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「神獣と妖怪とサン・ジェルマン」(セーラー服と雪女 第29巻)  作者: サナダムシオ


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⑤ 新しい仲間

 白澤はゆっくりと香子に近づいて行き、彼女に寄り添うように隣でお座りした。他の皆は、ただ唖然としてソレを見ていた。


 彼の能力は、万物(特に鬼神や妖怪)の知識と、それらに対処する方法を、主として選んだ者に授ける事だったはず。元々勉強熱心な彼女だから、鬼に金棒だな。シバ神となった鷹志も、ちょっと羨ましく思えた。


「主よ。ワシを眷属として認めるか?」

「い、いいわよ、喜んで。」

 香子はまるで居酒屋のスタッフのような返事をした。

 彼女自身、白澤が何なのかを、知らない訳ではなかったからだ。


「では今後、用が有る時は、いつでも心の声で召喚してくれ。ワシは戸隠神社で待機しておるからな。」

 白澤はそう言うと、満足したように消えてしまった。


「いいなあ、お姉ちゃん。これでメジェドに続いて、二体目の眷属じゃない?」

 由理子が、羨ましそうにそう言った。


「いやいや、メジェドは今や、人類みんなの眷属になったのでしょう?」

 香子はそう返した。

「それに貴女には、あの大きなお友だち、怪鳥ケツアルコアトルスが居るじゃない。私のチカラは、せいぜい植物を操るくらいだし……まあ霊獣の乱用は、しないように気をつけるわ。」

「流石はお姉ちゃんね。」


 そんなこんなで、その場はお開きとなった。

 皆それぞれ解散し、帰路に就いた。

 最後にその場に残って居たのは、サン・ジェルマン伯爵、村田京子、真田雪子の三人だけだった。


「動物の神様を探し始めたら、ついに向こうからやって来たわね。」と雪子。

「少しばかり、出来過ぎている気がするわよねえ?」と京子。

「まるで我々の動きを、どこかで誰かが見ているようですね。」と伯爵。

「どうせまた、フルカネルリ卿のウアジェト女王の差し金でしょう?」と京子。


「あと1年半後に何が起きるのか、何だか楽しみになって来たわ。」と雪子。

「私たちはもう、伯爵のチームの一員なんだからね。くれぐれもスタンドプレーは慎んでよね?」

 と見た目は永遠の23歳の、京子が言った。

「大丈夫ですよ。雪子さんの見た目は永遠の17歳ですが、中身はもう立派なオトナだ。昔のような無茶な事はしませんよねえ?」と見た目は永遠の35歳イケオジの、伯爵がそう言った。


 するとその場の三人は、一瞬の沈黙の後、まるでお笑い芸人"オードリー"の若林と春日のように、「えへへへへ」と笑い合った。因みに彼らが、M-1グランプリで、敗者復活から準優勝まで行くのは、この時点から11年後の事である……未来のお笑いの情報も、こっそり仕入れている三人なのであった。

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