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【web版】八歳から始まる神々の使徒の転生生活  作者: えぞぎんぎつね
二章

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68 試練のダンジョン その2

前回のおはなし;ダンジョンに四人で入った。


ついに「最強の魔導士。ひざに矢をうけて~」の4巻とコミカライズ1巻が発売になりました!

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 入り口からダンジョンの中に入ると、狭い通路が奥に続いていた。

 俺たちが全員中に入ると、ダンジョンの扉が閉められる。

 すると自分の手の平さえ見えないほど真っ暗になる。少しの明かりもない。


「魔法灯(マジック・ライト)を使いますね」


 ティーナが自分の杖に魔法灯をかけて、杖を明るく輝かせる。


「ティーナありがとう! あたしも松明を使おうかな」

「今はつけなくていいと思うよ。ただ、すぐに灯せるようにはしておいた方がいい」

「ウィル、アドバイスありがと!」


 するとアルティが言う。

「私の剣にも魔法灯をお願いできますか?」

「アルティの剣には俺がかけておこう」

「ありがとうございます」


 アルティは剣をすらりと抜いた。その刀身に俺は魔法灯をかけた。


「何かあったときのために、灯りは二つあったほうがいいからな」

「なるほど、勉強になるね」


 ロゼッタは真剣な表情でうなずいていた。学習意欲が高いようでなによりである。

 だから、俺はついでに豆知識を教えておく。


「それと、アルティみたいに刀身に灯りを付けるのはよい方法だ」

「そうなのですか?」

 自分の杖に魔法灯をかけたティーナがこちらを見る。


「灯りを消したいときに、剣を鞘に納めればいいからな」

「……なるほど」

「杖も黒い布をかければいいんだが、鞘に納めるよりも面倒だからね」

「勉強になります」


 それから、俺たちはダンジョンの中を慎重に進んでいった。

 先頭からロゼッタ、アルティ、ティーナと続き、最後尾が俺という隊列だ。


 少し進むと、通路の幅が広くなる。

 さらに歩いたところで、ロゼッタが足を止めた。


「みんな止まって」

「罠か?」

「うん。落とし穴」

 ロゼッタは、薄暗いのに見事に落とし穴を見破って見せた。


「右側の端なら通れるようになっているみたいだけど……。ちょっと待ってね」

「わかった」


 アルティが前に出て、魔法灯のかかった剣で周囲を照らす。


「右側を通ろうとすると、発動する罠もあるみたい。解除してみる」


 落とし穴を見破って油断したところを狙う罠だ。

 恐らくレジーナの本命はこちらだろう。


「うん、解除できたよ。ついてきて」


 ロゼッタはなかなか頼りになるスカウトらしい。

 油断せず、注意深く進んでいる。


 俺もロゼッタの試練だからと人任せにせず、注意を払い油断せずに歩いて行った。

 後方からの襲撃を警戒するのが、俺の最大の役目だ。

 くわえてロゼッタが罠探査を失敗したときに備えるのも大切だ。


 ロゼッタは罠を発見し、解除しながら順調に進んでいく。

 どうやら、レジーナの置いた罠の難度自体は高くないらしい。

 だが、最初の罠と同じような、油断をつくような類の罠が多かった。

 逆に言えば、油断さえしなければクリアできる内容だ。


 レジーナの考えがダンジョンから伝わってくる。

 レジーナはロゼッタを弟子にすることを前提にダンジョンを作っていた。

 その上でこのダンジョンを教材にして、若者を教育しようとしているのだ。


 レジーナからは特に何も言われていないとはいえ、俺もレジーナの意を汲むべきだ。

 なるべく、ロゼッタやティーナにダンジョン攻略を任せるべきだろう。



 ダンジョンを三十分ほど進んだところで、俺たちは休憩する。


「長いダンジョンだね!」

 水を飲みながらロゼッタが言う。

 この場で一番疲れているのは、罠探索と解除を担当していたロゼッタだ。


「そうね。もうかなり歩いたわ。地下にこれほどの遺跡があるとは驚きよね」

 ティーナも水を飲んでいる。


 竜人族が長い間かけて作ったのだろう。

 もしかしたら、竜人族が祖先として敬っている竜族の遺跡をもとにしているのかもしれない。


「ロゼッタ。ティーナ。最初の休憩では装備も点検した方がよいです」

 アルティが先輩としてアドバイスしてくれる。


「そうだね。ありがとう!」

「わかりましたわ!」

 ロゼッタもティーナも素直に装備の点検を開始する。


「武器やスカウトツールも大事ですが、一番大切なのは防具の点検です」

「そうなの? 敵と遭遇してないし、まだ防具は使ってないけど……」

 防具を調べながら、ロゼッタが言う。


「はい。歩いたことで色々ずれたりしますし。特に靴の具合には気を付けてください」

「わかったわ!」


 ティーナとロゼッタは靴や防具の具合を真剣に確かめていた。

 まだまだ、全員元気なようだ。


 五分ほど休んで、探索を再開する。


「それにしても、敵に遭遇しないね」

「うーん、レジーナさまが全部倒してしまわれたのかもしれないわ」

「そうかもしれないね! あたし的には敵に遭遇しない方が嬉しいよ!」


 そんなことを話して笑う余裕すらあるようだ。

 その後、俺たちはさらに十分ほどダンジョンを進んだ。

 ダンジョンに入ってからこれまでロゼッタが解除した罠は全部で十個。

 今のところ、ひたすら罠ばかり。俺はそろそろ魔物が出てくると予想していた。


「うわあ。すごく広いところに出たね! 壁が見えないよ」

「地下にこんな広い場所を作るなんて、竜人族ってすごいのね」


 ロゼッタとティーナは感動したようだ。

 ティーナは杖にともった魔法灯で周囲を照らすが、壁も天井にも灯りは届かない。


 その時、ロゼッタが叫ぶ。


「みんな、気を付けて、何かいるよ!」


 やっと敵と遭遇したようだ。

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