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W・M・S (Warlock Magus System)  作者: 渡野さら
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第22話 アーシャとターニャの行軍2

 

 アルテンメルンに到着した私達は、防壁門で入場手続きを行い街へと入ります。

 ニルヴァーナ家の家紋が入った長大な黒塗りの馬車。

 重装備のユニコーンが4頭曳きで最強私設騎士団員達。門番も街行く人達もあっけに取られて立ち止まり、呆けた顔で馬車の姿を見送ります。


 まあ、普通は驚きますわよね?大陸最強、唯一の白金冒険者、侯爵待遇の伯爵家。妻の私は神から加護を頂いた救国の聖女にして伯爵夫人。そしてこの馬車と騎士団。誰でも驚きますわね。

 大通りを直進すると、直ぐに冒険者ギルドのアルテンメルン支部が見えて来ましたので、目の前に付けて私とターニャさん、神道女の2人と騎士団の4人が入ります。


 私達が入ると屋内は静まり返り、物音一つ有りません。

 旦那様はコレを体験していたのですね?確かに、悪目立ち致しますわね。


「皆様ごきげんよう。ニルヴァーナ伯爵家です。責任者の方を呼んで頂けるかしら?」



「か、か、畏まり、ました!」


 ターニャさんが問いかけた所、唖然としていた受付嬢が大慌てで裏に入って行きましたわ。すると


「ターニャさん!いえ、ターニャ夫人!お久しぶりです!イメルダです!」

「あら、お久しぶり!お元気でした?あ、丁度良いです。お話が有るのですが、お部屋は無いかしら?」

「あ、2階の応接室をどうぞ!ギルドマスタ―も向かわせますので!」

「では、お借りしますね。皆さん、参りましょう」



 応接室に移動して私達とイメルダさんのパーティー。お茶を持った職員、遅れてギルマスが入って来ました。ここからはターニャさん主導です。


「実はこの地でお願いと言うか、依頼が有りまして」


 私達の持っている情報と経緯を説明して、期限を明後日の日中にして貰いました。


「どうかしら?」

「聖女様とターニャさんのお願いですから!ギルマス?問題無いよね?」

「い、いや、その、ブデラント様は、色々と、その、多岐に権力が及びまして、穏便に…」

「ギルマス!あんた腰抜け?冒険者なのよ、私達はっ!」

「それなら問題無いわ。創神教の本殿から執行官が来ますし旦那様が動いてますからこのギルドにもギルド本部のダンカン殿からも正式に依頼が来ます」

「きゃつの身柄は我々、ニルヴァーナ騎士団が強制捕縛を行う!」


「な、なら、問題は、有りませんです、はい」

「そう来なくっちゃ!直ぐに動きますね。盗賊ギルドに話を持ち込めば山の様に出て来ますよ!」

「では、報酬ですが、パーティー”破裂の人形”に白金貨で20枚。で、どうかしら?」

「え?そんなに?」

「銀クラス2位のパーティーにこの様な事をさせるのだから、妥当でしょ?」

「有難う御座います。じゃあ、直ぐに動くので、ギルマス!書類頼むわよ!では失礼します」


 彼女達は頭を下げて部屋を出て行きましたの。行動が早いわ。

 私達はその場で正式な依頼として書類を記入してギルドでの動きは終了しました。


「では、いよいよブデラント捕縛に参りましょう」



 静まり返ったギルドに見送られ、馬車に乗り込み創神教アルテンメルン本部へと向かいます。

 近付いてみると、通りは人が多いのですが教会神殿は人気が少ないですわね?

 都合は良いのですが………門番が寄って来ましたわ。


「如何様な御用でしょうか?」

「ニルヴァーナ伯爵家だ!夫人をお連れした次第、司祭に取り次ぎを」

「これは!お待ち頂けますか?只今立て込んでおりまして……」

「ならば構わん!直接行く!奥様、参りましょう」

「あ!いや、お待ちを!そのっ、」


 私と神道女の2人、騎士団5名で向かいます。そう、勝手に。


「待たれよ、神殿へは」邪魔立てするならこうなる!」


 デッカーは立ち塞がった神殿騎士を叩き伏せて沈黙させました。一撃で。

 物音で察した様で、奥から次々と出て来ます。


「我々はニルヴァーナ騎士団である!邪魔立てする者は切り捨てる!覚悟の無き者は下がっていろ!次からは手加減しない!」


 デッカーが述べた所で二の足を踏んでいる様子。どうするのかしら?

 当家の団員が全員、腰から剣を左右1本づつ抜いて進みます。

 家の団員は騎士団の名ですから、騎士の訓練もしております。

 ですが、平時や可及で重装騎士のような事はしませんから戦士職と変わりません。

 旦那様が鍛えた彼等は同じ様に2本剣で盾装備をしません。


 デッカーが先頭で私達が後ろを着いて行きますが、向こうも手は出して来ないものの、中々引き下がりません。

 神殿の奥へと続く廊下へ入り、じわじわと進んでいると、デッカーが切れました。


「デブを差し出せば良い!出来んのなら面倒だ!全員切り伏せる!行くぞっ!!」

「「「「押忍!」」」」


「ま、待て!」

「ぬぐわっ」

「ひゃぎい」

「お、おたすけ」


 前を塞いでいた騎士30人程と番兵20人程が15秒で終わりました。ええ、終わりました。

 ………彼等も旦那様の側へ足を踏み入れていた様です。


 通路の両側に有る扉から、慌てて神道女達が出て来て治癒を掛けて居ます。

 これなら安心ですね。死者も0だし、此方も被害無しですから。

 奥に有ると言うデブの私室の扉を蹴破って乗り込みます!



 その、えっと、見たく無いのですが。泣き叫ぶ女性と、アレです。交尾の真っ最中です………

 しかも、裸の女性が2人、部屋の隅で泣いています。この外道~!!!



「ぐふっ?聖女?ワシの聖女たん!!さあ、此方に来るのじゃ!孕ませてやるぞ!たっぷり調教してやるから心配いらん!儂のイチモツ浸けにしてやる。ぐふふっ。来い。ぎゅふふふっ」


 え?何この肉?その、いきり立ったモノをしまいなさい!肥え太ったブヨブヨの図体と脂ぎった顔。

 見るのもおぞましい!!私が孕むのは、旦那様との大切なお子だけ!!まったく……犯された娘達は浄化をしないと!あ、私の目も。


「醜い…………デッカー、頼みますね」

「はい、奥様」


 その後は3人掛かりで肉を蹴りまくってボロボロにしながら暴言が飛び交っています。

 私達は神殿の女性も呼んで、被害の女性達を介抱します。お可哀そうに。

 肉を縛り上げて私の神聖魔法【聖廟】で閉じ込めます。これで誰も手出し出来ません。

 同じ様に賊も連れ込み魔法で封じて置きました。

 遺体は神官に渡して、裁きまで安置して貰います。死体となれば、犯罪者でも関係有りませんから。


 仕方が無いので私の神聖魔法の【治癒】を、一度で全員に掛けて神殿の礼拝堂へ集めて事情説明です。

 本部の執行官が来る迄、くれぐれも変な気を起こさない様に言い含め助祭殿に出て来て貰います。

 彼には更に、明日からのコトブス村の件も伝えて同行を了承して貰いましたわ。



 私達は街の高級宿へ宿泊する事に致しましたの。

 流石にあの”醜い肉”と同じ場所は気分が優れませんので。


「みんなも今日はゆっくり休みなさい?私達の部屋は魔法で囲みますから護衛は大丈夫よ」

「有難う御座います奥様。ですが一応交代で2名立たせますから」



 ニルヴァーナ家女性陣は夕食の配膳時以外の出入りは無いので、お茶もお風呂も全員でまったり過ごして、今日の疲れを抜く事にしましたの。

 あ、旦那様のお顔が見たいです!

 私はソファーに座ってスフィアを取り出し魔力を流して待ちます。


『アーシャ、ターニャ、今日はどうだった?』


「はい、旦那様!お顔が見たかったのです!ギルドの方は問題無く。「あ、旦那様!実は”破裂の人形”がここで活動していましたので、彼女達に依頼を受けて貰いましたわ。問題無く集められる様です」」


『そうか、創神教はどうだった?』


「はい。家の騎士団の活躍で死者0の快挙で捕縛致しましたの!その、ブタ野郎あ、いえ。ブデラントが醜くて見るに堪えないのです!旦那様に癒して欲しかったのです!もう、最低だったのです!」


『偉く憤慨してるが?自分が標的だったから分からんでもないんだが』


「肉の部屋に乗り込んだら、アレです、女性達を、その、犯している真っ最中で……しかも私に欲情して!孕めと迫って来る始末!もう!もう!おぞましいったら有りませんわ!私達の身体に触れて良いのは旦那様只御一人なのですから!その後はデッカーたちがズタボロに。明日からの動きも支障は有りません」


『あ~それは、嫌なモノを見たね。被害の娘さんは大丈夫かい?』


「はい。身体も浄化して、後の処置は教会の方で責任を持って対処させてますので」


 その後30分程雑談をして会話を終了しました。

 カトリーヌさんは、まだ目覚めてないらしいのですが、心配は要らない状態らしいので安心です。

 機材も届いて、彼女の目覚め待ち。と言う段ですね。




 翌朝、スッキリとした目覚めで起きました。

 洗顔を済ませて取り敢えずお茶で頭をスッキリさせます。ここは女性だけだから安心。

 一頻り雑談をした所で身支度を整えます。

 朝食が運ばれて食事を済ませ、寛いでいたら部屋にノック音が。


「奥様、おはようございます。全ての準備が整いました」


「ご苦労様。では、参りましょう」



 正面に着けられた馬車へ行き、ユニコ達を撫でてから乗り込みます。

 馬車はスムーズに発車したので、談話室に移動して到着を待ちますの。


「アーシャ様?あの助祭殿は如何にも”頼り無い”と言った方ですが大丈夫でしょうか?」

「如何にも。だけど、此方の言いなりで楽ですわ」

「そうですわね。根は気弱で善良なのでしょう」

「神道者として頑張って頂かないと!ですわね」




 教会に到着したようで、談話室で待っているとデッカーが2人の男を連れて入室して来ました。

 1人は例の大人しい助祭殿。もう1人は?



「せ、聖女様、本日もご、ご機嫌麗しく。此方は、だ、代官様の、公官殿で、御座います。

 その、同行しなくては、後々の、問題がその、宜しく有りませんので、はい…」


「……そう。別にご機嫌は斜めですけれども、置いてあげます。

 公官、ねえ。まあ?他領ですから少しは配慮も必要。と、当初は考えておりましたけれども

 今回の”醜肉”の一件、お宅様も一枚二枚と噛んでらっしゃるわよね?私はそう、睨んでますの。

 コトブス村、きちんと管理されてます?ま、村長に詳細を聞かなくてはなりませんから、その辺りの事情も明るみに出るでしょう。ジェシカ?お茶を出して差し上げなさいな。

 デッカー。此処は女性だけですから、警護をお願いしますね。昨日のように破廉恥な行いを強行するやも知れません。公官殿は私の胸が気になってらっしゃる様ですから」


「はい奥様。我々と雷帝竜様が居りますれば、当家の女性には爪の先程も触れさせは致しません」

「お願いね」


「いえ……その、様なこと、は…」

「無いと?……股間が怒張していて説得力が有りませんわね?この状況で。

 まあ、小物を虐めても仕方有りません。全てを明るみに出し、それからですわね」

「まあ!奥様に何と言う…」

「はしたない」

「下劣な行為です」

「貴様、腰が浮いたら首が飛ぶと思え」


「私、下劣な者の相手ばかりで少々気分が優れませんの。

 ターニャさん?交代お願いしますね。ナターシャは一緒に」

「はい、奥様」

「おい!アーシャ奥様に着いておけ!」

「押忍!」


「まぁ!本当にお下劣ですわね?今度は私の股が気になるの?

 デッカー隊長?私、本気で身の危険を感じるのだけど……横に居て貰えるかしら」

「はい奥様。妙なそぶりを見せれば即座に切り捨てます。御安心を」

「え、ええ……頼りにしてるわね?皆も気を付けなさい?」

「おぞましいですぅ…」

「よ、鎧を着ようかしら」

「デッカー様!お願いしますね!」


「ま、まずいですよ!公官殿!何してるんですか!」

「ぐぬぬ」



 この後も、侍女やメイド達の臀部や胸ばかり凝視しているクソヤローの監視を続けてコトブス村に到着しました。

 連中に昼食など与えません!本気で犯されるかと思いましたもの。

 まだ3時前なので、村長宅を目指します。途中村人に聞いたので直ぐに分かりました。

 アーシャ様は本当に疲れたみたいで、到着までは私室で休んでましたわ。



「ここがカトリーヌさんの故郷…良い所ですのに」


「村長!王都から参ったニルヴァーナ伯爵家である!対応して貰おう!」


頑張っちゃいました。

お読み下さって有難う御座います。

評価やコメントを頂ければ今後に生かして行きたいと思います。


さら

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