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CD's  作者: 伊勢
序章
2/3

異変

関田はおお、と感嘆の息を漏らした。

ふふ、やはり俺には才能があったな。

「いや、水溜りに氷張ってるだけじゃん。どした。」

「ちげえよ!俺が氷にしたの!」にぶいな、全く。

「この季節には珍しいがな。」といって関田が氷の上に立った。

ん?と首を傾げている。やっとわかったか。

「おい!」ふふふ、なんだい?

「この氷、中まで氷だ!張ってるんじゃねえ!」

正直、自分でも驚いた。俺の能力は、対象の水を氷にしてしまう能力なのか?

「魔法は信じらんねえが、これもしんじらんねえ。」

「だから、それは俺がやったって言ってんだろ。」疑り深いなあ。

「すげえな、じゃあ、あそこの水溜りも凍らせてくれよ!」

「おっけい!まかしんさい!」よし、と気合を入れて

「凍れ!」…あれ?何も起こらない。

「凍れ!」…あれ??何も起こらない。

「凍れ!」…あれ???何も起こらない。

「凍ってお願い!」…なんで?何も起こって…「るわ」

「え?なんて?」関田が聞き返す。

「凍ってるわ!このカエルが!」なんと水溜りの近くにいたカエルが凍っていたのだ!

さすがの関田もこれには衝撃を受けたようだ。

まじか…と固まっている。

「それもそうだけど、俺たちこのままだと遅刻だ…。」

…え?「まじか!」俺たちは走って学校まで行った。






結果、ギリギリセーフで学校についた。

「おい、椎名。今日は珍しくぎりぎりだったな。どした?」

クラスで中のいい笠田が話しかけてきた。

今日もガリガリだなーと思いながら「秘密だ。」とだけ言っといた。

そして、すぐに1時間目の数学が始まった。


中山優子先生の熱血指導の中、放送が入る。


『校内放送です。校門前に不審者が出没しました。先生方は〜』


クラスがざわついた。中山先生が「静かに!」といって一度は落ち着くが

やはりざわざわしている。

今なんじゃないか。そう思った。

今がこの力を行使するときではないのか、そう思ったのだ。

水溜りも、カエルも元に戻せた。この能力は思いのままに動かせる。

         (ヒント:天才だから)

今ここで不審者を凍らせて捕まえれば一躍クラスの、いや学年の、いや学校の、

いや町の、いや区の、いや市の、いや県の、いや地方の、いや国の、いや世界の、いや銀河系の、

いや宇宙の、いやこの世のヒーローになれる!


「先生、ちょっと行ってきます!」クラスを飛び出した。

どこ行くの!という声も振り切って。

ひたすら直進した。


俺はいままで守られてばかりだった。

幼稚園の頃はいじめられっ子で、そのたびに関田や幼馴染の石田がたすけてくれた。

関田はその頃から身長が高くて、5歳のときに115センチあった。

石田は小柄な女子なのだが、威圧的な言動で周囲を圧倒していた。

二人は仮面ライダーよりもかっこよかった。

二人は悟空やケンシロウ、承太郎よりもかっこよかった。

二人は俺のヒーローで目標だった。

あと一人いたような気がするけど…思い…出せない。

不審者、改めR区連続殺人事件の犯人に刺されて意識が朦朧とする中、

思い出すのはあの頃のこと。

思い出せないあの子のこと。

「りゅーくん」って呼んでくれた、いつも味方でいてくれた、お姉ちゃんみたいだった子。

俺は、僕は、思い出せないまま死ぬのか。

そっか。






















「そんなの嫌だ」

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