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この体、男子ですけど何か?  作者: 蒼狐


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第20章 成功の余韻

プロジェクト成功から3日後。


営業部では久しぶりに明るい雰囲気が戻っていた。


部長から「今日はみんなで軽く祝おう」という声がかかり、近くの居酒屋でささやかな打ち上げが開かれた。


「山田、今回は本当に助かった!」


「悠真、MVPだな!」


ジョッキが何度もぶつかり合う中、私は照れくさそうに笑っていた。


佐々木が隣でからかうように言う。


「事故で死にかけたおかげで、かえって冴えたんじゃねえか?」


「そんなんじゃないよ……」


美咲は少し離れた席から、ずっとこちらを見ていた。

目が合うと、嬉しそうに微笑んでくれる。


二次会が終わり、店を出た後。


「山田さん、少しだけ……いいですか?」


美咲が小声で私を呼び止めた。


二人で夜の街を少し歩いた。


「本当におめでとうございます。山田さんが頑張ってる姿、見ていて私も嬉しかったです」


「美咲が支えてくれたおかげだよ。本当にありがとう」


彼女は少し照れながら、でも真剣な目で私を見上げた。


「山田さん……最近、遥香さんのこと、気になってますか?」


突然の質問に、足が止まった。


美咲は寂しそうに、でも優しく続けた。


「勘違いかもしれないですけど……山田さん、時々遠い目をしてるんです。

昔の人のことを考えてるような……」


私は言葉に詰まった。


美咲の優しさが、胸に痛い。


「美咲……俺は今、すごく迷ってる。

お前みたいな優しい子を、傷つけたくない」


美咲は静かに微笑んだ。


「私は大丈夫です。

山田さんが幸せになれるなら、それでいいんです。

でも……少しだけ、私のことも考えてくれていたら嬉しいです」


その夜、マンションに帰った私はベランダで夜風に当たった。


成功の喜びと、人間関係の複雑さが混ざり合っている。


仕事は上手くいった。

でも、心はまだ完全に満たされていない。


「この体、男子ですけど何か?

今日は、成功を祝ってもらえて嬉しかったけど……恋愛は本当に難しいです」


二人の女性の顔が頭に浮かぶ。


私はまだ、答えを出せていない。

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