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【web版】八歳から始まる神々の使徒の転生生活  作者: えぞぎんぎつね
二章

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66 試練の準備

前回のおはなし:すぐダンジョンへ向かうことになった。


ついに「最強の魔導士。ひざに矢をうけて~」の4巻とコミカライズ1巻が発売になりました!

どうか、よろしくお願いします。

「ここは俺に任せて先に行けと~」の2巻も発売中です!

 サリアを預けたままにするのは心苦しい。

 だがこれからはこういうことも増えるのかもしれない。

 サリアも、そして俺も慣れなければならないのだろう。


 俺がサリアとの別れを惜しんでいると、託児所の職員がやってくる。


「総長先生からお聞きしました。あとのことはお任せください」

「ありがとうございます。ご迷惑をおかけいたします」

「お気になさらないでください。基本的に託児所は二十四時間運営ですから」


 どうやら、上級生になるにつれ泊まりの授業や研修が増えるらしい。

 だから、託児所の中には宿泊施設があり、職員は交代制で勤めているという。


「いまもサリアちゃんとローズちゃんの他にも、三名お泊りの子がいますから」

「そうでしたか」

「ルンルンちゃんも、一緒に預かるということでよろしいですか?」

「はい。お願いします」

「ルンルンちゃんは子供たちにも人気ですし、私たちも助かっていますよ」


 そう言って職員は微笑む。

 ルンルンは俺の近くに寄ってきている。

 俺はルンルンの横でひざをつき、頭と全身を撫でまわす。


「ルンルン。サリアをお願いね」

「ゎぅ」

「留守番させてごめんね」

「ゎゎぅ」


 気にしないで、そう言うかのようにルンルンは俺の顔をべろべろ舐めた。


 俺とロゼッタは、サリアとローズとルンルンと別れを済ませる。

 サリアもローズもルンルンも非常に聞き分けがいい。

 小さい子はもう少しわがままでもいいと思うのだが……。

 あとで沢山甘えさせてあげよう。


 それから、俺たちは総長室へと戻った。

 すると、総長室の机の上に、雑多な道具が並べられていた。

 ゼノビアはいたが、レジーナはいなかった。きっと準備しに行ったのだろう。


 ゼノビアが言う。


「ウィル。ロゼッタ。今ちょうど、ダンジョン探索に必要だと思う道具を聞いていたところだ」

「必要な道具ですか?」


 どうやら、ティーナがダンジョン探索に必要だと思う道具類を机の上に並べているらしい。

 机の上に並んでいるのは松明(たいまつ)、ロープ、非常食、水などだ。

 ゼノビアの隣には魔法の鞄があるので、そこから取り出しているのだろう。


「本当はお金を渡して王都に買いに行かせるのがよいのだが、時間がないゆえな」


 俺たちは授業が終わってから、総長室にやって来た。

 それから色々話して、託児所に行ったりもした。そろそろ夕方近い時刻だ。

 ダンジョン探索に必要なものを売っている店も閉店している頃あいだ。

 だから、ゼノビアが道具類を提供してくれているのだろう。


「こちらが必要だと思うものを渡すのは試練の趣旨からいって違うだろう?」


 自分たちが必要だと思うものを、必要なだけ与える。

 ただしあまり高級なものは除く。そういう方針のようだ。

 ティーナが必要だと思う道具類を上げた後はロゼッタだ。


「ピッキングツールとかありませんか?」

「ほう?」


 ロゼッタはスカウトだ。

 それゆえ宝箱や扉の鍵の開錠もロゼッタの担当なのだ。


「それに予備の矢もお願いします」

「うむ」


 そして、ゼノビアは俺の方を見る。

 だが、ゼノビアは俺とアルティには何がいるか聞かなかった。

 あくまでも初心者向けのサービスということだろう。


「よし。これで準備完了だな。ついて来るがよい」

 総長室をでて、廊下を少し歩いて別の部屋に入る。

 その部屋はどこか馬小屋の中に似ていた。ただ、通常の馬小屋よりもずっと広く天井も高い。

 そこを抜けると、岩の壁に囲まれた中庭に出る。

 七頭のワイバーンが寛いでいた。

 弟子たちの騎竜であるワイバーンたちだろう。


 ゼノビアに気付いた一人の男が駆け寄ってくる。


「閣下。いつでも大丈夫です」

「いつも助かる」

「いえ、仕事ゆえ」


 男はワイバーンの飼育員のようだった。


「元気な奴は……」

「Grurururu」

 中でも大きい一頭のワイバーンがゼノビアに駆け寄って、頭をこすりつける。


「乗せてくれるのか?」

「Gruru」

 そのワイバーンは、ゼノビアにとても懐いているようだった。


「そうだな。ロゼッタ、ティーナ。我と一緒にこのワイバーンの背に乗るがよい」

 そう言われて、ロゼッタとティーナはワイバーンの背に乗る。


「ウィル。そなたならワイバーンも乗れるであろう。適当な一頭にアルティと乗るとよい」


 ゼノビアのワイバーンは大きいが、五人とシロとフルフルが乗るとさすがに狭い。

 二頭で行くのがいいだろう。

 前世ではワイバーンに乗ったことは何度もある。

 だが、現世では初めてだ。それにこれらのワイバーンはみな初対面。


 前回ミルトと一緒に乗ったワイバーンはいない。

 きっとミルトが乗ってどこかに行ったのだろう。


「うーむ。気性の大人しいワイバーンがいいな」

 俺はワイバーンを一頭ずつ撫でて回った。

 そして大人しそうなワイバーンを選んで、アルティと神獣たちと一緒に背に乗った。


「準備は終わったな。ならばついてこい」


 そういって、ゼノビアはワイバーンを操り空へと上がった。

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