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【web版】八歳から始まる神々の使徒の転生生活  作者: えぞぎんぎつね
二章

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56 弟子たち

前回のおはなし:授業をさぼっていたら総長先生に呼び出された。次は29日更新です。

28日の更新は、「最強の魔導士。ひざに矢をうけて~」になります。


ついに「最強の魔導士。ひざに矢をうけて~」の4巻とコミカライズ1巻が発売になりました!

どうか、よろしくお願いします。

「ここは俺に任せて先に行けと~」の2巻も発売中です!

 折角、真面目な一般生徒を装っていたのに台無しである。

 俺は慌ててシロに呼びかけた。


「シロ、行儀良くしなさい」

「めえ?」


 ゼノビアのひざの上のシロは首をかしげる。

 シロには悪気はまったくなさそうだ。あとでしっかり教えておこう。

 というか、扉を開ける前にシロに言い聞かせなかった俺の落ち度だ。

 叱ることは出来ない。


 俺が扉を閉めると、

「貴様がウィル・ヴォルムスか」

 そう尋ねられた。


 発言者はゼノビアの対面に位置する長椅子に座っていた人物だ。

 こちらに背を向けて座ったまま、シロの振る舞いには全く触れない。


 一方、ゼノビアはニコニコしながら、シロを撫でまわしていた。

 ちなみに、ゼノビアの横にはミルトが座っている。


 そして発言者の隣にも、もう一人座っていた。

 こちらに背を向けている人物二人は気配が異様に薄い。

 あえて存在感を抑えているのだ。


「めえ?」

 ゼノビアのひざの上に上ったおかげで、シロはその発言者の正面に位置している。

 ゼノビアに撫でられまくりながら、シロは発言者の顔をまじまじと見つめていた。


「そうだ。俺がウィル・ヴォルムスだ。久しぶりだな。レジーナ」

「おれとお前は初対面のはずだ!」


 そう言って、勇者レジーナは立ち上がってこっちを向いた。

 同時に強烈な殺気を俺に向けてぶつけて来る。


 レジーナはドワーフなので小さいのだ。

 身長一・三メートル足らずしかない。

 そして、金色の長い髪をツインテールにくくっている。

 百二十歳はとうに超えているが、俺と同年齢ぐらいの少女に見える。


 俺は殺気をいなして笑顔を向ける。

「レジーナ。……相変わらず小さいな」

「うるさい! 無礼者が!」


 ドワーフはエルフほどではないが長命だ。ゼノビア同様若々しい。

 いや、レジーナはゼノビアとは違って若いというより幼く見える。


「君がエデルファス師匠の生まれ変わりという噂のウィルくんだね?」

 そう言いながら、にゅっと音もなく立ち上がったのは、水神の愛し子ディオンだ。


「ディオンは相変わらずでかいな……。いや、百年前よりでかくなってないか?」

「お褒めいただき、光栄です」


 レジーナと対照的にディオンはものすごく大きい。

 竜人(ドラゴニュート)のディオンは身長が二・五メートルほどある。

 体表は綺麗な青っぽい鱗で覆われていて、とても美しい。

 鱗は綺麗なだけでない。生半可な刃物は通じないほど硬い。

 足よりも太くて長い尻尾は強力な武器にもなる。腕力も素手で丸太を砕くほど強い。


 だが、治癒術師である。

 そして、ディオンはティーナの師匠だ。


「それにしても、百年前は二メートル程度だったはずだが……」

「当然、百年も経てば人は変わりますよ。大きくなることもあるでしょう」


 そう言ってディオンは口を開けて舌をちろりと出した。ぱっと見は怖い。

 だが、ディオンは今笑っているのだ。

 表情筋が只人族と違うので、慣れるまで表情を読み取るのが難しい。

 もちろん、俺はディオンがまだ幼児だったころから一緒にいた。

 だから、ディオンの表情を読み取ることも難なくできる。

 そんな俺でもディオン以外の竜人の表情を読むのは結構難しい。


 俺がディオンと和やかに話していると、レジーナが俺の方へとゆっくりと歩いて来た。

 そして、顔を俺の顔へと吐息がかかるほど近づける。

 ものすごく鋭い眼光で睨みつけてきた。


 勇者の中でも歴代最強と言われるレジーナだ。

 当代で最も強い戦闘力を持つ人族でもある。

 そんなレジーナが威圧的に、俺に殺気をぶつけてきているのだ。

 レジーナを知らなければ、俺でも恐怖を感じたことだろう。


「お人好しのゼノビアとミルトは騙せても、おれのことは騙せないからな!」

「レジーナも大概お人好しだろう?」

「はぁ? 貴様。おれを舐めるのもいい加減にしろよ?」


 レジーナは俺の胸倉をつかんだ。


「メエ!」

 途端にシロがゼノビアのひざの上から走って来た。

 そして、レジーナに頭突きを当てようとする。


「な、何だこのヤギ」

「メエエメエエ!」


 レジーナは困惑しながら、シロの頭突きをかわす。

 さすが、史上最強の勇者と名高いレジーナだ。


「ピギ!」

 フルフルまでシロに加勢しようと素早く動く。

 レジーナの足に絡みつくつもりだろう。


「フルフル、シロ。落ち着いて」

「ぴぃ?」「めえ?」

 フルフルもシロも「なんで?」と言っているようだ。


「フルフル。シロ。この人は味方だ」

「勝手に味方と決めつけるな!」


 レジーナは喚くが、フルフルとシロは落ち着いたようだった。

 そんな神獣たちにゼノビアが言う。


「シロ。フルフル。大丈夫。ウィルは安全だからこっちに来なさいな。お菓子をあげよう」

「めえ」「ぴぃ」


 嬉しそうに神獣たちはゼノビアのもとに走っていった。

 それを優しい目で見つめながらディオンが言う。


「まあまあ、レジーナ。ウィル君の話を聞いてから判断しましょう」

「ふん!」


 レジーナはゼノビアの正面の長椅子へと戻って座った。


「ウィルとか言ったな。貴様が師匠の生まれ変わりだと信用させてみろ!」

「わかった。俺しか知らない、ミルトやゼノビアも知らないことを話せばいいか?」

「ああ、話せるものならな!」

 俺はゆっくりとゼノビアの近く、つまりレジーナの対面へと移動する。


「あれは……。そうだな。たしかレジーナが四歳の時の話だ」

「ふん? 四歳だと? おれ自身そんな幼い頃の記憶はない。適当なことを言うつもりだろう?」

「伝説の剣豪に憧れていたレジーナはゼノビアの剣を持ち出して……」

「……ん?」

 レジーナの発していた殺気が消え去った。


「レジーナは侵入を禁じられていた俺の研究室に――」

「あぁあああーーー、もう大丈夫、大丈夫だよ」

「まだしっかり話していない。これからが本筋なのだが……」

「いや、充分わかった! わかったよ! 勘弁しておくれよ!」


 レジーナは顔を両手で覆って真っ赤になっていた。

 どうやらレジーナはわかってくれたようだ。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ミルトだけが、人族なんだ…。 今度の戦いに参加出来るんだろうか…。 参加したいだろうし、参加するだろうけど…心配。 [一言] もしかしたら、ミルトも一緒に神様になれる?
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