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W・M・S (Warlock Magus System)  作者: 渡野さら
23/117

第23話 アーシャとターニャの行軍3

何とか連投しております。

 

 1分程で老齢の男性が出て来ました。


「私が村長のガンダリで御座います。伯爵家のお方が何か……

 遠い所をわざわざ。大した御持て成しは出来ませぬが、どうぞなかへ」



 貧しい村だから村長宅と言えどこじんまりしてますが、綺麗に手入れはされている様です。

 談話室に通されて私、アーシャ様、デッカー隊長と2人組です。

 中年の女性と10代の少女が入って来て、お茶を出してくれました。


「ニルヴァーナ伯爵様と言えば、英雄様として有名な貴族様でしたか。その家のお方が田舎のこの村に何用でしょうか?」


「先ずはカトリーヌと言う娘をご存じかしら?」

「はい、良く知っております。アレの父親の目を盗んで魔法を教えておりました」


「そのカトリーヌですが、当家で保護しておりましたが、事情を聞くに連れ、こちらの当家正妻の聖女様が憤慨されて此処迄来た訳です」

「あぁ……良かった。心配しておったのです」

「カトリーヌは死にました。長年の暴力に身体が堪えられず。ですが、我が旦那様のお力で一命を繋ぎましたわ」


「なんと!その様な事に……貧しいと言う事は悲劇の材料に困らんのです……」

「それでこの地へ向かう途中で――――――と、言う事が起きたのです。この村は、代官はどうなっているのかしら?この男は無視して正直に現状を教えて貰えないかしら?」


「この村は…………」

「おい!貴様!」

「お前はだまれ!奥様の時間だ!」


「この村は、税が重いのです。領主様に6割、創神教に2割を収めとりまして、もう村は破綻寸前です。備蓄も底を尽きました。数年前から口減らしで娘を売りに出しとるのです。そこの公官殿が連れて行きますんで。他の村も似た状況で、どうにもならんです。

 一度、売られた娘の馬車を着いて行きましたら、神殿と領主様の館でして。

 幸せになるなら良いですが、その後を誰も見た事が無いんです。他の村も聞いた話では同じようでして………3枚です。娘達は金貨3枚の命です。儂ら農民は黙って言う事聞くしか無いです。この村も来年持つかどうか………」


「創神教に税を徴収する制度も権利も有りません。王都本殿では厳しく各神殿や教会に布告して指導しています!助祭!どう言う事!そなた達~此処まで腐っていたとは!許し難し!教皇様のお裁きが楽しみですわね!?」


「それから助平公官殿?他領内ですから、そこはとやかく言えません。ですが、領主は土地を、民を守る義務が有るのですよ!それを弱みに付け込んで人身売買を率先して行うなどと!恥を知りなさい!あ、無いのでした。忘れてましたわ。

 それで、代官と領主もグルなのでしょう?白状しなさい?どうせ貴方、しっぽ切りなのですから」


 するとノック音が聞こえて。


「すみませんです。おい、見て来てくれんかの」


 中年の女性(娘さん?)が玄関へ向かって行き―――



「村長、邪魔するぞ?ニルヴァーナ伯爵だ」

「「旦那様!」」「お館様!!」

「うむ。少しばかり事が大きくなったのでな、助け舟だ。

 それから、我が妻達と使用人を長時間視姦した無礼者が居ると聞いて切り落としに来た」


「あわわわ」

「ひっ!ひいい!」


「今は殺さん。貴様等の斬首が決まるまではな。ここの領主、ヴァラントは終わりだ。

 色々と悪事が発覚してな。取り潰しだろう。デッカー、コイツ等を縛って倉庫に投げておけ。

 それよりカトリーヌの父親とか言う外道だな。村長、案内頼めるか?」


「はい。近いので。ですが、余り酷い事は……皆、領主の犠牲者なのです。

 重税と圧制と娘の身売りと貧乏で、おかしくなっとるのです。儂も村長として責任を感じとります」


「ふむ……確かにカトリーヌだけでは無いな。売られた娘達は奴等の慰み者になった後、他国の奴隷商に売られている。まあ、カトリーヌの実家に向かおう」


「はい、ご案内します」



 私達夫婦と村長、デッカー隊長が歩いて向かいます。

 向かう方には綿花畑が広がり平地も気候も穏やかで村は森と川に挟まれた良い環境。


「村長、ここは良い場所だな」

「はい、唯一の自慢なのです」

「領主が違えば栄えていたろうな」

「残念です………見えて来ました。あそこです」


 寒村の農家にしては大きめね?昔は良かったのかしらね。

 アーシャ様も複雑な表情ね。当たり前よね。



「お~い、儂じゃ、居らんか?」



「おう、村長。どしたんだっぺ。ん?誰だべ?」

「英雄様と奥方様じゃ」

「――――へ?うひゃ!へへー!」

「あんた、どうしたんだい?」


 父親が慌てて土下座をすると、中から奥さん?が出てきました。

 ………顔中痣だらけ。やはりこの男は~!


「え、英雄様と奥様だど、頭が高ぇぞ!」

「ひい!す、すいませんです!」


「頭を上げろ、話が出来ん。お前がカトリーヌの父親か?そちらが母親か」

「あ、あの、アバズレが何か?」

「あんた!あの、あの娘が何か仕出かしたのでしょうか………」


「ふむ。何もしてはいない。確認だ。母親のお前が金を握らせ逃がした。そうだな?理由を言え」

「は、はい。あ、あの娘は、見ての通り、身体も小さく目も悪くって、女子で頑丈でも無いもので、貧しい農家では、その、男手みたいに行かず、ウチの人が毎日叩いてて………見兼ねて」

「バカ!おめえ、銭になんねえ女なんざ身体売らせりゃいいだっぺ」


「時に気絶するまで殴っていたな?小さな娘だ。出来る事をさせれば良かろう。父親が犯すなどあってはならん。鞭の痕はひどかったな。で、居なくなれば母親か。顔は大丈夫ではあるまい。じっとしていろ――――――治癒を掛けたから安心しろ」

「あ、あの、有難う御座います。英雄様!カト、カトリーヌは、どう…」

「一度死んだ。身体が傷み過ぎていたからな」

「え!そんな!!なんてこと…………」

「勿体無ぇ、売りゃあ良かったんだ」


「今は大丈夫だ。問題無いから安心しろ。で、お前は先程から何だ?父親か?奴隷商か?」

「親父でさぁ。俺の所有物だべ、帰って来たら味見して売りぃびゅごぼ!!」


 余りにも身勝手な父親の言葉に旦那様がついに、殴ってしまいました。

 奥さんも多分、殴られ続けたんでしょう。自業自得です!

 一発でボロボロですが頭を掴んで持ち上げて……何かしました。


「あ、あんた!」

「精神の牢獄に閉じ込めた。生涯、罪に攻められ続け、自我が戻る事は無い。だが、それでは困るだろう、アーシャ。此処の土地に【祝福】を」

「はい。旦那様―――(大地を愛し、隣人を愛し、家族を愛し、自分を愛するのです。神の恵みを、今、此処に)」


「よし。これでこの地の豊作は約束された。この下種が居なくとも、子供達と幸せになれる」

「え?あの?一体、どう、あら?」


「この男は罪深い。肉体が滅んでも魂の牢獄からは出れん。しかしそれでは残された者は困るのだろう?此処の畑の豊作は神により約束された。どうにでも出来るだろう。カトリーヌは母親の心配をしていたのでな。今後、領主も変わる。楽になるだろう」


「英雄様、カトリーヌはどうなるのでしょうか」

「ん?別にどうにもならない。家族として大切に暮すだけだ。会える機会は作る。心配するな。

 もし、カトリーヌが居る、王都で暮らしたいなら考える。返事は急がん。当面は困るだろう。

 コレを持っておけ。近い内に会うだろう。ではな」


 旦那様は最後に金貨の入った袋を渡してましたが、やはりお優しいです!

 私達の旦那様は流石です!


 4人で村長宅まで戻り、迷惑料を置いて馬車に乗り込みました。

 今は皆で談話室にて寛いでいます。

 勿論デッカー隊長達も居ます。


「雷帝竜様が見当たらなくて心配したのですが、王都迄旦那様をお連れしに戻ってらしたのですね」

「ぴゅい~」

「旦那様のお顔が見れて安心してしまったら、お腹が空きましたわ。もう、変態ばかりで……」

「そうだな。此処だとメルンの町だが……仕方無いな。コルトラス川の畔で野営の準備、何か作ろう」

「わ!旦那様の手料理ですか?久しぶりです!」

「本当に!昔は良く一緒に作ったのですが」

「お館様の!」

「手料理!?」

「凄いです!」

「楽しみね!」


 街道を少し進み、川をメルン側に越えた所で脇に入り食事の準備です!

 旦那様が食材庫と時空術の在庫を調べて、調理開始です。

 補助は私ターニャとキッチンメイドのメリヌです。


 先ずはサラダね。レタスと3種のパプリカと林檎のサラダ。

 スープはレンズ豆を使って。それと川魚のムニエル。

 肉は、何肉でしょう?ステーキにして、パンを付けて。

 デザートは果肉入りオレンジのシャーベットです!

 さ、食堂に運んで~



「それでは、旦那様と創世神様に感謝を」

「「「「「「「「「「感謝を」」」」」」」」」」


「ん~どれも美味しいわぁ~」

「ほ~んと!お館様は凄いとしか言葉が出ません!」

「旦那様のお料理は美味しいですわ」

「ですわね?アーシャ様。でも今日は最後で安堵しました」

「まあ、普段皆には頑張って貰ってるから。バハムートが来てくれて良かったよ。騎士団も活躍だったしな」


「お館様!この肉は何でしょうか?とても美味です!」

「それはドラゴンステーキだ。旨いだろ?」

「「「「ドラゴン?」」」」

「デッカー。また、騎士団でドラゴン討伐に行くか!」

「「「「「お館様!喜んで!!」」」」」


「……貴方達、そこは躊躇するのが普通の反応よ?」

「無駄よ。既に家の騎士団は人外認定だから」

「はぁ~頼りになるのは嬉しいけどさぁ。デッカーったら無茶だからし――――はっ!無し!今の無し!」


「ちょっと!メリヌ~?あなたデッカーさんとの関係どうなってるの!?」

「そうよ!教えなさいよ!ズルいわよ?」

「八百屋のおばさんが言ってたの、メリヌ達の事なの?白状しなさい!」

「い、いや、あ、で、でっか~」

「ぐ、ぐむむ」


「デッカー、男の貴方が確りしないと。別に喜ぶ事なんですからね?でも責任は取らないと」

「ターニャ奥様……お、お館様!奥様!メリヌ嬢と真面目にお付き合いしております!ゆくゆくは夫婦にと考えております!………い、言えた~」

「うっそ~!凄いじゃないメリヌぅ!」

「何時の間に!やるじゃないの!」

「デッカーさん何気に人気有るのよ~」

「隊長ずるいっす!」

「め、めりぬさん~」

「俺も、嫁、欲しいっす!」


「あら、おめでたい事だわ。是非に!」

「そうだな。良い事だよ。これは騎士団増員でもするかな?最終試験がドラゴン討伐ってね」

「是非行きましょう!雷帝竜様も暴れましょう!」

「いや~楽しみだなぁ」


「アーシャ、ターニャ、デッカーとメリヌの話が出たから丁度良いのだが、皆も食べながら聞いてくれ

 実は今回、王都を出る際に保険として宰相殿にも話は通したのだが、好きにしろと言った感じでな。

 何かしら国も掴んでいるのだろう。まず間違い無く、ヴァラントは取り潰しだろう。

 そこの新しい領主に俺を押す気だ。王家直轄や公爵家の線も有るには有るが、有意義な使い道としてなら、俺に押し付けて、この国に雁字搦めにするだろう。

 今日の態度で確信した。だが、俺は暫くは王都を長期では動けん。

 そこで代官、となる訳だが今の家の家臣で言うとジェームズしか居ない。だが苦労だけ押し付ける事になりかねないのも心苦しい。

 で、考えたが。アルテンメルン領はニルヴァーナ家が領主だが、ジェームズが了承してくれるならメルン周辺をジェームズの領地とし、俺の従属爵位で子爵を受けて貰おうかとな。で代官職。

 そうなると領軍や警備隊の再編と増強も必要になる。だから向こうに住む必要はないが、メリヌと所帯を持つなら手向けとして領軍の軍団長兼、騎士団相談役をして貰って、男爵位を受けて貰いたい。

 家の近くに屋敷をプレゼントする。どうだ?」


「お、お館様!!願っても無いです!この厚遇は忠誠でお返ししますぞ!お任せください!!」

「ん、助かる。そうなると家令が居ない。だからマリアンヌに女家令スチュアーデスを受けて貰い、ナターシャが侍女長。メリヌもそうなるとキッチンメイドでは困るから侍女に昇格。と、言うのはどうだろうか?男爵夫人がメイドでは困るのでな。

 それと、騎士団副隊長のクワトロを隊長に昇格して騎士爵を貰って欲しい」


「おやかたざばぁ~あじがとうごじゃいばう~じあわせでずぅ~」

「いや、幸せはデッカーにして貰え。クワトロはどうだ?」

「有り難き幸せです!隊長の名に恥じぬよう、努力致します!!」


「アーシャもターニャも良いかな?」

「旦那様のお心のままに。名采配ですわ」

「私も旦那様に着いて行くだけですから」


「そうか。婦人会の研究が成功すれば、コトブス村を綿花生産地として掌握も出来る」

「まあ!それは喜ばしい」

「そうですね!カトリーヌさんも喜びます」



 お風呂も順に入りながら、遅くまで談話室で盛り上がってました。

 悪い事も有れば良い事も有る。普段から真面目に積み上げて来たから。

 そう、思いたいですね?



 就寝は旦那様のベッドで3人で。

 その後はご想像にお任せしますね?くすっ



お読み頂き有難う御座いました。

次話も早く投稿出来るように頑張ります。


さら


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