第64話 無限ループ展開
フローネの心配を解消した翌朝。
彼女の表情は、すっきりとした顔だった。
侍女が入って来る迄は、治癒を掛けてベッドから出ずに2人で話していた。
身嗜みを整えて、アウラとベルナーラの合流を待って、食堂に向かう。
食後、自室に居間に集まってお茶を飲みながら話始めた。
「フローネとも、無事に終わったから全員だな。そんな訳でラティーナ
左手出して、はい。さ、リーリアも。はい。アウラ、はい。フローネ、よし。
クラウディアは右手、はい。ベルナーラ、おいで。はい、父様からだよ。
4人には結婚指輪だ。クラウディアとベルナーラは家族指輪だな。
記念の意味も有るが、これは皆を守護するから外さないでくれ。いいかい?」
「「「「「はい」」」」」「あい、とうしゃま」
「少し、大事な話が有る」
「大切な、お話。ですか?」
「そうだ。ん~どう、言えば良いのか。
俺は人間では無い。魔人と言う種族だ。産みの母親は創世神だ」
「「「「「え?」」」」」
「…………だ、だんな様は、人間。じゃ無い?お母様が、神さま??」
「そうだ。混乱しているな。落ち着け。【治癒】どうだ?」
「「「「「はい。なんとか」」」」」
「うむ。えっと、そう言う訳で純粋な人間とは違う。まあ、基本は一緒だ。
子供の頃は身体が大きく頑丈なだけで、普通に人間と変わらなかったぞ。
成長するにつれ、戦い、強くなるにつれ、どんどん突出する様になったのだ。
今も外見は変わらないだろ?肉体の構造も同じだ。子も普通に作れる。違いは
能力に有る。強さに比例して、食欲耐性・睡眠耐性・精神耐性・状態異常耐性
魔法耐性・斬撃、衝撃耐性・痛覚耐性、まあ、切りが無いが様々な耐性が付いて
魔力、精神力、体力、筋力、霊力等が人間の数万倍は有る。
因みに、今の種族は進化が進んで、神人/真神になっている」
「「「「「…………」」」」」「とうしゃま~どちたの~?」
「ああ、またか【治癒】どうだ?ん?」
「「「「「はい。なんとか」」」」旦那様?分りましたけれど、分りませんわ」
「ふむ、ならば。母さん!新しい嫁と娘だ!」
「はいはいメルち~ゃん!大好きよぉ~?まぁまぁ!可愛いじゃない!
お祖母ちゃんよ?お名前言えるかしらぁ?こっちいらっしゃい?」
「あい!べるにゃ~ら、しゃんしゃいれす。おばあちゃま!」
「うわっ!かっわい~!さ、抱っこよぉベルナーラ。よいしょ!いい子ね~」
「そうだろ。いや、嫁達が固まってんだが?」
「も~!仕方無いわねぇ。そ~れ!っと。これで問題無しっ!それより孫よ孫!
事情説明も詰め込んでおいたからいいでしょぉ?ね?ベルナーラ!かっわい~
あ、この子、悪しき因果を纏ってるわ!消しちゃえ!これで安心!うっふふ~」
「………ならいいけどさ。可愛いだろ?可愛がってくれよ?」
「当ったり前じゃな~い!孫なんだからぁ」
「お、シリアお義母様、この子の母で旦那様の嫁のアウラと申します。
不束者ですが、どうぞ宜しくお願い致します。旦那様の御子を沢山産みます」
「「「「お義母様、宜しくお願い致します」」」」
「おばあちゃま!しゅき~」
「んまぁ~!可愛いったら無いわねぇ!よしよし。あ、メルちゃん?
一気に進化が始まったわね?でも、まだまだよ。数年掛かるかしら?
私の予想よりは随分早いけどねぇ。頑張りなさぁい?
お嫁さん達も、メルを頼むわね?大変だとは思うけどぉ!ま、夫婦で乗り越えて。
アーシャちゃんとカトリーヌちゃん、ガイアとは早目に会って、
今後も協力し合ってねぇ?世界の今後に係わるから。お願いね?
ああ、私が創世神と言うのはぁ、なるべくナイショ!面倒でしょ?
それから。アウラとラティーナ、クラウディアとベルナーラだけど…………
何か感じない?」
「ん?妖精みたいに不思議な…………エルフか?」
「そ、古代エルフのぉ、更に元になった血よぉ?もう、地上この4人だけ。
だからなるべく早めに作ってぇ、増やしなさぁい?絶えるから。ね?
後はこの雷帝宮に併設の創神教の神殿が有るわね?あそこなら自由だから。
いいわねぇ?義娘達?も一つ、アウラ?貴女がこっちの嫁代表で。いいわね?
すこ~しぃ、手助けっと!(ピカッ)何とかなるでしょ。上手く遣りなさぁい?
ベルナーラ?次はお祖母ちゃんと、い~っぱい遊ぼうね?じゃっはば~い!!」
「ほんと自由だよな。俺とは?母さん」
「「「「「圧倒されっぱなしでしたわ!」」」」」
「でも、私なんかが此方の代表って。勤まるのかしら…………」
「いや、母さんが選んだから間違い無い。理由も有る筈だ。それに何か貰ったろ」
「………そうです。けど」
「アウラさん?お義母様が仰ったのですわよ?絶対ですわ」
「そうですわね。私達もサポート致しますわ」
「ダメ、お義母様のお言い付け。皆で守るの」
「そうね。王都の正妻組の方達と、早く合って協力しなさいって。
世界に係わるって仰ったでしょう?皆で頑張りましょうね」
「はい。宜しくお願いします、皆さん。旦那様を盛り立てて行きましょう」
------------------------------同時刻
ストラスバルト王国・王都ストラスブルク
ニルヴァーナ侯爵邸
っ!霊波通信で補完したが、母さんの発言と口振りからだが、後数年と有ったが
恐らくは4~5年は”先”だろう。”今”だと、俺も困るがな。
それに”古代エルフの元の血”だと!?だから敢えてアウラを妻連合の代表に?
何か力も与えていた。”上手く遣りなさい”と、言ったしな。
それは置いても時間が有る訳だな。仕事も勿論忙しい。だが、早くしないと
時間が迫ってくる。先ずはアーシャからだな。ではもう1人分裂して30分での
霊波通信を行う事を皆と通信だな。よし。
「「ではもう1人の俺」」うむ、そうしよう。アーシャ!」
「はい、旦那様?え?また御一人増えたのですかっ!!」
「落ち着けアーシャ。今から3日程独り占める。いいな?」
「………はいっ!ずぅっと、独り占めして下さいまし!」
「そうしたいがな、では俺、行ってくる」
霊波移動で飛んだ先は、設備の整ったログハウスの中。
「あれ?旦那様?ここは何処ですか?私達、2人きりなのでしょうか?」
「カーテンを開けて、窓から外を見てごらん?」
「ぅわあぁ!!凄い!見渡す限り銀世界です!あっ、遠い下界に街が見えます。
も~っと向こうは。海、海でしょうか!?水平線が………弧を描いてます………」
「ここは、ストラスバルト王国の北に掛かるアルマンド山脈の東に六千キロ
チベルーニャ山脈。その最奥の聖地”GANDHARA”標高は一万メートル超え。
俺の隠れ家だよ。ここで3~4日2人きり。アーシャを独り占めだな」
「だんなさま…………嬉しゅう御座います………しあわせ。好きになさって下さいまし」
「ああ、そのつもりだよ?」
「…………」
「んん………旦那様。嬉しいのです。幸せです。でも、突然どうなされたのですか?」
「もっと寄せるよ?しょっと。ああ、実は向こうの俺が新しい奥さん達と一通り
全員と終わったから、指輪と共に事情説明をしたんだけど、まあ。分るよね?
それで母さんを呼んだのだけど、その話の中で、猶予が数年。
って解釈できる事を言ったんだよ。口振りでは4~5年だと思う。俺も忙しいし
それ位無いと進化が無理だ。それで、”霊分”も可能になったから、
この隙間に子供を作りたいなって。でないと不味いでしょ?”決戦”の時に
お腹が大きいと困るし、その後だと先になるし状況も分らないだろ?だから。
皆の授かりそうな日に”此処”で交代でね。先ずはアーシャ、ターニャ、ソニア
カトリーヌとクリスティだね。エリダは年内は無理だろ?後は向こうなんだけど、
古代エルフの元になった血を継いでる家系?が居て。オストラバ王家かな?
それで彼女達と娘の4人しか、生き残りが居ないから、途絶えちゃうでしょ?
だから、なるべく早めに授けて増やせってさ。その中の娘の母のアウラを
母さんが指名で代表にしたから。何か力も授けたみたい。アーシャ、カトリーヌ、
ガイアは特にだけど、こっちの妻連合と会って、協力体制を作れって言ってた」
「授けて。頂けるのですね………何時なのかと。泣いた日も、ぐす。有りました。
頑張りますから、確りとお願い致しますわ。向こうの連合さんも了解です。
皆で一致団結して、旦那様をお支えいたしますわ。ですが、”古代エルフの元”の血
と言うのも凄いお話ですわ。遥か御伽噺の古代時かと。それは貴重ですね?」
「ごめんなアーシャ。君が早く欲しいのは感じてたけど、俺達が確立出来て
無かったし、何かとバタバタしてたからね?許して下さい。
彼女達はね、確かに印象として妖精みたいなんだ。多分、一番濃ゆく継いだのが
アウラだと思うよ。人間だけどエルフ?妖精?に近いな。まあ、そんな事」
「そうです!もっと愛でて下さらないからですわ!ぷんぷん!
ですから………アーシャを好きに扱って下さい。乱暴でも良いですから愛でて。
たくさ………旦那様?何故ここなのです?景色も雰囲気も最高ですが………」
「うん。実は、少し前から俺の側の”不精”はしてないんだ。でも、
誰も兆候が無いから、アーシャのお腹を診たんだ。そしたら駄目だった。
俺が【魔人】の内なら良かったんだが【神人/真神】だから、普通では無理だ。
俺の遺伝子のせいだけど、アーシャの卵子と受精した直後の細胞分裂時に
俺の強力な”無限ループ展開”を始める染色体と細胞に卵子が耐えられないんだ。
それで”此処”。此の地は【聖域】なんだ。それで命が始まった細胞を聖域の力で
抑え込めたらうまく妊娠する筈って思ってね」
「そんな事に………やはり頑張るしか無いのです!(いでんし?らんし?じゅせい?
さいぼうぶんれつ?むげんるーぷてんかい?せんしょくたい?さいぼう?)」
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「まだ、1日が終わったばかり!い~っぱい!独り占めして下さいまし!
あ、私がお食事作りますね旦那様。後ろ姿を見てて下さいましね」
アーシャがすっごく上機嫌だ。連れて来て正解だったな。
俺の作戦が上手く行けば良いけどな。まあ、何回か挑戦しなきゃ駄目だろうけど。
と、言うかアーシャさん…………エプロンしてるけど、裸っすよ。危なくないですか?
だから後ろ姿を見ろと。いや、嬉しいのだけれどね?チラチラ後ろ確認してる。
俺が視てるかチェックしてんの?きゃわいい。けど仕方無い。
アーシャの後ろから密着して”魅力的だが危ないよ?”と、お腹とお尻に手をまわす。
「ぁっ……嬉しいです。ねぇ、だんなさま………」
いや、コレ駄目なパターンじゃ無いか?どうする?回避出来る?いや、いいか。
もう、エプロンとっちゃえ。抱っこしちゃえ。
「あ。だんなさま。素敵です………アーシャはもぅ………」
「いや、寝てて。食事の用意するから」
「ぁ、いや。まって」
厨房に長パンツだけ履いて立つ。軽い?あ、肉だっけ?肉料理か。ステーキか?
悩んでいると、裸のアーシャが後ろから抱き着いて来て、
何だか感触が淫靡なんですけど?
アーシャ…………
「いや、これは無限ループ展開だ」
「だんなさま………しゅてき。すー。すー。」
「おやすみ、アーシャ」
朝の定時で霊波通信の時間です。よし、補完完了。
まあ、あれだ。こう言う時が有ってもいいか。アーシャだって19歳。
気持ちや感情の高ぶりも有る。性欲だってそうだ。重圧もそれなりに有る。
2人っきりで開放感に浸るのも当然だな。夫婦なのだし。
アーシャの寝顔が、まった可愛いんだよな!まじで天使だよね!神の造形!
あ、神はウチの親だったわ。
この見事な迄の美しく長い金髪に眉上のぱっつん!大きな瞳は垂れ目で
澄んだ泉の碧眼!桜の花びらの様な、小さくピンクの唇!折れそうに細い首!
ちっちゃい肩におっきな胸!!凄いよ!俺の奥さんで良かった~
見てるだけで琥珀の溜め息が出そうだよ。
いやいや、ウチの奥さん達は皆、可愛いです!自慢したくなるんだよね~
朝食はアーシャが起きて作るし風呂も一緒だよな。じゃ、寝顔見るか悪戯か。
頭を撫でてみる。うん、ツルツルだ。頬っぺたつん!首から鎖骨をなぞって
胸をつんつん!そのまま下がってお腹で治癒。ん?治癒?
待てよ?これは………そうだ!【真神瑠璃】!出来た!これが通じるか
実践で試せばいいな?上手く行けばアーシャが喜ぶぞぉ!
何だか、俺ってアーシャにメロメロだな。皆、可愛くて、好きだし、大切だ
でも、やっぱりアーシャは更に特別なんだよな。
大体、こんなに可愛くて綺麗で美形で、スタイル良くて中身も聖女で確り者で
って、作ったって無理じゃ無いか?………作った?作る。作る?まさかアーシャは!
いや、いやいや。考え過ぎ。そんなの無理。あ~ビックリした。




