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【web版】八歳から始まる神々の使徒の転生生活  作者: えぞぎんぎつね
三章

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99 竜の山脈へ

前話のおはなし:生徒弟子たちは、集められて突然竜と戦うことを告げられた。


「ここは俺に任せて先に行けと~」の3巻が発売になりました。

「最強の魔導士。ひざに矢をうけて~」の4巻とコミカライズ1巻が発売中です!

 レジーナの言葉に一番驚いたのはロゼッタだ。


「えぇ! 竜って、ドラゴンですか?」

「ドラゴンじゃない竜なんていないよ!」

 俺の懐に入って寝ていたはずの、人神の神霊フィーが急にそんなことを言う。

 今日のフィーはなぜか元気だ。

 人神の降臨から二日経った。

 昨日、一日大人しく良く寝ていたので回復したのかもしれない。


「きゅるー」

 ルーベウムは羽をパタパタさせてロゼッタの顔の前へと飛んでいく。

 ここぞとばかりに、自分が立派な竜であることをアピールしているのだろう。


「ルーベウムちゃんは、ちょっとどいて」

 ロゼッタは視界をふさぐルーベウムをどかせると、レジーナを見た。


「お師さま。あたしには竜を相手にするのは早いんじゃ……」

「そんなことあるまい。それにおれもついていくから安心しろ」


 師匠にそう言われたら、ロゼッタとしてはもう何も言えない。

「……わかりました。がんばります」

 諦めたようにそう言った。


「きゅぅ」

 一方、ルーベウムは少ししょんぼりして俺の胸元に飛び込んでくる。

 ロゼッタにかまってもらえなくて寂しかったようだ。


 そしてティーナは鼻息を荒くしている。


「竜と戦えるなんて! 腕が鳴りますわ! ね、アルティ」

「そうですね」

 アルティは平然としている。

 きっとアルティは竜と戦うのも初めてではないに違いない。


 いまだ不安そうなロゼッタに対して、ディオンが言う。


「私もついていきますから。過度に怯える必要はありませんよ」

「ありがとうございます!」

 やっと、ロゼッタは安心したようだった。


 そしてゼノビアが言う。

「みな、気を付けて行きなさい」

「「はい!」」

「アルティ。皆を頼む」

「わかりました」


 自分の弟子であるアルティの力強い返事に、ゼノビアは深く頷いた。


 その後、俺たちは総長室を出て飛竜の部屋へと向かう。

 今回は三頭の飛竜に分乗し、飛び立った。


 飛竜に乗るのは俺にアルティ、ロゼッタ、ティーナにレジーナとディオンに神獣たちだ。

 六名と神獣を乗せるうえ、長旅になる。

 飛竜の負担を少なくするためにも、頭数を多くしたのだ。


 レジーナの後ろにロゼッタとアルティが乗り、ディオンの後ろにはティーナが乗った。

 そして、俺は神獣たちと一緒である。



 道中は何事もなく進む。

 レジーナたちと一緒だからか、宿泊する際の部屋はとてもよい部屋ばかりだった。

 食事もおいしく、シロは凄く喜んでいた。

 そして、レジーナが楽しそうだったのが印象的だった。



 俺たちが竜の山脈の近くまで来たのは三日後だった。

 飛竜たちは、怯えるので近くの町の救世機関関連施設に預けてある。

 そこから徒歩で、山脈へと向かうのだ。


 

 街を出たところで、レジーナが皆に言う。


「ロゼッタ。先頭を歩くのだ」

「わ、わかりました!」

「目的地はわかるな?」

「わかります!」


 道中、レジーナはロゼッタに色々説明していたのだ。

 その中には目的地の情報も含まれる。


 冒険者になれば、パーティーの全員が訪れたことのない場所に行くことは、よくある事。

 そのようなときに先頭を歩くのは、基本的にロゼッタのようなスカウトである。


 ロゼッタは地図を見ながら、迷いなく歩き始める。

 その後ろにアルティ、ティーナの順で続き、生徒たちの最後尾を俺が歩く。

 レジーナとディオンは少し離れてついてきている。


 フルフル、シロ、ルーベウムは俺の横をちょこちょこ歩いてついて来る。

 フィーは俺の肩の上に乗っていた。


 街を出てから四時間後。山のすぐ近くにやっと到着した。

 上空には竜が二頭ほど、大きく旋回しているのが見えた。

 縄張りへの敵対者の侵入を見張っている竜なのだろう。

 恐らく人族を見張っているのではなく、同じ竜の侵入を警戒しているに違いない。


「さて……」

 レジーナが前に出る。


「子供たち。準備は良いか?」

「「はい!」」


 ロゼッタとティーナは元気よく返事をした。

 こちらにも伝わってくるほど、二人とも緊張している。


「できています」

 一方アルティは冷静に返事をした。


「うむ。よい返事だ。ルーベウム。お主はディオンのところに行って隠れているがよい」

「きゅる、なんで?」

「お主が強い竜ゆえ、この辺りの竜が怯えたら困るであろう?」

「きゅるうー」


 レジーナにそう言われて、ルーベウムは誇らしげに鳴く。

 そして、大人しくディオンのところに飛んでいった。


「ルーベウム。私の懐の中に入っていてください」

「きゅる。わかった。怯えたら困るもんね、ルーベウム強いし」

「はい。鳴いてもいけませんよ」

「わかった」


 ルーベウムは大人しくなる。すると、途端に気配が消える。

 俺がルーベウムと初めてあった時、魔力による探索が通用しなかったことを思い出す。

 恐らくルーベウムの特殊技能だろう。

 どのような技能なのかしっかり聞いておくべきだった。

 戦闘が終わったら、忘れずに聞いておきたい。


 ルーベウムが気配を完全に消したのを確認して、レジーナは満足そうにうなずいた。

「おれに任せておくがよい」

 そして、大きく息を吸い込んだ。

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