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D-Life!!  作者: てぇぽん。
入学編
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18/85

日常 Ⅰ

少しダーツから離れ、翔たちの日常もお届けしようと思います。

「樹ーご飯行こ!」

「いいですね。いつも通りコネで…あそこのバーのカレー美味しいんですよね!」

「透たち探さないとね!」


 虹渡と樹はAクラスの教室に向かっていた。Aクラスに所属している透、そして翔は、新人戦トーナメントのチームメイト。そのため、個人では出入りできない上位クラス向けのダーツバーに出入りできる。Aクラスのチームメイトがいることが条件にはなるが、食事もそこで摂れるのはいい。サービスもいいし美味しいと評判だ。マスターは無愛想だがいえばなんでも料理が出てくる。


「さっきの物理わけわかんなかったなぁーー。あの運動方程式って何!?」

「大丈夫ですよ虹渡くん。僕が今度教えてあげます。」

「うぅ…助かるよ…」


 ざっくり言うと運動方程式は物体に働く力に関する情報を記した式だ。それを解くことにより物体の加速度がわかり、そこから物体の動きがわかり、そこから速度や位置関係などもまとめられる。あるいはその式を通じて新しく力の大きさなどが求められることもある。


「物理は本当にイメージができなくて大変ですよね。でもとにかく図を描くようにしていれば物理は間違えないようになりますよ!」

「その図も書いてるうちにわかんなくなるんだよね…」

「あ…どこから教えたら…?」

「んー全部!先生の説明早くてわかんない!」

「じゃあ今週末に少し勉強しますか?あんまりダーツばっかりやってテストで赤点取ったら結局練習時間が補習で潰れますよ。」

「うぅ…確かにそうだけど…!」


 虹渡は半泣きだ。勉強が大嫌いな虹渡にとっては赤点回避は死活問題とも言える。


「お!透!あれ?翔は一緒じゃないの?」

「……………あそこにいるよ。なんか新聞部が話を聞きたいとかなんとかで…」


 透とチームを組んでよくバーで練習していることもあり、新聞部からの取材が度々来るのだ。


「今回の新人戦トーナメントの優勝候補に目されていますが今回のトーナメントの意気込みをお聞かせくださいー。」

「それに関してはできる限り気にしないようにしています。樹も、虹渡も、そして透も、とても心強い仲間です。どのチームも強豪だと思っているので油断せずに挑むつもりです。」

「そうですか…どうもありがとうございました。それでは、チームの皆さんで写真をば!」


 取材をしてくれているのは丸い縁のメガネをかけ、いかにも地味な雰囲気を醸し出している神楽坂(かぐらざか) (しおり)さんだ。Cクラスに所属しており、中等部からの内部進学生だ。話してみると結構面白い。


 チームのみんなも近くにいたので写真を撮るために集まる。


「あ、まずはAクラスの2人だけで、肩を組んで翔くんはピース、透くんは小さくピースしてもらえるかな?ほら寄って寄って!で、こう!」


 細かい写真の注文が飛んでくる。


「??」

「……………??」


 俺も透も混乱しているが言われるがままポーズをとる。


「いいよぉ…(カシャカシャ)いいですねぇ…(カシャカシャカシャ)はい!もっと笑ってー!…いいですねぇ…(カシャ)!」


 ブツブツ何を言っているのか分からないが、かなりの枚数写真を撮られているのはよく分かる。そんなに撮る必要があるのだろうか。


「ではチームの皆さんで!今度はご自由にポーズをとってくださいー!……(カシャカシャ)はい、どうもありがとうございました!」

「……………あの…さっきの翔との写真は…?」

「あーあれはチームのエースの写真で、記事に使うかもしれないので撮ったものですよー。」

「……………記事に使うのにそんなに写真撮るんですか…?」

「勿論です!その中で一番いいものを選んで販b…新聞に載せるんですよ!」

「……………そ、そうなんですか。」


 勢いに押されて透はとりあえずと言った感じで返事をする。


「お時間のない中取材させていただいてありがとうございました!お忙しいのにすみませんでした!」

「いえ、そんな。そういえばさっき販売とか言おうとしてませんでした?」

「気のせいでしょう。」

「だって言い直してt…」

「気のせいでしょう。」


 顔をずいと寄せられて俺はこれ以上追及するのをやめた。


 チームの写真は2回しか撮っていない。なんだか変な気もするが…まあいっか。気にしても仕方ない。ジャーナリズムというものは色々と複雑なのだろう。


「待たせてごめん!メシ行こうぜ!」

「もー遅いよー!お腹減ったー!ボク今日もトン定かなー?」

「……………あそこなんでも置いてあるみたいだから頼めば出てくると思うよ。」

「え…そうなんですか?今日はなんか暖かいので冷たい蕎麦食べたいですけど…あるんですかね?最近はみんなが頼んでいるものと同じものを頼んでいたので気付きませんでした。サービスがいいんですね。」


 ワイワイと話しながら去っていく翔たちを見届け、栞はこう呟く。


「これは…これは売れる…!!」


 栞の陰謀により翔と透の試合のギャラリー、特に女子のファンが爆発的に増えたのはいうまでもない。

神楽坂さんの新聞部での活動は法に反さないギリギリで行われております。


いかがでしたでしょうか。ブックマークや感想、コメント、評価など諸々お願いいたします。

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