第17話 妻と屋敷とカトリーヌ
つたない文章を、多くの方に読んで頂き感謝しています!
食事の後、食堂が凄いとか豪華な夕食は初めてだとか、興奮していたが。
皆でお茶を飲みながら談笑していて、さあ風呂に。と言う時にカトリーヌが固まってしまった。
「カトリーヌ。何も心配有りません、私に任せなさいな」
アーシャはカトリーヌの背中を撫でながら優しく言うと、立ち上がらせて手を引いて出て行った。
ふう。あの娘も大変だな。自分が生まれた、生きてる意味さえ分からない、でも逃げ場は無かった。女の子だし余計だな。あれではスラムの孤児と扱いが変わらないぞ………だが、ありふれた話だ。
俺は自分に出来る事をやるだけだな。
浴場に行くとバスメイドが待機していた。そう言う事か。
メイド2人に洗って貰い、ゆっくりと湯に浸かって風呂を出た。やけに念入りだったのは気のせいか?
女性風呂では--------------------
「はい、服を脱いで?どうしたの?」
「あ、あの、わた……」
「さ、さ、はい。脱がないと入れませんわよ。よいしょっと」
「これは、、ひどいわ」
「!!」コクン
「辛かったでしょうね。今は女だけですから安心して」
ミミズ腫れになってるのね。これなら治せそうね。
浴場に入り、椅子に座らせて彼女の腕を撫でながら【治癒】を掛けてみる。
思った通りに綺麗に消えるわ。旦那様に習った癒しなら大丈夫ね。
「あ、あ、痕が、消えて……」
「凄いです、アーシャ様」
「!!」コクンコクン
「さあ、全身消してしまいましょうね」
「ありが、とう。ございます、ぅう、ぐすっ」
カトリーヌの傷を綺麗にした後は4人で洗い合って湯に浸かり親睦を深めました。
・この屋敷では旦那様をお館様と呼ぶ事。皆が旦那様を尊敬し、敬意を払っています。
・それ以外の呼び方が許されるのは妻の私達だけです。
・基本的に学校の座学や実地研修は受けなさい。研究はそれ以外の時間で良い。
・別館に私室と研究室を用意します。必要な物は言いなさい。全て用意します。
・通常の木綿では無く、新しい繊維や違う製法や用途を考えている事。
・学校を卒業した後も研究、開発員として働いて欲しい。選ぶのは自由です。
・給金は月額金貨3枚。商品化したら倍、後はその後次第で。
・お母様とは、その内会えるように段取りを付けます。
・移動は必ず屋敷の馬車を使いなさい。もう、この屋敷の人間と見做され拉致などの危険性があります。
「それから、アレは最後までされて無いのよね?」
私は気になっていた事を聞いてみたの。
「あ、わたし……殴られて、意識が無い、時もあるので。良く、分かりません」
「そう………ん、ちょっとごめんなさい?――――」
女の子相手に酷過ぎる。私は彼女の股に手を伸ばして―――
「え?あ、んぅっ」
「大丈夫みたいですわね。良かったわ。ちゃんとお嫁に行けます」
「で、でも。男性が、ちょっと、怖いです」
「あら、旦那様は大丈夫なの?」
「あ、あの!えいゆ、お館様は、尊敬してます!ずっと、憧れてて、その、えっと……」
「あらあら、うふふ。ほどほどにね」
「それは仕方ないですわね」
「…」ウンウン
「のぼせない内に出ましょうか」
脱衣所で、彼女の身体を拭いてあげながら思ったの。
確かに、成人女性にしては、胸は普通だけれど身体は小さいわ。恐らく、暴力と言葉で虐げられて来た事が成長を阻害しているのでしょうね……
カトリーヌをメイド長に任せて、確り眠る様に伝えました。
私達は旦那様の私室に行って可愛がって貰うのです。
村娘は助けて、妻を放置はいけません。お忙しいでしょうが御勤めは果たして頂きますわ。
カトリーヌ--------------------
今日は人生で最大の激動の1日でした。
何故って?母さんが村から逃がしてくれて、王都で宛ても無く彷徨いながら目にした冒険者準備学校。
入れば取り敢えず、食事と寝る所に困らないから。
あのままなら、娼館行きは確実だったと思う。
入学2日目にして、大陸最強の冒険者!大貴族にして救国の英雄!魔人のメルツェリン・ニルヴァーナ様が教室に入って来たの!感動し過ぎておしっこ漏らしちゃいました……反省。
しかも私の粗相を咎めもせず服と下着まで出して下さって、情けなくて涙が止まりません。
その後も何かと目を掛けて頂いて、感激と緊張でまた漏れそうです。
授業が終わり、優しく私の事情を聴いて、慰めて頂いて恐縮です。英雄様に申し訳ないです。
その後も私を連れて買い物を山の様にして、着いた先が広大な敷地の巨大なお屋敷でした!もう、腰が抜けそうで……
玄関の前に綺麗な奥様?と使用人の人達がズラリ!と並んでお出迎えって―――改めて凄い人なんだと実感させられました。
凄く奇麗な奥様が、優しく挨拶をして下さって、この方!聖女様です!!凄い!本物は美人過ぎてお人形みたいですよ!
2人の奥様も綺麗で優しくて、でも、話易くて柔らかい感じで接して下さって。
暫くすると英雄様と聖女様が入って来て、一緒にお話してくれて。
私と母さんを助ける為に聖女様がわざわざ動いて下さるなんて………信じられません。
食堂がまた、広くて豪華でお城のホールかと言われても分からないような場所で、高そうなテーブルに豪勢な夕食が沢山並べられてて。
あんな料理初めて見て、初めて食べました!何を食べたか良く覚えてないんですけど。
お風呂が驚きでした。お風呂にもメイドさんが居て、私が固まってるからか、奥様達だけでお世話をしてくださったんです。
しかも、聖女様が奇跡の魔法で!私の身体の鞭の傷痕を消してくれたんです!凄いです!
今はメイド長さんに案内して貰った、私の部屋?のベッドで横になってるんですけど、大きくて、天蓋付きって言うんですか?お布団もフカフカでスベスベで、お部屋も豪華でお姫様になったみたいです。
実は、夢見てたんです。あの、地獄の家から、いつか王子様が、し助けに来、てくれるって。夢、見てました。
現実はちょっと、違うけど。でも、今までの地獄も、これから送れるだろう、幸せな日々の為。だったのなら、仕方無いのかな?
だって、夢に出て来る英雄様。その人が、お城に連れて助けてくれたんだもん。
幸せに、なりたい。ううん。なるの。これから。
だから、頑張ります。
もう、夢じゃないの。
おやすみなさい、英雄様。大好きです。
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すっと目が覚める。朝5時。
昨晩は妻達の猛攻に遭い、返り討ちにしたが体調は大丈夫だろうか?
俺の両側で眠る妻達を見ながらステータスを調べるが、異常無しだな。
其々の頭を撫でてやり、ベッドを出て布団を掛け直す。と、腕を掴まれた。
アーシャがうっすらと瞼を開けて見ている。
仕方ないので、軽く抱き締め口付けを交わす。と満足そうな表情だ。
「おはようアーシャ。鍛錬と見回りに行く。まだ早いから寝てなさい。アーシャも疲れているのだから」
渋々と言った感じで、手を引っ込めて瞼を閉じた。
眠ったのを確認して顔を洗いに洗面所に行き、自室の衣装室に行く。
「おはようマリアンヌ。君は何時寝ている?朝は構うなと言ったろ?実際、体調が崩れたら困る」
「おはようございます、お館様。お館様のお世話が出来るのが喜びですから」
「いや、有難いが最低6時間は睡眠を取れ。全員だ」
「えっ?そんな」
あれ、何だかガックリしてるぞ?間違えたか?
「いや、早く寝れば問題無いだろ?」
「そうですわね。そう、致します」
「そうしてくれ。睡眠不足や無休の者が居ない様にしてくれ。お茶を貰えるか?ああ、2つだ」
「はい。すぐに」
こうしてお茶を飲みながらマリアンヌと雑談を交わす。
小さい疑問や問題、不満、要望、日々少しづつ話して聞いておく。
「夏季に泊まりで海や普段行けないような場所に慰安旅行も良いかも知れんな」
「奥様とも御相談して、希望が有れば纏めます。宜しいのですか?」
「?何がだ?」
「使用人の私達と旅行などと……いえ、有難いのですが」
「構わん。辺境地でも宿泊は何とか出来るし町ならホテルを1棟借り切れば済む。問題無い」
「はい。ではそのように。あ、あの、本日の新調、有難う御座います」
「気にするな。必要な処置だ。ドレスや平服も頼んでおけ。遠慮はするな―――妻達とジェームズしか知らんが、この国を買える程の資産が有る。心配いらない。見回りと鍛錬に行く」
「…………は、は?はい!」
驚かせ過ぎたか?だが珍しい表情が見れたな。
こんな冒険者崩れの男に、皆着いて来てくれるのだ。待遇は手厚くしたい。
別館に行き、生体感知でカトリーヌを探す。
部屋の前まで行って異常が無い事を確認してから中庭に出る。
「「おはようございます!お館様!」」
「ああ、おはよう。巡回ご苦労様」
フルプレートメイルに剣を腰から下げている彼等はウチの私設騎士で警備を担当している。
邪竜討伐後、あまりにも士官の希望者が多く、雇用条件に俺の特別訓練に耐えれる者だけ。としたのだが――――こいつ等、本当に耐えやがった。
完全な脳筋、自分虐めが大好きなドM、いや、ただのアホだな。
最終試練は全員でアルマンド山脈を越えて、ドラゴン狩りだぞ?喜々として参加したもんな。アホや
その後も日々、俺と鍛錬を続けて屈強の騎士だ。総勢60名。
間違い無く近衛騎士団より強いだろう。内緒だ。
完全に、人間の枠を超えたな。ようこそ、こちら側へ。
「お館様。一手、お願い致します」
「ああ。2人同時に来い。―――始め!」
ギン、ギギン、ガァン、ギン、ギン、
中々良い打ち込みをする様になった。人外確定だな。くくく
だが、まだまだだ!そらぁ!!
ギギギギギン、ガガガンンドゴン、ゴン。
「もう一手行くか?」
「「「「是非に!」」」」
あれ?4人になってる?ま、いいか。
そらそらそら!どうした!速度を上げるぞ!
ギギギギャギャギャギャンン、ドン、ドン、ボゴン、ドン。
「「「「「「「「まだまだ!」」」」」」」」
「ほう、俺も乗って来た。ソウルイーターを出してやる」
当然、峰打ちで能力封印でだ。
鞘からすぅ~っと、長大なソウルイーターを抜く。
奴等も表情が更に引き締まる。あれ?増えてないか?ま、いいか。
「いくぞぉ!」「「「「「「「「押忍!」」」」」」」」
開始から40分後。
俺の目の前には21人が荒い息で横たわっている。あれ?増えてないか?
いや、そもそも巡回警備中じゃ無かったか?使いモノになるか?
すると周りから一斉に拍手が鳴り響く!交代勤務、早番、起きた者が見学に来ていた。
「お館様の模擬戦闘訓練は見応えが有ります!久しぶりに拝見出来ました」
ジェームズがタオルを持って近付いて来る。流石だな。
「すまないジェームズ。いい運動になったよ。汗を流して来る」
見学に来ていた林の教会の神道女達が治癒の魔法を掛けているのを横目で見ながら浴場に向かう。
脱衣所に入ると妻達がガウン姿で待っていた。どうやら一緒に入るようだな。
4人で仲良く身体を流し合い、寄り添って湯に浸かる。
平和で幸せだ。維持する為にも頑張らなくてはな。
3人の幸せそうな笑顔を見ると、不思議とこちらも笑顔になるんだよな。
「旦那様、昨晩可愛がって頂いたのは嬉しいのですが、朝から熱が入ったようですね?」
「珍しいですね?旦那様がソウルイーターを使うなんて」
「………」うんうん
「夜の3人が美しくてね。余韻が残っていたかな?ステータスは見たが身体は大丈夫か?」
「はい。愛情を沢山頂きましたから」
「ええ。優しくして頂きましたし、凄く嬉しいです」
「…………」
ソニアにしては珍しく抱き着いて来た。喜んでいるなら何よりだ。
「まあ、ソニアさんには珍しいですわ?ターニャさん、私達も!」
「ええ、アーシャ様!えいっ!!」
何だか生娘の様な感じだが、偶にはいいのだろう。
湯から上がるとバスメイド達が一斉に群がって拭いてくれる。
夫婦4人だからメイドも4人。彼女達の仕事は湯浴みの世話と施設の維持管理だ。主に妻達の。
ガウンを羽織ってそのまま4人で衣装部屋に行き着替える。
侍女のナターシャ、クラリス、エメラ、そしてマリアンヌが待機している。
其々ドレスを着て髪の毛を整えているが、化粧はきっちり施している。マダムの一派が大挙して来るからだろう。
身嗜みを整えて居間に行き、ゆったりとお茶を飲む。朝食には少し早い。
するとノック音がして、メイド長がカトリーヌを連れて来た。
「お、おはよう、御座います。おやかたさま、おくさま」
「おはようカトリーヌ、良く眠れたか?」
「「おはよう」不自由は無いかしら?もう少しで朝食だからお座りなさいな」「……」コクン
緊張しているのか、赤い顔でソファーに座ったカトリーヌは紅茶を一口飲む。
妻達は、そんな様子を微笑ましく見ている……ふむ。なら、黙っていよう。
「カトリーヌさん。本日の学校が終わって戻って来てから、研究室予定の部屋で色々と説明をしますね。私とターニャさんは数日留守にしますから、旦那様かジェームズに必要な機材等を都度、手配して貰いなさい。身の周りはマリアンヌかメイド長に言えば構いませんから」
「はい、おくさま。あの、あ、ありがとうございます」
「いいのよ」
準備が出来たので食堂に移動して朝食を貰う。
俺はパンとサラダ、ウインナーに紅茶。女性陣は違うメニューだ。
カトリーヌもオロオロしてる以外は問題無さそうだ。
少し食休みしてからカトリーヌと屋敷を出る。
馬車に乗り、俺の隣でちょこん。と、座っている。丈が長目、長袖でシックで上品な感じのワンピースにショートブーツ。
手提げにはテキストとペンが入っているのだろう。小さな両手を膝の上に乗せて少し俯いた顔はほんのり赤い。
本当に小さくちょこん。と言った感じだな。ステータスを見た。
状態:衰弱→身体情報
身長:1,47メートル
体重:35キログラム
胸囲:0,76メートル
腹囲:0,50メートル
腰囲:0,68メートル
ふむ、正常に見えるがどうした訳だ?身体が小さいのは遺伝か?痩せ過ぎでは無いが、細いな。栄養を摂らせんとな。
身体情報→精神
精神力:3/42(99)
精神波:微弱
精神状態:軽度の緊張
精神:危険→長期間の肉体的・性的暴力により精神破綻目前
いや、3だと?不味いだろ。精神破綻を起こすぞ?目が離せんな。
これって身体にも影響無いのか?
「カトリーヌ。目を瞑り、そのまま大人しくしていろ。長期間の暴力で身体に異常が無いか調べる」
「え?あ、はぃ。あっ、ぁの、手。触っても、ぃぃですか?」
「ああ。じっとしていろ」
恐る恐る、俺の右手にカトリーヌの小さな左手が乗る。耳まで赤いな。照れていたのか。
身体情報→
骨格:栄養欠乏と精神負荷により骨密度希薄
循環器:栄養欠乏と精神負荷により血管壁厚希薄・心機能低下
神経:栄養欠乏と精神負荷により欠損途絶過多・反射機能低下
消化器:栄養欠乏と精神負荷により機能低下・内出血量増大傾向
各臓器:栄養欠乏と精神負荷により機能低下・内出血量増大傾向
生殖器:栄養欠乏と精神負荷により機能低下・内出血量増大傾向・月経停止
脳:衝撃過多と精神負荷により細胞壊死・脳幹損傷
もういい。これは駄目だ。手遅れになる。
俺の治癒を徹底的に掛けておこう。駄目なら母さんに頼む。
カトリーヌの小さな身体を包む様に抱き締めて、身体の内側に届く様に治癒を掛け続けた。
驚いて、熟れた林檎みたいに真っ赤だが、学校に着く迄掛ける。
「カトリーヌ。お前の内部は衰弱している。治癒を掛けているから着くまでじっとしていろ」
「ふぁぃ。し、しあわ、せ。です」
何だかダラダラとした展開で済みませぬ。
努力してはいるのですが・・・
何とか執筆も進める事が出来ております。
更新は木曜を守りたいと思っていますが
土、日、月辺りも可能な限り更新していきたいと思ってます。
沢山の方に読んで頂けて、只々驚いています。
仕事と体調と相談しながら執筆を進めて参りますので
応援して頂ければ幸いです。
さら




