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W・M・S (Warlock Magus System)  作者: 渡野さら
43/117

第43話 ボルドー4



お読み頂ける方がいらっしゃるって、嬉しいですね。

ブクマ有難う御座います!

本日連投予定です。

 

 城に帰ると、皆が出迎えてくれて騒ぎになった。

 其処そこ迄大騒ぎをする程では無いのだがな……


「いえ、メルが居なければボルドーは壊滅でした!」


 まあ、そう言えなくも無いが。

 腕の中で眠るカトリーヌの頬をバハムートが舐めている。微笑ましいな。

 カトリーヌを抱いたまま、アーシャと風呂に入る。俺が支えてアーシャが洗っている。


「このカトリーヌも怪我が無くて良かったですわ………心配で」

「魔人の能力が急激に強化されているからな。アーシャだって、邪竜の時は凄かったぞ?」

「旦那様に褒めて頂けるのが、一番嬉しいです。温まって、カトリーヌを寝かせてあげましょう」



 義父上やペリゴール達とも相談して、明日も此処ここで森林探索や被害の確認などの手伝いをする事になった。


 今日は俺のベッドに妻達が全員集合で抱き着いている。

 当然、普通にそんな大きな寝具は存在しないので、部屋にテントを出して、中の俺の部屋のベッドだ。


「旦那様。これから、どの様な事が起こるのでしょうか………不安です」


「ああ、だが”アレ”は早々出て来ない。バハムートによると、遥か太古に師匠とバハムートが母さんの助けを借りて封印したらしい。まだ、封印も解けてはいない様だ。だが、魔物や”混沌の者”の出現は増える可能性が高い。朝一番で宰相にも報告は必要だな。ガイア、お前からは何か無いか?」


「私はあなたの嫁、只の女です。特に無いわ…………それに、既に制限が掛けられているの。勿論、出来る事はするわ。問題無い事なら話せます」


「例えばどんな?話も聞きたい」


「能力的に【大地母神だいちぼしん】としては大丈夫だけど、神の全能は無いわ。アーシャちゃんよりは大きいって感じかしら。もう他の世界や先の時間は見えないし世界を改変させるのも無理。

 あの”邪神”はかつてこの世界に”混沌の者”の大軍勢を率いて現れた破滅者。話に聞いていたけれど、あれ程邪悪で強大な存在だと思わなかったわ。私が神のままでも”アレ”は倒せない。ラーンは異常おかしい。バハムートと死にそうになりながら、シリア様の”力”をお借りして何とか倒したって。ラーンが時空の彼方に封印したって聞いていたの………地上はほとんど壊滅したらしいわ」


「アレや魔人、神とは、この世界とは何だ?」


「知識や記憶は残ってます。でも、の。”制約”が掛かってます。ごめんなさい…………」


「いや、仕方ない。妻の一人だ、大切にするから心配するな」

「はぃ。ありがとう、あなた」

「だが、封印は良いにしても動きが活発化してきたと言う事は魔物や異形の出現と被害が増える事になるから人々の混乱や治世、他国との摩擦も増える。ロマーノ側も気になる」

「この世界を、私達家族をお守り下さい旦那様………」

「守ってね、あなた」

「ああ。何とかするさ。もう寝なさい」





 左にアーシャ、右にガイア、体の彼方此方あちらこちらに皆がしがみついて寝ている。

 例によって、顔が布団から出るタイプだ。発想が奇抜すぎる。

 そんな彼女達の寝顔を見ながら、考えていた。


 今回、助言で助かった。

 戻っていれば、ボルドーと隣のタルベ、ピレネー山地を挟んだ隣国のロマーノ北部と国境の難民。

 間違いなく壊滅しただろうな。

 ロマーノは喚くだろう。多国間は王宮の連中に任せよう。

 ”混沌の者”は出現しても数は少なく、頻度も多少増える程度だろう。

 厄介なのは魔物だ。どれ位増えるのかも不明だし、大陸の至る所でなんて事になれば………

 まあ、他国は他国で頑張って貰うしか無いか。大規模侵攻の時だけ駆けつける。程度だな。

 優先は国内、領内、王都、家族だ。

 バハムートにも積極的に話を聞いて、魔人の能力を進化させなければな。




 そのまま考え事をしていたら朝になった。

 5時を過ぎていたので起きようか迷ったが、不安気な妻達の顔を思い出し辞めた。

 普通に考えれば、空にあんな巨大な”モノ”が現れて、あんな事が起これば怖いだろう。

 ガイアでさえ、怯える程だ。

 起きた妻達を抱きしめて安心させよう。それが正解の筈だ。

 と、思ったら、左足に抱き着いているカトリーヌがゴソゴソしている。

 ん?それは不味くないかなカトリーヌさん……君は何をしているんだい?表禁ひょうげんきんしだよ?

 いや、それ以上は不味いって!状況を考えなさい!こら!―――――――



「御当主様ぁ。ご褒美沢山頂いちゃいました。有難うございましゅ」

「…………おはよ、カトリーヌ。昨日の疲れはないか?」

「ふぁい。ちゅ。元気です。まだ欲しいです。ご褒美」

「カトリーヌちゃん?ご褒美は良いけど、私も欲しいの。あなた?」

「おはよガイア。その、するの?」

「うん………だめ?」



 2時間以上経過した今、ソファーでお茶を飲んでいる。カトリーヌが淹れたのだ。

 カトリーヌは隣に座って笑顔でお茶を飲んでいる。

 残りの妻達は、全員ベッドで荒い息でダウンしている。何が起きたかは察しろ。


「皆と愛情確認出来たし、カトリーヌにもご褒美出来たし。お茶も旨い」

「わたしも幸でしゅ、です。鍛錬どうされますかぁ?」

「今日は辞めておこう。今は皆と居たいからな。それ!【治癒】」

「あ、じゃあ皆さんのお茶淹れますね~」


「ふぅ。凄い目に遭ったわ…………」

「うふ、旦那様。気持ち良くて幸せです」

「意識が飛んでました………」


「旦那様、今日はお兄様やお父様が被害確認とおしゃってましたが…………」

「ああ、徹夜で情報収集しているだろう。治癒を掛けて、感知反応が有れば森に探索と討伐だな。アーシャとガイア、カトリーヌ、ソニアは治癒が必要な場所に行ってくれ」

「いえ、旦那様にご一緒します。広範囲治癒で瞬時に終わらせます」




 朝食時にペリゴールや義父上と話した結果、朝迄の報告で9割把握出来ているらしい。

 アーシャの障壁で物的被害は無し。

 領軍の死者が36名、重傷が166名、軽傷が328名

 領民の死者は0、軽傷が41名、これは混乱に依るモノ。以上らしい。

 既に、軍と創神教で治療は終わり、ピレネー森林に探索隊が朝から出るらしい。


 なので、食後のお茶を飲みながら、神聖感知を上げて行く。

 10、20キロ、魔物はちらほら居る程度か。30、40、50、60、70キロ、居た。”混沌の者”!どうするか。いや、他国だ。勝手は不味い、宰相に報告だな。


「国内側は魔物が多少居るだけだ。”混沌の者”は居ない。どうする?魔物の討伐に出ても良いが、数も少ないし領軍の面子も有るからな」


 そうですね、とペリゴールも頷き、宰相に相談した後は通常に戻る事になった。

 なので言珠スフィアを取り出し宰相に繋ぐ。


「どうしたねメル、朝からとは珍しいが――――」


「実は昨晩、ボルドーで――――――――と、言う事が起こったんだが………ロマーノ国内で”混沌の者”を感知した。魔物もなだれ込んでる。どうする?」


「なんと!!そんな事が起きたとは!一先ず、ボルドーと国内は大丈夫なのだな?」


「ああ、それは間違い無い」


「………悩ましいが、他国だ。見捨てるしかない。旧オストラバの件でも揉めているから、積極介入は無理だ。残念だがな。周辺国には密偵を出してある。報告が入るだろうから様子見だな」


「分かった。暫くは様子見だな。国内の今後だが、いや、今日新設する街道予定地を下見しながら戻る予定なんだが、夕方は時間有るかい?俺が城に行くから会って話したいが」


「うむ、ではそうしよう。ではな」



「と、言う事になったから戻ったら王宮に行く。義父上達はどうします?」

「ああ、心配だからな。3日程様子を見てから戻る」

「「「では、私達も」」」

「なら、3日後にバハムートに頼みましょうか?アーシャ?」

「良いのでしたら………雷帝竜様に申し訳無いのですが」

「構わない。時間も節約出来るし、異変が有った場合に早く知りたい」

「では甘えます。お父様、私が雷帝竜様とお迎えに」

「うん、済まないね」

「じゃあ、俺達は支度をして出発しよう」

「「「「「「「「はい」」」」」」」」




 10時には、全員を乗せボルドーの地を飛び立った。

 俺だけは背に乗っている。街道予定地を見ながらでないと、意味が無いからだ。

 俺のテントなのだが四角の箱状に作り変えてみた。だが、やはり窓は無い。

 なので外が見えないからだ。

 南東、ボルドーの東端のナッシュを眺めながら通過し、宿場町予定地辺りで降りて貰う。


「ここら辺かな?」

「旦那様?ここはどの辺りでしょう?」

「ナッシュから東に25キロ位かな?距離も周辺立地も宿場町に良いと思うが」

「そうですね。開けていますし」

「ついでだ、道も錬金しておこう………ふん!」


 ズドドドドドドドドドドドドォ!!!


「うおお!御当主様!!これは?」

ついでに道もある程度作っておけば、後が楽だろ?」

「凄い魔法です!こんな規模、不可能です!先が見えないなんて」

「此処で昼にしよう。バハムートも肉出すよ」

「ぎゅるる~」


 テントの中の食堂にしようかとも思ったが、誰かが警備に立たなくてはならないからな。

 外に錬金で石畳みの広場を作り、塀で囲んでテーブルセットを錬金し、クロスを掛ける。

 厨房はテント内を使用した。

 俺が作ると言うと、ケイティが補助に立候補して入って来る。

 野菜と肉を切り始めて数分、彼女が口を開いた。


「あ、あの、メル様。相談?お願い?なお話が有るのですが………」

「ん?どした?トラブルか?」

「えっと、実は、冒険者。辞めようかなって、悩んでて」

「ほう…………結婚か?」

「は…………い。メル様と、あっ!いえ、そのっ!違うんです!諦めてたんです!英雄様ですし、大貴族になられて…………奥様もいらっしゃるし。そしたら、クリスティさんが、お妾に入られて羨ましくって…………それに、ひと月程前に野営でギルガメッシュに寝込みを襲われて。勿論身体は許してません!メル様が好きだっていいました!でも…………変な感じになって。他所に移籍しても揉めるでしょうし、いっそ辞めてしまおうかなと。父に新しい部署をお任せ下さるのでしたら事務員でお手伝い出来ればとか、考えまして…………どうでしょうか?その、女として。見て頂けたら……」


「う~~ん。仕事は歓迎だ。どの道何人かは入れなきゃならないし、事情を聞けば、揉めるのも分るから良いとも思う。別にケイティを女として見て無い訳じゃ無いが、妾となるとな…………アーシャ達と話し合ってくれ。としか言えんな。彼女達が納得すれば誰も文句は言えん。おっと、焦げるトコだった」


「分かりました。」

「気持ちは留めておく。ありがとなケイティ」

「ぁぅ。は…い」



 食事を済ませて飛び立ってから、暫く長閑な景色が続く。

 ミュルツ河が見えて来たので手前で降りて、ケイティの父親のオリバーと確認する。

 此処でも序でに道を作っておく。

 女性陣が出て来ないので、多分ケイティと話しているのだろう。

 地図に書き込み王都側へ飛び立つ。


 此処から王都迄の間に、軍属街ゲッティが有る。

 軍の集積地の為の街で、略、軍人しか居ない。

 まあ、商店や宿、酒場、娼館は無数に有るが。

 なので、このルートは道と馬車駅程度だ。ゲッティとの間に一か所なので、降りる。

 オリバーと確認して地図に書き込み飛び立つ。


 屋敷の庭に到着したのは3時半だった。


「皆、ご苦労だった!確り休めよ?取り敢えず解散だ!俺はお茶が飲みたい」


 そう、宣言したらアーシャが引っ張ってくれて談話室に入る。

 ダイアナとアンナが全員のお茶を淹れてくれる。


「うん、旨い。心無しか疲れた。この後宰相と…………鬱だ」

「大丈夫ですか?旦那様……働き過ぎでは有りませんか?昨晩の戦闘も…………」

「あなた?癒して差し上げます」

「皆でマッサージもどうですか?」

「少し横になられては………」


 で、何故か皆で風呂に入り俺にマッサージしている。

 嬉しいし有難いのだが、風呂の必要あるのか?

 皆、胸や太腿の接触が多いのは気のせいなのか?ケイティも身体まで赤くして参加してるが?


「ん?ケイティは泊まるのか?」

「はぅ……ぁ、いえ、その………」

「旦那様………彼女から相談が有ったのでは?」

「え?あ、ああ、ど、どう、なった。かな~?」

「はぁ………此処に、こうして、裸で、居るのですが?クリスティさんと同じです」

「ああ…………宜しくな?皆も頼む」

「はい。ふ、不束者ですが………可愛がって下さいませ」

「旦那様がおモテなのは嬉しいのですが、此れからも側室は増えるのですから、ご自重下さいましね。それよりも、癒せてますでしょうか?凝っていませんか?」

「皆に癒されるよ。その笑顔を守りたいからね。感謝してるよ」

「お守り下さいまし。精一杯ご奉仕致しますわ」





 皆に癒して貰って、心地軽くなった様だ。

 ジェシカとマリアンヌが身嗜みを整えてくれて準備完了だ。


「旦那様、お早いお帰りをお待ち致しております。行ってらっしゃいませ」

「「「「「「「「行ってらっしゃいませ」」」」」」」」


 そうだな。早く帰ってゆっくりしたい。

 だが、宰相との話は重要案件だ。

 皆の為にも頑張らなくてはな。



頑張ってはいるのですが……

ご意見・ご感想、お待ちしております。


明日も投稿予定です。



さら

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