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W・M・S (Warlock Magus System)  作者: 渡野さら
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第11話 アーシャ4

 

 余程疲れたのか、アーシャはずっと寝ていた。

 寝ている間にも治癒は掛けてステータスの確認もした。

 結局アーシャが起きたのは朝5時だった。



「ぅん?…ぁ、おはようございます、メル様。今は何時でしょうか」


「おはよアーシャ。朝の5時といったとこだ。今、お茶を出す」


「え―――?私、そんなに。起きていらしたのですか?」


「ああ。疲れていたのだろう。済まなかった。俺に睡眠は必要無いから気にするな。さ、飲んで」


 アーシャを上半身だけ起こしてから、ティ―カップを渡す。

 この後の希望を聞くと風呂に入りたいらしいので、浴槽に湯を張る。アーシャが入っている間に朝食の準備をすればいいか。



 朝食か。ソニアとターニャも朝は軽く少なかったな……

 BLTサンドとヨーグルト、果物を切り分けておくか。

 テーブルに運んでアーシャを感知すると動いてない?ん?倒れてるのか?急いで浴室へ向かう。


「アーシャ?大丈夫か?」



 返事が無い。少しだけドアを開けると横たわる足が見えたので急いで入る!



「ぅぅ………ぁう」



 全身を見ながらステータスを調べる。

 全身状態:衰弱のままだが

 臀部:衝撃(強)出血と

 頭部:衝撃(強)混濁

 え?やばくないか?急いで頭に【治癒】を掛けてお尻にも【治癒】を掛ける。

 股から出血してる?ステータスを詳しく見る。

 臀部の衝撃(強)による外因性内部出血

 と出たのでステータスを見ながら【治癒】を下腹部に掛ける。子宝の場所だといけないので念入りに。

 よし。臀部と頭部は正常に戻った。一応洗い終わってはいた様なので、出血だけ洗い流し、タオルで包みながら俺の温風魔法で身体を撫でて乾燥と体温保持を行う。

 焦ったぞ。何事かと思った。安静に寝ていれば大事無いだろう。


 ガウンを着せてから、布団とシーツを替えてベッドに寝かせる。

 頭部の打ち身も後が怖いので、今日は着いていよう。本人も不安だろう。




 アーシャが目を覚ましたのは3時間後だった。


「ぅ…………ぁっ、んぅ…わたくし―――いったい。あ、メル様。起きていらしたのですか?」


「ああ、心配いらない。身体に違和感はあるか?」


「…いわかん?そうですわね―――何だか、身体がおもいのです。特に……あたまとおなかが。どうかなさったのですか?」


「いや、眠っていろ」


「なにか、あったのですか?」


「―――覚えてないのだな。ふむ。

 アーシャは一度、朝5時頃に目覚めて、お茶を飲み風呂に入った。

 俺は朝食の支度をしてからアーシャの気配を探ったら動いてなかったのでな、声を掛けて返事がないから中に入ると倒れていた。

 頭は打った衝撃で混濁。臀部も強く打った様で、大切な場所から出血していた。

 詳しく調べながら治癒を掛けておいたから、安静にしていれば問題無いはずだ」


「ぇ――――そんな」


 両手で口を押え、小さく震え出したアーシャの頭を撫でて落ち着かせる。


「大丈夫だ。細かく調べながら治癒を掛けたから問題無い。子宝の場所は念入りにしておいたから安心していい。不安なら話すが、俺は人間族では無い。魔人族だ。人だとは思っているが。

 魔人の能力の1つに、任意の相手の身体情報や能力が数値として見る事が出来る。

 だからアーシャの事も詳しく調べたから大丈夫だ。心配なら母さんに見て貰おう。女同士だしな。

 母さん、アーシャを診てくれないか?」



「はいはい。甘えん坊のメルちゃんのお嫁さんですからねぇ、診てあげますよぉ」


「え?あ、え――?い、そ?う、せい―――さま…」


「あらあら、アーシャちゃん。大丈夫?会うのは2度目ね?お義母さんですよぉー」


「え、え?なんで、え?あれ?わたし、おかしく。あれ?」


「駄目ね。正気に戻しましょう!ほいっと」


 何やら手を振ると精神混乱が正常に戻った。


「あ、あの!こ、こ、この様な、恰好ですすすみません!お義母様。あ、創世神様、え、お義母様」


「うんうん。よろしいよろしい。じゃ、アーシャちゃん!ちょぉっとお義母さんに診せてね?」


 母さんはアーシャの頭を触っていたが異常無し。胸やお腹も触っている。『ちょっと子宮が傷付いてたけどもう大丈夫ね』とか言っていた。


「大丈夫なんだけどぉ、私も孫が見たいから今回は特別でぇす!怪我を無かった事にしまっす!ホイ!」


 アーシャの身体が銀色に一瞬光った。それ以外は変化無い。


「ん?母さん、どうなんだ?」


「ん?無かった事にしたわよぉ?特別なんだからぁ。あ、衰弱状態はダメよぉ?あれは我慢して頂戴ね?理由がありますからぁ」


「あ、えっと、え?身体が……あ―――有難う御座います、お義母様!創世神様!さま?」


「うんうん。も、ダイジョブね。アーシャちゃぁん、お母さんでいいわよ?嫁なんだからぁ」


「はぁ、はい。お義母様。?創世神様、で、在られます。よね?本当に、その、メル様とあの、親子で、母親が、その、混乱、して気マシたぁ」


「落ち着きなさい?はい、お紅茶よ。飲んで、気持ちを、落ち着けて。そう。

 あのね?私が、貴方達が神と呼ぶ創世神、なの。ここまでは良いわね?

 で、メルを産んだのも私なの。O.K?あ、理解、出来たかしら?

 あ、もう大丈夫だからソファーに座ってお話しましょう?はぁい、お母さんの手を取ってぇ、そう。ゆっくり歩くのよぉ?うん。いい娘ね?あ、メルちゃんお茶とお菓子貰えない?

 はい、膝掛けね。えーっとぉ、そう!メルちゃん産んだのは私なんだからぁ、お母さんって、呼んでねぇ?他の人には創世神!どうかしら?

 あっ、でねぇ?アーシャちゃんを呼んで加護をあげたけど、誰でもいい訳じゃぁ無いの!ちゃぁんと理由が有るんだから、変な贔屓とかじゃないのね。でも、アーシャちゃんがメルの事を気に入ってくれたらいいのになぁって思ってたから、この結果は満足よぉ!

 やっぱり娘も欲しかったしぃ、こぉんな可愛い娘!お母さんは嬉しくってね!分かる?男の子ってぶっきら棒で物足りないのよぉ。

 そりゃぁ、赤ちゃんの頃は玉のようですんごぉく可愛いくってね?寝顔は天使だったわよぉ?

 今ではこんなにごっつくなっちゃって、あ!でも今もカワイイわよ?寝顔は昔と変わらないしぃ」


「母さん。アーシャが固まってるんだが」


「え?そうなのぉ?おかしいわねぇ。にしたけど、間違えたかしらぁ?」


「あ、いえ。え?その、う、う、うう」


「「う?」」


「嬉しいです!!崇拝してお慕いする創世神様がメル様の御母堂様!私のお義母様なんて!世界一の幸せ者です!愛する旦那様とそのお義母様!あぁ!いい響きです!お義母様!怪我も治して頂いた事ですし、私頑張って旦那様との丈夫なお子を産みますから!うん。わたくし、がんばる!むん!」


「アーシャ?まだ婚約もして無いんだが。少し落ち着こう」


「へっ?わ、あ、私ったら嫌ですわ、舞い上がってしまいまして…申し分け有りません、お義母様」


「うんうん。いいのよぉ?アーシャちゃんがその気ならぁ、私も嬉しいし!お母さんは大賛成ですからね!……アーシャちゃんの御両親はどうなのかしらねぇ?ま、なるようになる!か。メルちゃんはどうなのぉ?」


「俺か?いや、アーシャが良ければ嬉しいと感じれるが、ソニアとターニャをどうするかな。と」


「え………メル様?どちらの、女性、で…」


「メルちゃんは厨房でおつまみ用意して頂戴。お母さんが女同士の大切なお話をします」


「え?ああ…………分かった」


 追い遣られた俺は厨房でどうするか悩んだ。

 アーシャは朝食もまだだし、ワッフルを厚目に焼いて生クリームと果物を添えるかな?

 30分後、テーブルに並べた時の表情を見て、正解だったようだ。

 食べ始めて数分、アーシャが切出した。


「メル様、いえ、旦那様。家の事、特に”奥”を仕切るのは正妻で有る私の仕事。お任せ下さいまし。

 旦那様の手は一切、煩わさせません。王都へ凱旋し、私の実家で挨拶だけお願い致します。取る足で旦那様のお屋敷へ入り、即日。私が”家”の一切を仕切りますのでご安心下さいまし。

 ソニアさんとターニャさんのお2人ですが、私達の婚姻後に正式に側室として入って頂きます。

 旦那様の褒章の内訳に爵位が御座いましたが、これは御受け下さい。国内貴族の柵が発生しますが、私達の名前で突っぱねてもよろしいかと。お義母様もお力になって下さいますし、爵位の前に”名誉”を付けて頂ければ尚、宜しいかと存じます。そうなれば国の客人扱いになりますから。

 貴族でも法衣の下級爵位ならば冒険者や商人紛いの方も居られますので問題有りません。

 平民で有ればお2人の立場が不安定な”妾”になりますが、貴族で有れば確固たる妻として、社会的地位が確立されますので是非に。

 それに旦那様の様な英雄には何人もの妻が必要です。此れからも増える可能性は高いので余計にお勧め致します。私も貴族の女ですから、女の1人や2人で物事申しません。大丈夫です。皆が不満の無い様に操縦致します」


「…………あ、ああ。分かった…………いや、話がかって」使用人の件もお任せを。身元に信用の置ける者でなければなりません。英雄で有る旦那様に仕える者達なのです。派遣で来たアルバイトでは大物の来客時に恥を搔くのは旦那様ですから、厳選しなければなりません。本来であれば譜代の家臣と言う事になりますが、王都のニルヴァーナ家は今からですから余計に選ばなくてはなりません」


「いや、アーシャが」家を仕切るのが”奥”それを仕切るのが正妻の私です。今はこの状態ですが、口と頭は動きますから問題御座いません。全快しましたら、旦那様に着いて修行です。お義母様のお力も使い熟せなければなりませんし、ヤル事は多いのですが精進致しますので、不束者ですが末長く可愛がってくださいまし」


「あ、いや、此方こそお願いします」


「うんうん!やぁっぱりアーシャちゃんでぇ、正解よね?話も纏まったし、後は2人で仲良くねぇ?アーシャちゃんも何時でも呼んでいいからね?婚約のお話はお母さんも同席するから!またねぇ~」



 母さんは銀色の光の粒子になって消えた。何だったんだろうか………



「アーシャ、良いのか?その、諸々」


「お義母様からお話は伺いました。私は旦那様のお傍で一生お支え致します。可愛いお子も産みます。ソニアさんやターニャさんもです。それで良いのでは?旦那様は他の女性が宜しかったのでしょうか……」


「そんな事は無い。ただ、あっさり決めてアーシャが大丈夫なのか心配なだけだ」


「私は幸せです。それだけです。不思議ですが、旦那様とは運命を感じてしまいます。神様で有る、お義母様が言うのですからそれこそ、遥か昔から決まっていたのかも知れません。それで良いと思います」


「アーシャが言うならもう何も言わない。俺の傍に居ろ、アーシャ」


「はい、旦那様!うれしいです!」







突然暑くなったり涼しくなったり、体調は大丈夫ですか?

お身体には十分に気を付けてください。


話が昔だったり現在だったり飛びますが、なるべく分かり易くしたいとは思います。


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