表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「神獣と妖怪とサン・ジェルマン」(セーラー服と雪女 第29巻)  作者: サナダムシオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
26/30

㉖ 彼の顛末

 スフィンクスを倒したオイディプスはテーバイの王となった。そして実の母であるイオカステーを、そうとは知らずに妻とし、2人の男児と2人の女児をもうけた。


 オイディプスがテーバイの王になって以来、不作と疫病が続いた。クレオーンがデルポイに神託を求めたところ、「不作と疫病はラーイオス殺害の穢れのためであるので、殺害者を捕らえテーバイから追放せよ」というお告げを得た。


 そこでオイディプスは、過去に遡って調べを進めるが、次第にそのあらましが、自分がこの地に来た時の、ポーキスの三叉路でのいざこざに似ていることに気が付く。


 更に調べを進めるうち、やはりそれが自分であること、しかも自分がラーイオス王の子であったこと、母との間に子をもうけたこと、つまりは、以前の神託を実現してしまったことを知る。


 それを知るや、イオカステーは自殺し、オイディプスは絶望して、自らの目をえぐり、故郷のテーバイから追放されたのだった……。

_______________________


「……ね、ひどい話でしょ?」香子が隣の由理子に言った。

「ああ……何だかもう……ねえ。」由理子もすっかりイヤな気分になった。

 今、目の前でスフィンクスを論破して、意気揚々と去って行く青年の末路が、まさかそんな事になっているとは……正に一寸先は闇。人生とは何が起きるか解らないモノである。


 さて、崖から飛び降りて死んだフリをしたスフィンクスは、その後シレっと由理子たちの後ろに来て、控えていた。そりゃあそうだろう。あんなに立派な翼を、背中に付けているのだ。高い所から飛び降りたくらいで、死ぬ訳がないのだ。完全な勝利を目指すなら、やはり死体はちゃんと確認するべきである。オイディプスは、何かと脇が甘い感じがする青年だ。だからこその、あの末路なのだろうが……。


「それじゃあ、我が眷属よ、こちらの乗り物に乗りなさい。」

 香子はそう言うと、赤いビートルの助手席側のドアを開けて、前席を倒した。どうやらスフィンクスを後席に押し込んで、連れて帰るつもりだ。スフィンクスも大人しく言われた通りにした。契約は絶対のようだ。


「えっ、お姉ちゃん。コレ、連れて帰るの?」

 由理子が驚いて姉に尋ねる。

「そうよ。もう、この世界線では死んだ事になっているから、モンダイ無いでしょ?」

「……伯爵に許可貰わなくて、大丈夫かなあ?」


「だってもう、何頭か連れて帰った前例があるんでしょう?来るべき危機に備えて、手駒は多い方がイイしね……ダメならまたここに戻すまでよ。いいから行きましょう。」

 今日の香子は何だか強引である。

 さては最初から、ソレが狙いだったようだ。

(ああ、伯爵に怒られないかしら。)

 由理子は心配だった。


挿絵(By みてみん)







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ