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D-Life!!  作者: てぇぽん。
入学編
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19/85

日常 Ⅱ

前回に引き続き日常編です。

 ダーツバーというもののお酒は出ない。雰囲気はかなりムーディーな感じだが、ノンアルコールのカクテルは出てくるようだ。


「じゃあボクトンカツ定食で!」

「僕は天ざるでお願いします。」

「……………僕はベリーソースのパンケーキで。」

「俺は牛すじとマッシュルームのカレーで!」


 返事はない。しかし仕事はとてつもなく早い。すぐに作って料理を出してくれた。


 バーとは言いつつも和食でもなんでも出てくる。それがすごいところ。


 ここにいるスタッフは皆基本的に無口だ。ある意味同じバーでも透のところの家と大きく違う。しかし、面倒見が非常にいい。

 この前も、辛いものを頼んでむせた虹渡に水を追加で渡して、口元を拭けるようにおしぼりも出てきた。

 非常に稀だが、新作料理を頼んでそれを美味しそうに食べてるのを見てケーキをサービスしてくれたこともある。


 だからここで食べる食事は、会話こそあまりないがとても楽しい。


「そういやチーム名ってどうするのさ?リーダーが決めるんじゃないの?」

「……………僕このチームでみんなにアドバイスしてるけどリーダーは翔じゃなかったっけ?」

「そうだよ?チーム名書いて提出だったけど、言ってなかったっけ?」

「え、聞いてないよ!?」

「聞きたいですね。僕も気になります。」


「チーム“KNIT(ニット)”だよ?」


「「「…え????」」」


 みんなが一瞬沈黙した。

 沈黙を破ったのは虹渡の爆笑だった。


「ぶはっなにそれ!!すっっっっっっごくださいね!なんでニットなのさ!」

「……………これは皆んなからワンパンもらってしかるべき。」

「いいじゃんか!!ニット!ほらお互い制服着てるメンバーはニットのカーディガン着てるでしょ!?」

「……………いやいやダサすぎでしょ。」

「ボクはまあ別にいいけどね!ダサくても面白いし!…くくっ!」


 だいぶ不評みたいだ。そして文句を言う2人を置いてずっと考えているような顔になっていた樹が口を開く。


「あーなるほど。それぞれのイニシャルをとったんですか。」


 頭の回転が速い樹が言い当てる。そう、もともとこのチームメンバーの名前の頭文字をとったのだ。Kakeru、Nijito、Itsuki、Tohruで全員の頭文字をとるとKNITになるのだが…ダメだったのだろうか。

 みんなカーディガン着てるし、まだ春で肌寒い時もあるからちょうどいいかと思ったんだけど。


「……………それもう決定なの?」

「相談しなかったのは悪かったよーでもとにかくチーム“KNIT”で頑張ろうよ!!」

「……………まあ代替案無いからいいけどさ…」


 少し不服そうだが受け入れてくれたようだ。


「なんならあのタキシードの…西園寺くん?みたいに“Raven(レイヴン) wings(ウィングズ)”とかかっこいいのがよかったなー!“wing”って()って意味でしょ?」

「翼、羽ですよ。風は“wind”ですよ。」


 即座に樹から訂正が入る。虹渡が頭上に?マークを浮かべているが…それは見なかったことにしよう。


「和訳すると…『漆黒の翼達』とか『闇の翼達』とかそう言った感じですかね…僕はちょっと好みでは…」

「うわぁ…イタイな。」

「……………イタイね…KNITの方がまだマシ。」

「カッコいい…!!!」


 1人だけ反応が違うが、これでKNITの方がまだいいという認識がある1人を除いて定着したのだった。


「なんかその西園寺くんってダーツの時以外もすごいファンがいるみたいだよ?今の透よりもファンが多くて。いつも女の子がたくさんついてるって。なんだか王子様みたいだったな!」

「なんだよ!モテる勢か。…ったく男の天敵だな…どこかで試合とかやる機会ないかな…」

「……………翔、顔怖いよ?」

「うるさいよ!俺の気持ちなんかファンも多くてモテるような奴には分からないんだ!」

「まあそう言わずに。僕もそういった色恋沙汰に関わったことは人生の中でもありませんし。仲間ですよ。」


 樹が慰めてくれる。なんだか虚しい。


「そういえば虹渡、西園寺ってタキシード着てるって言ったか?」

「ん?そうだよ!」

「……………隣のクラスで白いタキシード着た人見た気がするよ。ものすごい目立ってたから覚えてる。」


 ものすごく見覚えがあるぞ。


「おそらく彼は特待生枠だと思う。俺と同じ受験者として実技試験で戦った相手だ。」

「「「え!」」」


 そう。試験の時はウェアなどの指定は特になかったが、ほとんどの受験生がスポーツウエアに身を包んでいた。その中で1人白タキシードに身を包んだいかにもおぼっちゃま育ちの男が出てきたのだから、覚えていないわけがない。


「これから合同の実践的な練習も始まるし、試合申し込んでみようかな?」

「……………まず対戦表で決められたところと対戦して、お互いのチームがオフの時にでも頼んでもいいかもね。」


 トーナメントに出てくる注目の選手の特徴をそれぞれ見ておくと言うのは大事になってくるはずだ。間違いなく西園寺は上位に残ってくる。他のチームメンバーはわからないが、Bクラスにいるだけあって相当強力なメンバーを連れてくるに違いない。


 偵察してみるか。

いかがでしたでしょうか?西園寺、そして彼のチームはまだこれから紹介していきます!


いつも読んでいただきありがとうございます。ブックマークや感想コメント、評価諸々よろしくお願いいたします!

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