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鏡界館  作者: 織優幸灔
二章
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6.スマホ

 未優のスマホを契約し、界館に帰る。


 事実上親権は未優の親にあるらしいが、その親が誰なのかが不明なので後継人の日蔓が契約した。

 入班したら持たせようと思っていたので昨日の今日で。



 未優に何も言わず出てきたので探してるかなーと思いながら連絡が来たスマホを見ると、大扇(おおおぎ)から丁字が未優に懐いたので牽制に来いと。忘れてた。







 急いで界館に帰り、門で待っていた線蓮を無視して技術棟の昨日の部屋に向かった。




「未優、ごめん忘れてた」

「遅いよ」

「これでも慌てて来たんだよ」


 日蔓は未優に状況を聞く。

 今は足の型を取り終わり、丁字が石膏を入れに行っている最中らしい。



「ちょうど一段落ついたんだね。じゃ、先に渡しとこうか」

「何?」

「はい」


 未優にスマホを渡すと、未優は不可解そうに眉を寄せた。



「なんでスマホ。ケーキ我慢しないよ。頭真っ白になるもん」

「働いてもらうから大丈夫。班になると仕事が増えたりこう言う一人移動も増えるからね。なるべく一緒にいるけど、たまにはこういう日もあるからさ」

「ふーん……」

「パスワードはたぶん忘れるから指紋認証ね。僕のも登録してある。後で顔認証もやっとこう」


 未優の顔認証を登録しておけば、まぁ解かれることはないだろう。だってこんな美人他にいないし。




「帰ってから色々設定しようね」

「うん」



 少しすると丁字が戻ってきて、日蔓に手を振った。



「やっほー。遅かったね」

「未優のスマホ買いに行ってたからね。足の型取れた?」

「完璧! 未優さん今度写真撮らせてね」

「セクハラだよ」

「福利厚生を!」



 どこかの誰かと同じようなこと言ってると呆れていると、未優は日蔓にスマホを渡して立ち上がった。



「型取ったからもういいんでしょ」

「あ、身長だけ測らせて!」


 どこからかメジャーを出した丁字は未優を壁に立たせ、頭の高さにスマホを添わせるとその高さを日蔓に計ってもらった。


「百二十八! ちっちゃ〜」

「平均より結構低いね」

「元々小柄な体型してるからねー。ずっと一学年下に間違われるし」

「パーカーのサイズは? 超オーバーだけど」

「XMだよ。大きい方が安心するみたい」

「なるほどね」



 未優は日蔓と手を繋ぎ、また袖で口を隠した。

 もう癖になりつつあるので日蔓も何も言っていない。



「……よし! それじゃあ靴の試作品できたらまた呼ぶよ。足見せてね」

「完成したらね」

「見せてね未優さん」

「気が向いたら」



 日蔓より不確かな答えに丁字は目を丸くし、日蔓は未優の手を引く。未優は丁字に手を振り、日蔓とともに部屋に帰った。

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