表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王を殺して、人でなしになる。  作者: 日向ぼっこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/12

10.一万の軍勢を一人で止めるとか、あいつは最後まで馬鹿だった

 魔王城。

そこは人間領の城とは比べ物にならないほど巨大で、不気味な骸で作られた城だった。

 

「……イグナート。

 これ…… 一万くらいはいそうだな」


 ボルドスが血まみれの斧を担ぎ直し、目の前に広がる魔族の軍勢を指差した。

巨大な城門を護っているのは、数えきれないほどの魔物どもだ。


「……ああ。

 一万、いや十万はいるかもな。

 さてと…… どっちが斬り込む?」


俺の声は自分でも驚くほど冷静だった。

 

「……もちろん俺が行く。

 魔王を殺すのは、勇者さまの仕事だろ?

 雑魚は俺がここで全部ぶっ殺してやるさ」


 ボルドスが不敵な笑みを浮かべて前に出た。

彼の皮膚は魔物化によって鋼鉄のように硬くなり、筋肉も爆発的に膨れ上がっている。

 

「……ボルドス。

 ……死ぬのか?」


俺が掠れた声で尋ねると、ボルドスは力強く頷いた。

 

「ああ。

 ……魔王城に入って、生きて帰れるなんて思っちゃいない。

 お前の分まで、俺が暴れてやるよ!!」

 

ボルドスは斧を大きく振りかぶり、魔物たちのまっただ中へと突っ込んでいった。

 

「――うおぉぉぉぉっ!」


彼の咆哮が城門一帯に響き渡る。

一振りごとに十数匹の魔物が肉塊となって飛び散っていく。

 

 ボルドスは、文字通り「肉壁」となっていた。

彼自身の放った凄まじい斬撃が魔物の軍勢を押し返し、俺が城の中へ入るための道を切り拓く。

 

「……イグナート、行け!

 振り返るんじゃねーぞ!!」

 

 俺はボルドスの背中を一度だけ見て、城の中へと駆け出した。

背後で聞こえる魔物たちの怒号。

そして、ボルドスの斧が肉を断つ音。

彼は最後まで「最強の戦士」であり続け、そして「最高の仲間」だった。

 

「……あいつ、馬鹿だろ?

 一万以上のバケモンどもを一人で止めるなんて……。

 でもな、あいつがいたから俺は魔王の元へ辿り着けたんだ」

 

 俺はポーチの中に仕舞っていた指輪を見つめた。

王国最高の戦士の証である指輪であり、最後の特攻の前に押し付けられたものだ。

それを王の前に放り投げた。

 

「……! 

 そ、の指輪は……。

 ボルドスの…… お前……」


重臣たちが震える膝を押さえて、その場に崩れ落ちた。

俺は欠伸を漏らしながらシルフィーを見た。

彼女はもはや言葉を失い、ただ壊れた人形のように立ち尽くしている。

 

「英雄。

 ……そう呼びたいなら、呼べばいい。

 でもな、俺はただの死損ないだ。

 ……ボルドスの方が、ずっと、ずっと英雄らしかったよ」

 

 俺の言葉に陛下もシルフィーも何も答えられなかった。

俺は一人生き残ってしまったのだ。

仲間の死をただの踏み台にして、一歩ずつ魔王へと近づいていった。

大切な仲間の命を犠牲にして……


「面白かった!」

「続きが気になる!」

「今後どうなるの!?」


と思ったら、

下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いします!!


面白い!なら☆5つ、つまらない!!なら☆1つ、

正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です。


ブックマークも頂けると本当にうれしいですし、はげみになります!

よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ