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W・M・S (Warlock Magus System)  作者: 渡野さら
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第21話 アーシャとターニャの行軍

 王都を出発した私達は東正門から出て、パルハム平原を南に抜けながら街道を走ります。


「デッカー隊長を呼んで」


 会議室で地図を広げて隊長を呼び、手隙の皆の朝食もここに運ぶ様に頼みます。

 私、ターニャさん、神道女のパメラとエスタ。侍女のナターシャとエメラ。連れて来たメイドは

 キッチンメイドのメリヌ、ランドリーメイドのニース、パーラーメイドのジェシカ。女性は以上で、後はニルヴァーナ騎士団の面々です。


『デッカー!入ります!』


「奥様。ちょうど、雷帝竜様がお越しになりました」


 彼の両手に乗った雷帝竜様が”ぴゅいっ”と言いながら私の胸元に飛んで来ました。


「雷帝竜様、守護に来て下さったのですか?有難う御座います。愛らしいお姿も宜しいですわ!」

「きゅいきゅい」

「デッカー、手隙も呼びなさいな。食事はここに運ぶように言ってありますから」

「有難う御座います。奥様」

「まあ!雷帝竜様!お姿が愛らしいです!何時もその様ですと宜しいですのに!」

「「「「「「初めまして雷帝竜様。お館様、奥様の使用人で御座います」」」」」」

「でも、ターニャさんの言う通りですわ。うふふ。本当に愛らしくて、いつもこのお姿なら好まれますのに」

「きゅいーきゅいきゅい」{余りからかうな。我もお主達は好んでおるぞ}

「嬉しいお言葉で御座います。何か、お口にされますか?」

「ぴいぴいぴい」{肉を貰えるか?にく!}

「はい。用意させますのでお待ち下さいませ」

「雷帝竜様!あの、私も……」

「ぴゅい」{ターニャか、良かろう}

 小さな雷帝竜様がターニャさんに飛び着きました。


「あ~癒されます!このお姿でしたら、何時一緒でも構いませんのに」

「きゅぴ」{そうか?考えておこう}

「そうですわね。当家は敷地に林や泉も御座いますから、常駐頂けるかも知れませんね」

「きゅぴきゅぴきゅいきゅい」{問題無さそうだな。メルとも相談しておこう}


 先ずはメリヌが用意してくれた朝食を皆で摂って、紅茶を飲みながら作戦です。


「目的地はコトブス村ですが、領主も創神教も統括地はアルテンメルンになりますから、最短距離で真っ直ぐ向かいましょう」

「では、経由地としてナーフェルベント、アルテンメルン、そしてコトブス村ですな」

「ええ。ナーフェルベントは時間的都合で判断して貰って構いません。その為の要塞馬車です。邪魔者の排除も判断に任せます」

「了解致しました!」




 本日の進軍は問題無く進みまして、途中魔物が出みたいですが走りながら跳ね飛ばした様ですね。

 使用人やターニャさんも雷帝竜様と戯れて楽しそうでした。

 雷帝竜様のお姿が可愛らしくて……仕方有りませんが、一応この世界の最強生物なのですけれど。

 戯れてらっしゃるお姿は――――可愛い小動物にしか………ぷくく



 本日はナーフェルベントを通過した、川と林の近くで休む事にしました。

 ユニコーン達は離して、馬車の周りで休息しています。基本、ある程度迄の魔物ならユニコーンの気配が有るだけで近付いて来ないのです。

 まして雷帝竜様が居らっしゃいますから、安全安心確実!なのですが………


 私室のベッドで眠っている深夜。

 あ、雷帝竜様はターニャさんの胸に挟まって一緒に寝ているようですわ。

 騒がしいので目を覚ますと、剣戟が聞こえます。どうしたのかしら?

 慌ててターニャさんと侍女達が私の部屋に来たので、私だけ急いで着替えて様子を見に廊下へ出ると騎士隊長のデッカーが詰め所から出て来て向かってきます。


「お騒がせ致しました奥様。賊の襲撃です。当家の家紋に気付かぬ愚か者共でした。

 当家被害0、賊21名中、6名が死亡、残りは武装解除して縛って投げておりますので、お休み下さい」


「そう。ご苦労様でした。実働手当は付けて起きますから、ワインでも飲んで身体を休めなさいね」


「はっ!有難う御座います。おやすみなさいませ」


 部屋に戻り、皆に事情説明して解散しました。

 私も夜着に着替えてもう一度眠る事にしましたの。




 朝は6時に起きてナターシャと身嗜みを整えてからお茶を飲み、外に出てみました。

 ユニコ達が寄って来るので首を撫でてあげて、一緒に投げてある賊を見に行きます。


 野盗は野盗でも、少し身なりが良い様な気が。回収した武装を調べた方が良いのかも知れません。

 大きな都市の間でこれだけの野盗が討伐されずに活動出来ている?怪しいですわね。

 意識の有る賊が私を見ています。アレです。オークなどと同じ目です。

 女を性欲の対象として犯す事しか頭に無い、欲望の目です。おぞましいわ。

 あれ?一人居ない?ユニコ達を撫でて馬車に戻り、騎士団の詰め所に行くと、賊の1人を尋問中でした。


「おはようございます奥様。怪しいので尋問しておりましたが、賊では無く標的は奥様だったようです」

「やはりそうでしたか。黒幕が誰か割らない、と?」

「はい。そろそろ腕でも落とそうかと」


「ま!待て!言う!落とすな!」

「では早く言え。首を落とすぞ」


「…………創神教…………ブデラント…………司祭、様だ」

「察しは付きましたわ。目的は―――私の身体。ですわね?」

「奥様が聞いてらっしゃる!答えろ!」ドゴン!


「ぐう、そ、そうだ。自分の奴隷にしたい、無傷で攫えと……普段、攫う機会が無ぇから」

「神道に仕える者が、とんだ下種ですわね。旦那様のお耳に入れば国ごと無くなりますのに」

「貴様の所属は!?言え!」


「お、俺、たちゃ、野盗だ。ブデラント様に、飼われて、持ちつ持たれつだ。人攫いに殺し、何でもだ。お、おい!正直に話したんだ!助けてくれっ!頼む!なあ!」

「デッカー、この者達を倉庫に押し込んで連れて行きます。亡骸は旦那様の魔法の袋へ。準備が整ったら出ましょう。ですが食事と休憩は必ず取りなさい」

「はっ!了解しました!」



 困りましたわねぇ。ですが!お義母様の名を汚したのです!許し難し!必ず天罰を!

 ですが……目立つと旦那様の逆鱗に触れますしねぇ。どうしましょう。



 談話室に女性陣を集めて事情説明をして、朝食の準備に掛かって貰いました。


「不届き者に天誅!!で、御座います!」

「なんと恐ろしい事を」

「司祭がそのような不浄な謀を……」

「アーシャ様、流石に旦那様には御報告しなければ」

「そうなのですよねぇ。旦那様に秘め事など出来ませんし………あら?」


 腰に下げた袋から言珠スフィアを取り出すと、明滅しているので魔力を通して珠を見ますと


「旦那様!おはようございますわ!報告が御座いましたが、どうなされました?」


『うむ。妻達の無事な顔を見る為だが、今は大丈夫か?』


「はい。雷帝竜様も守護して頂いてますし、騎士団も頼りになっておりますわ」


『では、先に此方の話を。昨日の夕刻、研修からの帰り道でカトリーヌが意識消失で危篤に陥った。

 夜中まで治癒を掛け続けたが、死んでしまった。

 だが、俺が新たな力が発現してこの世に連れ戻す事が出来た。今は深い睡眠状態で眠っている。

 母さんの話によると、1度死んで蘇る事まで想定内だったらしい。まったく。

 そんな訳で此方は何も問題無い。カトリーヌ自体の事は安心してくれ。

 余談だが……カトリーヌはこの世界で役割が有るらしい。大切にしろと言われた。

 だから家族として正式に迎え入れる事にするから、2人共、頼むな』


「その様な事に……でも、良かったですわ!命の心配をしなくて済のですから。

 頼まれるのは構わないのですが、妻の1人。と、言う事でしょうか?」


『いや、それを直ぐに決める気はない。彼女の気持ちも有るし学校も有る。

 母さんとも、もう少し話てから決めたいと思う。それまでは妹の様な感じで良いのでは無いか?』


「もう、旦那様は乙女心に疎過ぎます。カトリーヌは恋焦がれておりますよ。うふふ」


『そうなのか?済まない。どちらにしても直ぐでは無い。色々と疑問が有るのでな。

 で、アーシャ達からの報告とは?』


 旦那様に隠し事は出来ません!ですから、包み隠さず事実だけをありのまま、お伝えしました。


『ふむ。潰すのは容易いが、遣り過ぎてもな。だが、アーシャを我が物の従属物にしようなどと、俺に対する挑戦状と同義だ。許す訳にはいかん。さて、どうするか。

 俺はこの後、ギルドと創神教の教皇に会いに行く。だから、アルテンメルンに着いたらギルドに行ってそのデブ?司祭の悪事を出来るだけ集めろ。ターニャが詳しいから任せれば大丈夫だ。

 で、そ奴は乗り込んで問答無用で捕縛しろ。村への同行その他は助祭にでも遣らせればいい。

 神殿本部からの執行官が到着するのも2日は掛かるだろうから、その間にコトブス村を往復出来れば時間的にも良いのではないか?

 冒険者~教会の新設。当家への賠償まで、費用はそのブタの没収財産で賄えば皆が笑顔で解決だが、どうだ?

 不安が有れば俺が向かう。ルーダなら1日の距離だ』


「はい。では旦那様のご提案で行動に移ります。お手を煩わせて申し訳有りません」


『妻の為だから動くのは当然だ。何か有れば直ぐに伝えてくれ。他は無いか?』


「有難う御座います。後は私達で頑張ります。ね?ターニャさん?」

「ええ!お任せください旦那様。「お慕い申しております」」


『ああ、俺もだよ。ではな』


 言珠が暗くなり会話が終わりました。ちょっと寂しいです、旦那様。



「旦那様は頼りになります」

「そうですねアーシャ様。私達も上手く乗り切りましょう!下種に天誅を!」

「「「「天誅を!!」」」」


 食事が終わって人心地着いてから、デッカーを呼んで貰い作戦を説明しましたの。


「そうですな、奥様を狙うなどと当家への挑戦と変わりません!して、問答無用はどの程度で行いましょうか?」

「捕縛は絶対ですが、むやみな暴力や殺害はなりません。あくまで、歯向かう者のみです」

「了解しました。犠牲者は少ない方が良いでしょうから」

「ただ……此方の人数は大丈夫かしら?怪我はなりませんよ?当家の者は皆、家族ですから」

「御心配にはおよびませぬ。過剰な位です。私1人でも可能ですから御安心を。

 お館様の扱きに比べれば、近衛相手でも可愛いモノです」


 そう言ってデッカーは退出しましたが、旦那様。

 雇用入団条件が厳しかったのは存じてますが、一体彼等に何をしたのでしょうか………



 その後の日中は順調に南下しまして、お昼はミュルツ川支流のほとりの草原で屋外ランチを皆で。

 ユニコ達は嬉しそうに跳ね回り、草を食べてました。


 午後3時にはアルテンメルンに到着です。さあ、行動開始ですわ!


皆様がお読み下さってますので

頑張ってみてます


もう少しストックも欲しい……


さら

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