の横に妻達用のソファーセットが置かれた。
ここでお茶を飲みながら、サリーニャも混ざって居住区の確認をしている様だ。
大体は決まったので、サリーニャがメイドと職人と共に部屋の作り替えだ。
それを、各部屋の持ち主が確認する。
アーシャ達の妻連合は俺に聞きながらアウラが確認している様だな。
今日は概ね、リーリアとフローネが居る。趣味の話をしている。
俺は”霊分”でもう1人分裂して、街道に行って貰う事にした。
あそこも、放置は出来ないしな。
先ずはボルドーのナッシュに飛び、作り掛けの街道と接続させる。
道幅20メートルで両側の防壁が2メートル。
1キロ毎に扉を付けて、人と馬が草原に出れる仕様。これをどんどん延ばす。
馬車駅は10キロ毎にした。ま、暫定的な処置だな。
25キロ毎の宿場町も道の両側に500メートル角の防壁を建てて
魔物の侵入を防ぎ、中の整備に着手させる。これも暫定対応になるが
馬車駅と主になる宿の幾つかの外壁だけを錬金で建造して行く。効率の為だ。
流石に、国境の防御壁より、手間と時間が掛かる。今日はミュルツ河迄かな?
ん?魔物の群れを感知!100は居るな?混合か。
此処から西に20キロ。ミュルツ河を挟んだ対岸の街道沿いか。我が領だな!
瞬時に霊波移動で飛んで群れに飛び込み、久々にソウルイーターを振り回す!
ゴブリンが砕け散り!オークが真っ二つに裂かれ臓物がはじけ飛び
コボルトを粉砕する!トロールを縦てに切り裂きゴブリンが群がる旅人を庇う
そのままゴブリンは横に一閃で微塵に散り、残党を駆逐した。
被害に遭った旅人に近づく。中年夫婦と10代の娘2人、兄の5人家族と
若い夫婦と幼い娘が2人だった。幸い被害は殆ど無いようだな。良かった。
「お前達、怪我や故障は無いか?」
「はい。お陰様で助かりました!貴族様は……そ、その、家紋!英雄様!!ひ」
「有難う御座います。有難う御座います。有難う御座います。何とお礼を……」
「「す、凄い!本物の英雄様よ!!かっこいい~」」
「うむ。良く調べろ。何か有っては事だ。行き先は?」
「はい、2家族でコルトラスからアルテンメルンへ移住希望でして」
「ならば近いな俺も行こう。我が領にようこそだな」
親父が御者をやり、俺は横に乗る。道中は仕事の事などを聞いていた。
鍛冶屋で、親父が大将で若い旦那が弟子。領軍や街の整備で俺の領なら
安定すると見込んでやって来たらしい。
アルテンメルンに着くと、警備隊の門番が、俺を見て
「御領主様!!屋敷へ行かれますか?お供致します!おい、先導しろ!」
そのまま隊員がぞろぞろで、家族巻き込んで領主館へ行く事に。
まあ、ジェームズとも会えるしいいか、とか思ったりな。
子供達は騒いでいるが大人は縮こまっている。気の毒だな。
「御当主様、お帰りなさいませ。急遽で驚きました」
「ああ、済まない。ミュルツ河の向こうで街道を延ばしていて、群れを感知して
放置出来んから飛んで来てな、殲滅したは良いがこの家族が襲われていた。
ウチの領に移住希望だ」
「そうでしたか!ご苦労様です。鍛冶屋ですな、助かります。不足でして」
「ふむ。ならば工房でも斡旋してやるか?何かの縁だ」
「希望が無ければ領軍お抱えにと」
「大将、どうだ?」
「へい、願ってもない厚遇です!お願い致します!」
「では、誰か世話を付けてやれ、ジェームズとは話が聞きたい」
「はい。では、君。彼等を客棟に。庶務に行って公房の手続きを」
「了解しました代官様!」
「板に付いて来たな」
「御当主様のお陰で御座います。此方です」
代官執務室に行き、パスカルと奥方、ジェシカの父の5人で茶を飲みながら
報告を聞いた。領内の数字と税に関してジェシカ父、纏めに関してジェームズ
に聞きながら、先ず先ずの掌握段階だと確認。
治安や守備隊も、スラムの中迄手が入り始めてる。領軍も常時募集で日毎増える
ので、何とか形には持って行ける見込みらしい。
いざとなれば、ニルヴァーナ領の領軍を寄越すと伝えた。
「しかし御当主様、まさか御一人で国を落とされるとは、驚ききました!」
「本当です!相変わらずの規模の大きさに呆れました!」
「ジェシカの事も、有難う御座います」
「夫と息子、家臣の皆さんで盛り立ててみせますわ」
「奥方にも苦労掛けるが頼む。俺も急遽、国一つ分見なければならなくなった
から、もう少し苦労する。だが、大事な拠点だ。伸びてしまったが、再来週?
辺りに皆で集まりたいのだ。王都と、此処と、雷帝宮でな。侯爵家だし
祝いも届くし、舞踏会も開いて参加して欲しいし。移動は短時間の宛てが有る」
その後も其々の家の近況報告をして、俺は雷帝宮の自分と”合一”した。
本日、俺のベッドにはラティーナが一緒に寝ている。
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翌日、王都の屋敷では。
司令塔の俺が屋敷に残って、妻達の化粧品研究を眺めながら、考え事をしていた。
商会は何とかなるし、なってるんだよな。昨日から俺が街道整備も始めてるし。
輸送部隊はオリバーが上手く軌道に乗せるから、時間の問題。
女性のお店はアーシャ達が商品開発進めてるから、ある程度揃ってからだ。
倉庫兼事務所の拡張工事も始まってるから順調。
となると…………学校だ。特に実地研修!これ何とかしないと進まない。
やはり、一番の鍵は騎士団になるかな?
想い立った訳で、打診したのだが………
「有難う御座います、御当主様。必ずや!魔人戦姫カトリーヌ様のお役に!」
「いや、クワトロ……お前は隊長だからさ、ちょっと不味いんだよ」
「うおおおおお燃えて来たっ!来たっ!我が姫のお役にぃぃひ!!今!」
何かもうな、この連中のノリが最近可笑しいんだよ。
家の騎士団なの。国内最強なの=大陸最強騎士団なの。分かる?
こいつ等、既にアイドル親衛隊みたいな感じなんだよね。違うんだよ~
どうや、あ!俺が扱きで叩き直せばいいのか!簡単じゃん!
いや、間に合わんし、やっぱ駄目だ。俺が行こう。
実地研修の時だけ分裂してもいいし………鍵は俺か………
翌朝は7時前にジェシカ、カトリーヌと学校に到着。
直ぐにクリスティも合流して、女同士で雑談している。
数分でグレゴリーと”草原の風”も。生徒達もチラホラ集まって来た。
「「「先生おはよう御座います、カトリーヌちゃんも」」」
「おはよう御座います、先生方。4人は今日も可愛いですね」
「んまっ!う、嬉しいんですけど、恥ずかしいです」
「うんうん!アーノルド君も分かってるね?」たゆん
「有難う御座います。お世辞でも嬉しいですわ」
「あ、おはよう御座います、アーノルド君」
「おはようアーノルド、鍛錬がんばってるな」
と、皆で挨拶を交わしながら、馬車に集い乗り込んで行く。
「よし!全員確認した。出発しよう」
今回は馬車4台で2クラス52人だが、1台にテントを出して女子は中に。
目的地はパルハム平原に真っすぐ東、バルガー湖寄りのハーブヒル。
なだらかな丘陵地帯で、色取り取りのハーブが地を染めた、大自然の絨毯だ。
「「御当主様、素晴らしい景色です」」
「メル様、ここは何時も美しいですわね」
「「「「「「「「「「うわぁ~~綺麗な丘!!」」」」」」」」」」
「凄いな!2人とデートでもいいな!」
「コホン。ち、ちゃんと誘って下さいな」
「そ、そうだよ?お弁当、作るから」たゆん
「今日の採取を説明するぞ!班で固まれ~
先ずはベンダリウム、根から採取で班80株な!次はガルバンス、
これも根から80。最後はダリファ、花果を50だ!採取中の警戒も忘れるな!」
「「「「「「「「「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」」」」」」」
「御当主様、素敵な場所ですわ」
「ああ、ハーブだから香りも良いしな。家もハーブ園頼むかな?」
「はい!素敵です!」
「メル様?別宅も来て下さい。寂しいです」
「済まん。そうだな、今日は泊まろう」
「わっ!嬉しいですわ!」
「さ、少し見て回ろう」
まあ、植物採集は問題が少ないから助かるな。匂いも手伝って魔物も来ないし。
だが、周囲には出るから用心させないとな。北側にゴブリンが数匹を感知。
だが、此処迄は来ない。少し様子を見よう。
昼は其々の班で集まって、お弁当を広げてる。協調性も出てるし、
時間差で警戒班とに分かれて、自主的に出来ている。加点だな。
俺達、教員と”草原の風”、カトリーヌの班はジェシカとクリスティが
テントの厨房で昼を作ってくれた物が出る。んまいな
「御当主様、早く終わりそうですね」
「ああ、問題も無いし楽な内容だしな」
「先生は1人で1国取るとか凄過ぎですよ!」
「「うんうん」」
「流石は先生ですわ」
「「使用人の皆も誇らし気です」」
「お前さん、本当に英雄じゃの~」
「大袈裟は困るんだよな」
「「「「「「「「なりますよ!」」」」」」」」
採集は何事も無く、無事に終了して馬車に乗り込む。
の~んびりと街道を進み…………空間の歪みを感知!”渦”か?王都に近い!
魔物が出て来たが数が多いな。ゴブリンとコボルトが殆どだが2,000匹近いな。
統率は、、サイクロプスか。300体はいそうだが、やはり出て来たか
”混沌の者”…………100か。何とかなるが、大規模魔法は打てんな。
な!ワイバーンが!10、40、100、200、おい!多いぞ!俺に通信だ
「御当主様!凄いの感知しました!」
カトリーヌも焦って出て来た!
{分かった。バハムートと行く}
{分かった。ガイアに王都上に障壁を張らせて俺も行く}
「止めてくれ」
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「皆、良く聞け。王都の北大正門から10キロに突如魔物が出た。
数は3,000も居ないがサイクロプスと”異形”が混ざってるしワイバーンが
200以上だ。俺とカトリーヌは行くから王都に急いで戻れ。警備隊に伝えて
警報を出させろ。クリスティ、ジェシカ、”草原の風”で頼む。
問答している時間が無い!早くいけ!」
「カトリーヌ。行くぞ?抱き着け」
「はい。旦那様」
「私達も急ぎましょう!さあ!メル様。お気を付けて」
「学校でお待ち致します、旦那様」
「飛ぶぞ?カトリーヌ」
「はい」
ブクマ登録、有難う御座います。
いかがでしたか?
なるべく火・木・金・日で投稿出来ればと思ってます。
本来理想は週に2回かな~?どうでしょね。
熱い日々になりましたから水分はこまめに補給して下さいね?
さら




