第6章第14話 人を従わせるのに必要なものは、その人の魅力だ!
5月8日正午
「しゅ、駿くん大丈夫?」
オレはぐたっとしている。
全身筋肉痛でな。
痛いわ。
あのあとあんなに痛みが襲ってくるからな。
魔力も9割枯渇していたし、回復にはまだ一週間は必要らしい。
今はリアを召喚していることで限界だ。
今は天界に帰しているけど。
「大丈夫じゃない・・・結構キツイ」
「でも本当に大丈夫?このあと応援練習だよ?」
応援練習なんて季節はずれじゃん。
あんなの四月の終り頃にやるだろ?
「なんで今更」
「なんか私たちがロンドンに行っている間に第一回が行われて、今回は二回目。県大会の応援練習らしいよ」
面倒だな、逃げようかな・・・。
まあ、どんなものか見てみる分にはいいと思ったので行ってみた。
「こ、これは・・・つばさ、逃げた方がいい」
中では拷問としか言いようがない応援練習が行われていた。
まるで戦争時の訓練みたいな。
ってところでつばさは連れていかれた。
心配だし、ついていかざるを得ないな。
「・・・あれって酷すぎだろ」
もう、声出さない奴は怒鳴りつけてる。
しかも顔との距離が1cmくらいしかない。
高校の応援練習ってこんなもんなのかな?
まあ、ここまでは許せたけど殴るってのはおかしくね?
オレこんな奴らに従いたくねぇな。
オレは声を出すのを怠った。
するとすぐさま3年がやってきてオレに怒鳴りつけてきた。
「おい、やる気あんのか?」
「キモい顔近付けるな。あと口が臭い」
うっわ、胸倉掴んできたよ。
てかなんで風紀委員いないんだよ。
応援委員ってウザいな。
流石、権力を振りかざそうとするゴミムシ。
こんな奴らの中にはマシな奴はいない。
なんかオレをステージに連行していこうとしてる。
まあ、面白いからもう少し黙ってよ。
オレは微笑みながら連行されて行った。
ステージに連行されているものは約20人。
全体の約10%か。
結構いるな。
オレは動きたくもないので周りの奴らが何やってるか眺めてみた。
暫くボーっと見てた。
そこで、オレはとんでもないものを目にした。
「!?野郎てめぇ、ぶっ殺す!!」
あいつら、つばさに手をあげやがった!!
オレが怒鳴ったあとに数人がかりでオレを取り押さえに来たが、オレはそれをもろともせずに・・・てかそれを華麗に避けながらつばさにつかみかかっているゴミを蹴り飛ばした。
「ふざけんなよ・・・てめぇら。お前ら先輩だからと言って権力濫用してるみてぇだけどよ。オレに刃向かうなんていい度胸してるじゃねぇか」
「てめぇ、何したか分かってんのか!?」
ウゼェゴミだな。
後輩を従わせたい奴らはおかしい。
「お前ら、人を従わせるのに何が必要だか分かってんのか?年齢の差なんかじゃ人を従わせることはできない。従わせるには、自分を信頼してもらえる、そんな魅力が必要なんだ」
うむ、正論だ。
オレは、これが日本の悪い意識だとおもう。
年上を敬うと言うことは。
自分より低脳な年上なんてこの世にいくらでもいるし。
なんかあいつら滅茶苦茶怒ってるみたいだけど、怒りはオレの方が圧倒的に上だな。
オレを囲んでも無駄だ。
オレは純粋な力も持ち合わせている。
このエクスカリバーで・・・か、刀がない・・・。
そうだ、家に置いてきたんだ。
単純な腕力ないから大丈夫かな・・・オレ。
そう思った時だった。
体育館内に二つの銃声が響いた。
「てめぇら、学校の風紀を乱すんじゃねぇよ。先輩とか後輩とか関係ねぇ。生徒だろうが教師だろうが対等に扱うのがこの学校の規則だろうが」
・・・亮平・・・。
と、風紀委員の皆さん。
オレの味方してくれるんだ・・・。
「今回の言い分は片瀬の方が正しい。年齢差で従わせようとするのはおかしい。従わせたいなら力ずくで従わせろ」
おい、最後のはちょっと違うぞ!?
従う人は自然と従ってくれるんじゃないのか?
だが流石風紀委員長といったとこか。
応援委員が畏怖の念を覚えている。
逃げ出す奴もいる。
「逃げさせはしない。オレがな」
もうひとつの銃声が響いた方向にはまさかの骸がいた。
「む、骸!?」
「悪いな。離れていて。あれからいろいろ情報を調べたらオレの勘違いに終わったようだった。すまないな」
それは別にいいけど銃刀法違反は?
それを言っちゃ亮平もだけど。
「銃刀法違反なら大丈夫だ。オレもはやてさんにお願いしてお前の社に入れてもらったからな」
ああ、なるほど。
あの社に入れば銃の所持は日本でも公認だからな。
「ついでにオレは法で裁けないような世界の住人だから関係なし」
・・・そうですか。
「それより・・・だ。こいつらの処分は被害者であるお前らが決めた方がいいだろう」
亮平がそんなことを言い出した。
いつの間にか風紀委員に縛られていた応援委員は青ざめているが、丁度いい。
ひとつかふたつ年上の高校生十数名が200人以上の生徒を敵に回すとはね。
面白いことになってきた。
「みんな、怒りをぶつけろっ!!」
その後、応援委員の半数は学校をやめたという。




