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崔浩先生の「元ネタとしての『詩経』」講座  作者: ヘツポツ斎
国風 王風

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采葛(離れ離れの恋人/讒言を恐れる家臣)

采葛《さいかつ》 引用3件

恋歌 離ればなれ 遠距離恋愛 讒言警戒 桓王批判



彼采葛兮《かさいかつけい》

一日不見《いちじつふけん》 如三月兮《じょさんげつけい》 

 あそこでカズラを採りましょう。

 一日お会いできねば、

 三カ月も経ったかのよう。


彼采蕭兮《かさいしょうけい》

一日不見《いちじつふけん》 如三秋兮《じょさんしゅうけい》 

 カワラヨモギを採りましょう。

 一日お会いできねば、

 三か月を三つ越したかのよう。


彼采艾兮《かさいがいけい》

一日不見《いちじつふけん》 如三歲兮《じょさんざいけい》

 あそこでヨモギを採りましょう。

 一日お会いできねば、

 三年離れ離れであったかのよう。



○国風 王風 采葛

なんとまあストレートな恋歌ではないか。善哉。



○儒家センセー のたまわく

「懼讒也。(桓王之時,政事不明,臣無大小使出者,則為讒人所毀,故懼之。)」

この詩は自らの不在時にあることないことを主君に告げ口されることを恐れる臣下の恐怖を描いておる! 自らがどこかに外出でもすれば、その間に宮中でなにが起こっているかもしれぬ! ゆえに外出がただの一日であっても三カ月、九か月、三年のごとく長く感じてしまう、というわけである!



■おらが国の現況がクソ

魏書19.2 元雲 子 元順

鴟鴞悲其室,採葛懼其懷。小弁隕其涕,靈均表其哀。

元順が活躍していたのは北魏末期、霊太后が宮中でブイブイ言わせていたころである。豳風鴟鴞、当詩、そして小雅小弁。最後のやつは楚辞に登場する屈原のあざなであるから詩経よりの引用ではないが、いずれにせよ臣下が国の政を不安視する詩である。そして彼も最終的には北魏を転覆させた爾朱栄の乱に巻き込まれ、命を落とした。



■おまえいなきゃやーやねん

魏書63 王肅

尋徵肅入朝,高祖手詔曰:「不見君子,中心如醉,一日三歲,我勞如何。」


王粛は琅邪王氏の主流のひとつ、王謐の爵位を継承しながらも北魏に降った人物である。つまり北魏から見ると「最高峰の南朝貴族がうちにやって来てくれた」となる。こうした人物の前に立つと孝文帝はめちゃくちゃ尻尾を振り始めて「わんわんぼくの教養見てー見てーしゅごいでしょーべんきょうしてるんだよー!」とばかりに引用祭を始め、ここでもその一角を示す。はっきり言って読んでいて気恥ずかしい。



■荀爽先生の圧縮能力

後漢書67 李膺

久廢過庭,不聞善誘,陟岵瞻望,惟日為歲。


いよいよ党錮の禁が起ころうかと言うときに、荀爽が李膺に身を慎むよう諭そうとした手紙の一節、なのだが、この四句は論語「鯉趨而過庭。子曰:『學詩乎?』曰『未也』。」又曰:「孔子恂恂然善誘人。」」と、魏風陟岵「陟彼岵兮,瞻望父兮。」、そして当詩をそれぞれ圧縮し引いている。こわいこわいこう言うのをやられると調べ切れぬのでご勘弁願いたい。



毛詩正義

https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%9B%9B#%E3%80%8A%E9%87%87%E8%91%9B%E3%80%8B

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