表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
W・M・S (Warlock Magus System)  作者: 渡野さら
28/117

第28話 忙しい日々

 

 朝は5時に目覚める。眠る必要も無いが、妻達と一緒なのだから心の安息だな。

 ちなみに今日はアーシャだけだ。

 頭を撫でて、可愛い寝顔に口付けをしてから起きる。

 顔を洗い着替えに衣装室に入ると。


「おはよう御座います、御当主様」

「おはようマリアンヌ。ちゃんと」6時間寝ております」

「あ、ああ…………」


 何故かスーツを着せられている。

 タイまで締めては無いが、襟を整えてうっとりと上目遣いの彼女。

 距離が近くないか?いや、密着?胸にしなだれ掛かるな。胸元を摩るな。

 目が潤んでるぞ?首に手を回すな――――ちゅ


 つま先立ちの彼女の唇が密着し、舌が絡んできた。何をしている?

 たっぷり5分、彼女は堪能したのか物足りないのか微妙な表情で胸に顔を付ける。


「あ―――マリアンヌ?なに」この時間だけは、私だけの当主様。忠臣にご褒美位ください。もぅ」

「…………あ、ああ。そうだな。何時もありがとうマリアンヌ」

「はぁい!」

「見回りと鍛錬だから仮眠していろ」


 ソファーに座らせて毛布を掛けて部屋を出た。

 良く分からん展開なんだが何だったのだ??えーと、何かあったか?

 さっぱり分からないから悩むのを止め、妻達の生体を感知。異常なし。

 ジェシカも大丈夫だな。少し体温が高いか?

 本館に住む家臣、上級使用人の無事を確かめながら別館に移る。

 カトリーヌの部屋に入り寝顔を見る。そろそろ起きて安心させろ?もう、心配無いのだぞ?


 あれ?カトリーヌって茶色の髪の毛だったよな?色が薄い。まるで灰色が……魔人化の影響か。

 一応ステータスを確認してみたが、異常無しだからいいか。頭を撫でて部屋を出る。


 旧館を眺めながら林沿いに敷地を回り教会を見て中庭に戻る。

 ジャケットを脱ぎ、魔法剣を2本出して振る。敵を幻視しながら次々と切り割く。

 いつの間にかバハムートが近くに寝そべって見ている。

 ソウルイーターを出して邪竜の幻と戦う。振る!弾かれる。腕が迫る!避けて切る!弾く!

 そんな攻防を繰り返しているとデッカーが数人と警邏しながら寄って来た。


「御当主様。宜しいですかな?」

「全員全力で来い!」

「「「「押忍!!うおおおぉぉ」」」」


 ガン!ギギン!ゴン。ギャリン!ギンガガン!!ドゴン!


「どうした!もっと早く!もっとだ、霊力を乗せろ!そう、もっとだ!切れが甘いぞ!そう。そうだ」


 ギギャギャギャン!ギギン!ゴン、ゴン、ガギン、ドン!!

 気が付いたら、また20人になっていた。

 こいつら既に人外だが、もっとだ。デッカーとクワトロは特に!あれ?30になってる?ま、いいか。


「もっと来い!踏み込め!魂を燃やして霊力を高めろ!いいぞデッカー!お前は人類なら最強だ!

 だがまだまだ!クワトロ!遅い!そらそら!総掛かりでそんなもんか?違うだろ!」


 最後は剣圧だけで全員吹き飛ばして終わりにした。

 派手さは無い上品な肌の見えない黒のドレスを着たジェシカがタオルを持って近付いて来る。


「随分上がって来たな。デッカー!お前間違い無く人類なら最強だぞ。クワトロはもう少しだな。

 だが、全体的に底上げされてる。次の選抜が楽しみだな?ドラゴン狩りと」


 ジェシカがデッカーにもタオルを渡して俺を甲斐甲斐しく拭いてくれる。

 早番の連中が見学に来ていて拍手している。盛り上がったか?


「嬉しいです!遂にそこ迄来ましたか!これは更なる鍛錬が必要です!」

「やっぱ当主様は次元が違う。だが、追い付く!ドラゴンステーキの為にも!」

「ありがとうジェシカ。そうだな。皆であのステーキを食べよう」


 浴場に行って汗を流す。ん?

 ジェシカが裸になって入って来た?いや、流さなくても。

 手間だろ?嬉しいけどな。

 新しいスーツが用意されていたので着替えるのをジェシカが整えてくれる。

 タオルを外し、恥ずかしそうに下着を身に……それ、派手と言うか、かなり煽情的ではないか?

 え?誘ってる?魅力的だが朝だぞ?構わない?構えよ。いや、倒せ?誰も来ない?いや、ま、



 で、身支度を整えてジェシカと執務室に行く。彼女は無表情だがご機嫌だ。俺は疲れたが。

 部屋で2人、お茶を飲む。10時迄は此処で。昼までは妻達と触れ合う。それから学校と商会。

 夕方からはジェシカの家族も来るし家臣達との食事兼懇親だな。

 明後日は林の教会で母さん達が集まるから、文官系の士官希望は俺が見るか。



 食堂で妻達と朝食をを取る。


「おはようアーシャ、ターニャ、ソニア、ソフィア」

「「「「おはようございます旦那様」」」」


「旦那様のご予定は?」


「10時迄は執務室で12時半迄は奥様達とのお時間です。

 午後は夕刻まで学校と商会で戻られてからは家臣の皆さんとの懇親になりますアーシャ様」


「お忙しいのですね。仕方有りませんが……」


「此れでも足りないんだがな。余り詰めても仕方無い。カトリーヌの波動がそろそろ起きそうなんだよ」


「まあ!良い事ですわ!研究も一緒に頑張らないと」


「アーシャ様?では午後から私達も少し研究室を整備しましょうか」


「そうね。そうしましょう!」



 執務室にジェシカと2人、お茶を飲みながら書類を読む。

 商会からは毎日報告が届くから、安心では有るが。

 誰か育てないと先がしんどくなるよな。どうするかな?

 読みながら考え事をしていたら、ジェシカが見ている。距離が近いぞ?いや、いいか。

 抱き着いて来たが、自制したようだ。そうそう。いい子だ。

 もうすぐ10時だから、其れ迄はこうしておくか。



 執務室を出る時に口付けをしておく。真っ赤で嬉しそうだ。

 やはりジェシカはこう言うのを好むみたいだ。


 家族の時は居間なのでそちらに向かう。

 ジェシカは中に入ると、隣に有るメイドの控え室に行く。

 パーラーメイドのアンナがお茶を入れて控える。


「今はお仕事忘れて下さいね?」

「いや、実はセバスに仕事を頼めないかと思っていたのだが」

「そうですの?あの子がどうなるのか心配ではあるのですが」

「商会の運営見習いをどうかと思ったんだが」

「宜しいのですか?勤まるのでしょうか……」

「見習いだよ。仕事ぶりを見て、書類を読んで、勉強もする。経験を積まないとね」

「大丈夫でしょうか……心配です」

「最初は誰でも素人だ。酒類はボルドー家も組んでいるし無知ではないし俺もいる。考えてみて」

「いえ、やらせてみましょう。旦那様も私達も居ます」

「そうかい?では、いつでも呼んでみて」

「分かりましたわ。セバスをお願いします」


 この後は雑談だ。ソフィアも来たばかりだし屋敷の事や商会の事。婦人会の事。

 家臣や使用人、出入り業者、などなど。

 話をしながら、そのまま食堂に行き昼食。



 時間になったのでジェシカと馬車に乗り学校へ向かう。

 馬車の中では腕を組んで手を繋いで来るのでそのまま好きにさせておく。

 着いたら教員棟に向かう。今日は授業は午後は無いからだ。

 挨拶をしてダンカンは校長室に居ると聞いて向かう。


「やあ、忙しいのに悪いな」

「おう!お前も大変だな?大貴族様じゃねーかよ。何とかなるのか?」

「ま、何とかするさ。で、悪いけど座学は殆ど出れない。暫くは。実技と実地は極力出る」

「そうなるよな。座学は今の教員でギリギリ回せるが、実地はな。出てくれ。どうにもならん。

 お前が出てくれなきゃ、現役を回さなきゃならん」

「もう1回目が有るだろ?討伐体験。出るさ。マズイからな」

「頼むぜ。同行の冒険者は手配しとく。2泊3日の野営込みだったな」

「ああ。ゴブリン討伐だ。ミルの森だからオークや他も出そうだが、俺が排除するから問題無い」


 ダンカンと実地研修の予定と内容を詰めて、座学もそれに合わせた進め方の内容を話合った。

 採集も内容や場所で大きく変わるし。

 間でジェシカがお茶を入れてくれたりしながら話は進んで本日は終了。明日の午前授業は出る事にした。


 続いて商会に移動する。


「私も研修と言うモノに同行しなければなりませんね」

「え?いや、それは無いだろう」

「でも離れたらお世話が出来ませんし、離れたく有りません」

「…………まあ、極力」

「はぁい!うふ」


 凄くいい笑顔なので否定出来なかった。極力行かない方向のつもりだったのだが。


 直ぐに商会には着くので、ちゃっちゃと中に入る。

 ジェームズ息子のパスカルと商人ギルドからの派遣事務が検品と員数確認。

 注文の入っている書類別に商品樽に置いて配送に任せる。

 納品書と注文書を確認するが製造量は追い付いているがストックは少ないから余裕が欲しい。

 受注はまずまずで、順調に伸びている。


 学校関連は予想通りで若干の赤字。

 これ位なら、軌道に乗ってくれば問題無いな。始まったばかりだ。

 初年度は赤でも仕方ないと思っていたからな。

 初期投資の回収を考えなければ普通に運営可能な水準だろう。


「あ、代表。出荷量なんですけど――――」

「ん~復路か。勿体無いんだよな――――」

「ならば――――――――」

「そうすると危険だしな――――――――」

「もう少し考えてみる。すまないな」


「パスカル、落ち着いたらアルテンメルン領便も確保したいな」

「そうですね。是非とも!ボルドー直送が可能だと凄いのですが……」

「それだな!いい発想だパスカル!」

「ボルドーの端に輸送拠点ないし、生産所が有れば直線で2日。片道1日短縮だ。

 王都経由だと2日短縮か。でかいな。検討しよう。

 今の王都便も方法を考えなきゃな。ん?方法は有るな。試してみよう」


「パスカルは出るまで此方を頼みたい。俺も極力来る。準備は大丈夫か?」

「了解しました。母が適当にやってくれてますので」

「奥方には申し訳ないが、ジェームズを支えて貰わないとな。そろそろ出るか」



 戸締りは派遣事務に頼んで先に3人で馬車に乗って戻る事にする。


「あ、あの。ジェシカさん。ダイアナ嬢はその………仲の良い異性は、居るのでしょうか……」

「え?いえ、どうかしら。そんな素振りは有りませんけど。はっ!まさかパスカル様は―――」

「ぐう、いえ、何と言いますか………」

「ダイアナがどうしたんだい?」

「いえ、パスカル様は恐らくダイ」うわわわ!ジェシカさん!許して!」

「御当主様に隠し事はいけません、うふふ。パスカル様はダイアナの事が気になっている様です」

「ん?そうなのか?良い事ではないのか?俺には嬉しい話だな」

「いえっ!まだ若輩の自分には過分な気持ちです!」

「関係無いだろ。お前はお前だ。何より離れるのだから唾でもつけておけ。

 落ち着いてから迎えに来れば良いのではないのか?男女の事は疎くて分からんのだが」

「そうですわね。お約束でもなされた方がよろしいかと」

「私がですか?そんな大それた事!とても」

「彼女、とても可愛らしいですわよ?いつ、見初められるか分かりませんよ?」

「男は度胸だ。デッカーを見習ったらどうだ?」

「――――――わ、頑張ってみます」



 そんな話をしながら屋敷に帰ると、食堂の会場準備は整っているので

 俺とジェシカ、パスカルも其々身嗜みを整えに動いた。

 ジェシカは自分の準備、妻達は会場、なので俺にはマリアンヌが付いて世話をしている。

 いつもの様にダークスーツに身を包み準備が整うと、マリアンヌも会場に行く。

 暫く1人、自室のソファーに座って考え事をしていたら、いつの間にか隣に綺麗なジェシカが座っている

 何時の間に?気付かない程、気を許しているのか。

 そう思っていると抱き着いて口付けをして来たので、数分間お互いにこの時間を堪能しておく。

 その後は普通に仕事の話をしていると、全員揃ったと呼びに来たので食堂に向かう。



 テーブルを円に組んでお互いに顔が見える様にしたらしい。大人数では無いからな。

 席順は俺、左にアーシャとソフィア。

 その左にジェームズと奥方とパスカル。隣がジェシカの家族、ケーニッヒ一家4人。

 隣は元ヴァラントの奥方アルノと息子のバルデロ。デッカー、コックのパーセル。

 俺の右はターニャとソニアとジェシカ。マリアンヌとペルル、ナターシャ。

 右に侍女のクラリス、エメラ、メリヌ。メイド長のロアンナ。

 コック長ベッヘル、御者・厩舎長キンブリー、庭師頭オーギュスト、大工頭ベルドルフ、以上だな。



「忙しい中済まない、時間を掛けられないので急ぐ必要があったのだ。

 先ずは第一陣の顔ぶれだが、俺の左側のアルゼンヒュット子爵家、ケーニッヒ男爵家

 騎士団長のデュッフェンバッハ男爵と配下30名、料理長にパーセルだ。少なくてすまないが

 順次確保出来次第送り込むし、ソフィアが側室に嫁いでくれたので、向こうの屋敷が整えば

 義母のアルノ殿と義弟のバルデロも向かう。義母は現地の事も詳しいから智恵を借りてくれ。

 だが、事情も有る。警備は厳重にな。

 この場は皆が知るように当家の重臣達なのでな、結束して此れから乗り越えて欲しい」


「「「「畏まりました」」」」「「「「承知致しました」」」」「押忍!」


「さあ、食事にしよう」


「旦那様、お疲れ様です。お疲れでは無いですか?」

「アーシャも苦労を掛けるな。大丈夫かい?俺に疲労は無い。精神耐性が有る。気分は疲れるがね」

「とは言え、私も心配です。皆も頑張ってくれてますが旦那様在ってですから」

 《私も心配です旦那様》こくん

「私も母と智恵を搾りますので、御無理はなさらないでください」

「まあ、妻達が癒してくれるから大丈夫だよ。ん、今日の夕飯も美味いな」



 懇親会は和やかに終わったし、義母と義弟は今日から此方の別館住まいだ。

 ジェシカの家族も泊まりなので、家族で話してたようだな。


 妻達と風呂に入り、寝るまではゆったり話て過ごした。

 今日はソフィアが1人で寝室に来た。あれ?3ヶ月はどうした?

 ああ、同衾だけだな。よろしい。

 しがみ着いて来たのでキスだけしておいたが、真っ赤になって恥ずかしがっている。

 お互いに身体を寄せ合って眠った。


 こうやって距離を縮めれば良い。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ