表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
W・M・S (Warlock Magus System)  作者: 渡野さら
29/117

第29話 忙しい日々2

 

 決まった時間に起き、横で眠るソフィアの額にキスをする。

 うっすらと起きたようだが、寝てなさいと。と、頭を撫でてからベッドを出る。


 衣装室に行くとジェシカが待っていて、寂しそうな顔だったので、抱き寄せて口付けをする。


「おはようジェシカ。どうしたんだ?」

「おはようございます……その、寂しかった、です。あっ!嫌わないで!下さい……」

「ん?大丈夫だぞ?何か有ったのか?」

「分かりません。頭が、ぼぅっとしちゃって」

「ちゃんと寝たのか?どれ――――ふむ、熱があるな」


 ジェシカを抱き上げ執務室に行き、テントを出して中のベッドに寝かせて服を脱がせる。

 布団を掛けて、頭に手を置き霊波治癒を掛ける。


「暫く寝ていれば元気になる。いいな?」

「はぃ…」

「1~2時間も有れば回復する」


 霊波で眠らせて、寝顔を見てから出る。

 何時もと同じ様に本館を回りながら生体感知で確認をする。

 別館も同じようにまわりながら、カトリーヌの部屋に行き様子を見る。

 意識レベルが上がっているから今日辺り起きそうだな。


 何時ものように敷地を回り、何時ものように鍛錬をして、今日はクワトロ達を鍛えて

 熱が下がったのかジェシカがタオルで拭きながら風呂へ行き、何時ものように

 ジェシカも入ってきて、俺を流しながら絡むので、愛し合ってから風呂を出て

 執務室のソファーに座って、お茶を飲みながらジェシカの髪の毛を乾かす。


「身体は大丈夫なようで安心した。その、朝が良いのか?」

「あっ、いえ。あのっ!時間的に何とかなりそうだし。えっと、寝ている間は会えませんから

 お会い出来ると、昂ぶるといいますか、下腹部が熱くて…………ごめんなさぃ」


「いや、ジェシカのしたい様にすればいい。俺は嫌な訳ではない。いいね?」

「はしたない女で………嫌わないで下さい、お願いします」

「大丈夫だ、大好きだから安心しろ」


 どうにも不安なんだな。抱き寄せて口付けを交わす。たっぷりと。

 漸く落ち着いたみたいだな。俺が不安にさせていると言う事なのだろう。反省だな。



 朝食まで、今日の行動を確認した。

 先ずは屋敷で対応、午前最後が学校。15時位迄商会、屋敷の順かな?

 少し商会の書類も見せて教えたりもした。ジェシカが少しでも理解していると助かる。



 メイドが呼びに来たので食堂へ向かい、妻達と朝食を取る。


「おはようございます旦那様。今日、母と一緒にセバスが来るのですが、お忙しいのですか?」

「おはよう、アーシャ、ターニャ、ソニア、ソフィア。

 午前最後の授業へ学校へ行く。其れ迄は屋敷だ。一度戻ってセバスを連れて商会に行くか。

 カトリーヌの意識レベルがかなり浅いから、今日目覚めそうだな。

 来週は2泊3日の討伐体験を引率するから」


「カトリーヌさんが漸くですか、やっと安心です」

「では、お昼は林の教会で御一緒に。セバスは旦那様を崇拝してますから、喜びますわ」

「私の弟のバルデロも興奮していますもの。男性にはやはり眩しい存在なのですわね」


 食事が終わって、居間で妻達と雑談していて、ふっと。

 ジェシカの件で思ったのだが、俺は”ダメ野郎”と巷で呼ばれる部類なのか?と。

 アーシャ、好きだし大切だ。一緒に邪竜を始め、冒険者としても活動した。通じ合っていると思う。

 何せ母さんが選んだ女性だ。安心確実間違い無しだ!


 ターニャ、やはり付き合いの年数も有るから気心もお互い知れてる。と思う。

 ずっと冒険者としての俺を見守りながら帰りを待っていたのだ。大切に決まってる。


 ソニア、一番付き合いの長い女性だし、身体の関係もだ。最初は彼女の依存?とも思っていたが

 俺も彼女の存在を大切に想っていたのかも知れん。


 ソフィア、まだ分からない。が、本音だが、別に嫌っては無い。一番若い16歳。綺麗だし上品。

 母と弟。使用人の為に俺に身を委ねる決意をした。貴族子女なら家の為に、と言うのは普通なのだろうが、約束は守るし義弟も可愛い。焦る必要は無いのだがな。まあ、いい娘ではある。

 ならば大切にしなければ。側室として受け入れたのだから。


 ジェシカ、妾。と言う分類が正解に近い気がするが、俺は結構彼女を気に入っていると思う。

 側室でも良い位には。だが、色々と状況を見ながらだな。アーシャも考えてはいるみたいだし。


 マリアンヌは家臣としては大切だが、女としては良く分からん。

 カトリーヌも現状なりに大切に幸せに出来れば良いと思うんだよな。


 俺の感情が薄い為に女性に対して自分がどうすれば良いのか今一分からんのだよな~

 恋愛感情が分からんから拒むの受け入れるのか、どちらが正解か悩む。う~む。


「どうされたのですか?旦那様。難しいお顔でしたわ」

「…………いやな、俺は世間で言われる”ダメ男”なのだろうな」

「「「「「えっ?」」」」」


 妻4人とジェシカが声を揃えて茫然としている。



「うふふふ。旦那様が駄目でしたら、世界に”良い”殿方など居ませんですわよ?」

「その様な事を悩んでらっしゃるのですか?そんな事はお忘れ下さい」

 《私達には最高の旦那様だから問題ありません!!》

「そうですわ!旦那様程の殿方など居ませんから御心配なく」

「御当主様が最高で最強で至高ですから御安心を」


「あ、ああ。すまない。気を遣わせたな……」


 皆に気を遣わせてしまった。またまた反省だ。

 どだい、悩むキャラでは無い。脳筋寄りのバトルジャンキーみたいなものだ。


「戦いしか能が無いんだ。気にんん?カトリーヌだ!」


 俺は急いでカトリーヌの部屋に向かう。皆もバタバタと付いて来る。

 ドアを開けて部屋に入ると、メイド達がガウンを脱がせて顔や身体を拭いている最中だった。


「起きたかカトリーヌ!気分はどうだ?」

「あ、あにょ、は………恥ずかしい。です」


 メイド達と遅れて入って来た妻達が見ている。どうした?


「旦那様?嬉しいのは分かりますが……カトリーヌの乙女心も…………」

「悪気が無いのは分かりますが、裸ですから…………」

 《旦那様。ラッキースケベです》

「少しだけ、見ないであげると宜しいかと存じますが………」

「御当主様?ダメ。みちゃダメです」

「「…………」」


 しまった。それか。トボトボ部屋を出てドアを閉めた。

 中からキャッキャウフフと声が聞こえる。俺は蚊帳の外。地味にショックだ。

 いや、こう言う所を注意すれば良かったんだ!アーシャの時も失敗しただろ!

 廊下で1人、脳内反省をしていたら、メイドが呼ぶので中に入る。


「身体が怠いだけで、大丈夫みたいです」

「何日も眠っていたからな。ステータス上は問題無いから、体力や筋力は直ぐに戻る」

「良かったわカトリーヌ!お母さんも問題無いから安心してね?」

「そうよ?全て解決よ?ここで貴女らしく幸せになりましょうね」

 《凄く心配だったの。治って良かったわ。一緒に甘い物食べましょうね》

「目が覚めて良かったわ!側室として嫁いだソフィアよ?宜しくね、カトリーヌさん」

「栄養を摂取しなくてはな。ベッヘルに頼んで消化の良い物を作って貰おうな」



 学校が有るからと言って、頭を撫でてジェシカと部屋を出る。

 皆、カトリーヌの髪の毛や瞳が灰に近く薄くなっているの事に気付いて無いみたいだ。

 まあ、いきなり全部が魔人化しないだろう。生まれながらの魔人では無いからな。



 キンブリーが御者を務め、馬車で学校に向かう。

 車内ではジェシカが手を確り握って嬉しそうだな。俺を見つめる笑顔がいい。


「カトリーヌ様がお目覚めになって一安心です」

「そうだな。長いとどうしても心配だからな」

「私も、カトリーヌ様も、幸せにしてくださいませ。うふふ」

「そうだな。勿論だぞ」


 学校に着いたのでAクラスの教室に行き、クリスティの授業を見る。

 上手く説明している。


 クリスティ・人間・女・25歳?

 15歳で魔術師として冒険者になり、今回の学校立ち上げで教員を希望。

 パーティーを抜けて引退。

 元々は荒事が苦手で学術的な方面で魔法に関りたかったらしい。

 行く行くは魔法研究者になりたいようだな。

 なのでゴブリン程度は問題無いが、やはり魔術師。

 近接戦闘は苦手なのだ。


 この時間に魔物・ゴブリンの解説は予定で来週の月曜日の座学は討伐体験前の講習会だ。

 そろそろ俺だな。


「よし。では、魔法が主の者はクリスティ先生の側、物理攻撃が主は俺の側に。

 いいか、来週2泊3日で討伐体験実習が有るな?週明けの月曜に事前の講習を行うが、其れまでに各自準備出来る物はしておけ。服装は基本この前伝えた通りだが、剣や弓攻撃の者は防具も必要だ。

 自前が有る、又は準備出来るなら良いが、無い者は学校で貸し出すから月曜に合わせを行う。

 短剣は必須だから全員携帯しろ。テントと食料は学校で用意するから、着替えやタオル、水筒、薬、包帯、虫よけ、自分に必要な物、それ位は常に常備しておけ!スコップ忘れるな?

 テント、食料、毛布、ランタン、木杭、ロープ、袋程度を学校で用意するから、不安な物は自前で準備しろ。だが!冒険者は身軽さも要求される。山の様な荷物を抱えて森や山には入れんし体力が持たない。

 この辺りも頭を使えよ?まあ、体験だから何とかはしてやるがな。

 それから!全員覚悟して欲しいのは命の遣り取りをする。と言う事だ!

 俺や同行の冒険者が一緒に討伐をするから無理はさせない。だが、トドメは必ず皆にやって貰う!

 そこで適正も見る。どうしても無理なら採集や研究、ギルド職員、魔法具などの道も有る。

 だが行く以上は目標だ。クリスティ先生だって大人しい人だが10年の経験を持つベテランだ。

 やって出来ない事は無い」


 後はクリスティに任せよう。



「お疲れ様でした。お話を聞く限り、冒険者とは大変なのですね」

「そうだな。常に命懸けだからな。キンブリー、一度屋敷へ戻ろう」


 屋敷に戻ると、林の教会に集まっているらしいのでジェシカと2人で向かう。

 教会に入ると何時ものように中央にテーブルが有り、皆が着席して配膳待ちといった感じだ。


 メンバーはボルドー家のアーシャの母親と兄嫁、実姉、弟。

 此方は俺の母さん、アーシャ、ターニャ、ソニア、ソフィア、カトリーヌ。カトリーヌぅ??

 え?なんで?と言うか大丈夫か?…………アーシャが無理をさせる訳無いから平気なのだろう。


「おかえりなさいませ、旦那様。丁度良かったですわ。ジェシカも座って」

「え?奥様………私もですか?」

「そうよ。さあ、カトリーヌの隣に」

「は……はい」



「「「「「「「「「「創世神様と旦那様に感謝します」」」」」」」」」」

「さ、頂こう。母さん久しぶりだね」

「クス。甘えん坊ねぇ、メルちゃんは。そんなとこも可愛いわよぉ?」


 何も言うんじゃなかった。なぜ母さんは俺をいじるのだろう………

{そりゃあ、お母さんですからねぇ}


 心の呟きにまで突っ込みを入れられながら食事は進んだ。

 やはり俺は、頼むダメ男なのだろう。



「牛フィレとフォアグラのマリアージュは絶品でしたわ」

「そうねぇ。とても美味しかったわぁ!」

「フロマージュブランのムースとフルーツも」

「海老のアンショワーソースも良かったわ!」


「好評有難う御座います。料理長にも伝えておきますね。

 今日は、体調不良で寝込んでいたカトリーヌを呼びました。正式に家族ですし、新しい繊維の研究も彼女を中心にやって行きますので。後は旦那様がセバスを商会のお仕事にどうかと、ご提案が有りましたからね。セバスもやってみたいのなら丁度良かったですわね」


「アーシャ様が考えていた事を私も何とか出来ないかなって思ってましたから、挑戦し甲斐があります。これ、成功すれば、アーシャ様の一歩か二歩先の繊維になると思うんです。私頑張ります」


「もう、そこまでイメージが出来ているのね?これは頼もしいわね」

「はい!出来るのは確信してるので、実験を繰り返すのが仕事です」

「これは夢が広がるわね!私の考えの先となると、もっと多岐に応用が可能ね」

「試作に繊維が出来るのに、2ヶ月掛からないと思ってます。けど、それを沢山作って商品の形が………」


「そこはプロに任せれば良い。心配要らないぞ。と、まあこんな事も考えてるのだセバス。

 ああ、義母上。林檎の酒ですが、あれで完成ですね。商品として出したいので量産化を義父上にもお願いしたいのと、ラガーが売れ行き好調でして増産のお願いです。輸送は溜めるだけ溜めて俺が行きます。

 一度で大量に運べるし、1日で往復出来ますからね。

 それから、ボルドー領のナッシュ辺りに生産拠点か集積所が欲しいのです。領地の把握が終わったら、国の許可を貰ってボルドーを結ぶ街道を作りたいのです。

 我が領への輸送も早くなるし、街道に宿場町を作れば一石二鳥も三鳥にもなりますからね」


「わかったわ。その線で旦那様と息子たちには頑張って貰いましょう」

「と、言う事だセバス。こんな仕事だぞ?後は学校の運営資金を管理している。やれそうか?」

「はい!僕、義兄上のお役に立ちたいです!」

「そうか。では、女性陣にお任せして俺達は商会に行くか。母さん、またね?」



 俺は母さんの頬にキスをしてセバスとジェシカを伴い商会に出掛けた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ