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片瀬の日々  作者: STORM
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第6章第15話 何故か骸がいなくなって、気まずい空気になっているんですが

「骸、お前にいろいろ聞きたいことがある」

「ああ、あのことか。悪いな、勘違いして。お前無理やりさせられたんだってなw」

ああ、どっかの変態社長にな。

今は故人だがw

「それをどこから聞いた?」

「俺はあれからお前に関係がある人間から徹底的にお前について調査した。そしてはやてさんからようやく聞き出せた情報がこれだった」

・・・まあ、誤解が解けてよかったよ。

「それで、あの時お前と一緒にいた奴は?」

「俺と組んでたパートナー。名は桜凛(おうりん)という、中国人と日本人のハーフだ。あいつも今日本に来てるぞ。そしてお前の会社の新社員でもある」

そう、あいつも入ったんだ。

てかはやて姉、オレに決定権あるっつってたのに滅茶苦茶ひとりで決めてんじゃんw

まあ、いいけどさ・・・。

「それよりさ、帰ろうぜ。久々にさ」

切り替え速いな、無駄に。













「今日はゲーセンでも行くか?」

骸が久々に帰ってきたんだ。

徹底的に遊ぶか。

「いや、駿の家に行こうぜ」

「何故!?」

「つばさちゃんも行くよな?よし、決まり!」

勝手に決めんなよ。

つばさが戸惑ってるし。

断われよ。

「別に来てもいいけどさ・・・」

「じゃあ、オレの車に乗ってけよ」

免許あんのか、こいつ。

無いよな、間違いなく。

こいつまだ15歳だから。

「無くてもいいじゃんw」

いいじゃんじゃねぇ!!

「オレは歩いて帰るからな」

骸は変な顔をしながら、「乗ってけよ〜」と言っていた。








「乗せてもらえばよかった・・・」

オレの家から学校は徒歩で20分。

また、その逆もやはり同じで20分。

そして家の前には骸がとうの昔についていたかのように暇を持て余していた。

車にはつばさもいる。

なんだかんだで連行されてきたんだ。

「お、お疲れさん」

「そっちは楽でいいですね・・・入りたきゃ入れ」

とりあえず中に通した。



なんでこんな家に来たがるのか。

何もないじゃねぇか。

ただ、他の家よりは大きいから集まるのにはいいな。

「あ、俺ちょっとコンビニに行ってくる」

お前がいちばん来たがってただろ。

なんで今更。

先に買っておけよ。




「まあ、飲み物でも持ってくるよ」

何故か緊張しているつばさに対して、オレは言った。


ってか、つばさ炭酸大丈夫かな?

コーラとかファンタしかねぇよ。

・・・あとはお茶か。

オレは麦茶が好きで、夏じゃなくても飲んでいる。

基本的にジュースとかは飲まない。

小さい頃からジュースとかで虫歯にならないよう、親が心がけていたためにこうなってしまった。

それと、小さい頃はスナック菓子とかも食わせなかったらしい。

無駄に気使ってるな。

ま、それが愛情って奴なのかな。

「おまたせ、炭酸飲めるか?」

「え?そんな、子供じゃないんだから」

おお、良かった。

時々飲めない奴いるからな。

錬磨とか。


オレたちは部屋で骸を待っている間、ポテトチップス(コンソメ味)を食べながら、「この家でコンソメ味はオレしか食べないんだよ」と某新世界の神のセリフを吐いていた。

そもそもこの家にオレしかいねぇし。

ちなみに、つばさは「え・・・と、太るから遠慮しておくよ」と言っていた。

遠慮しなくていいのに。



「なあ、大丈夫だったか?」

「え、何が?」

「応援練習」

あれは酷い。

正直酷い。

「大丈夫だよ。心配してくれてありがとう」

つばさが微笑む。

骸は一撃死するな、この笑顔で。

「ったく、あいつら。人間を年齢で格差を決めつけるのはおかしいんだよ。日本の悪い伝統だ」

「それは違うよ。確かにあの人たちはやりすぎたけど、敬うべき人は歳上に多いよ。だって私たちよりもいろんなことを経験してるんだから」

オレは間違いなくあのゴミらよりはいろんなことを経験しているな。

「悪かった。オレの考え方が間違ってた」

正論だと思ってたんだけどな。

「人間の価値は年齢じゃないけどね。やっぱりその人自身の魅力が人間としての価値だと思うよ」

果たしてオレは人間としての価値はあるのか?






暫く経ったが、未だに骸が帰ってこない。

コンビニなんか徒歩5分程度で着くのに。

そんなに悩んでるのか?

「あいつおせぇな」

「え・・・そうだね」

「コンビニって・・・近くにあるのにさ。あ、コンビニの中華まんは何が好き?オレは専ら肉まんだけどさ」

「私は食べないな・・・太るから」

さっきから体重のことばかり気にして。

そんなに体重重いのか?

身長はだいたい150cm程度だけど・・・。

測ってみたいな。

「つばさ、こっち来てくんない?」

オレはつばさを呼んだ。

そして、そのまま・・・。

「ひゃっ!?な、何するの!?」

オレはつばさを抱きかかえた。

勿論、お姫様だっこでな。

抱えた感じは軽いけど・・・。

つばさが頬を赤らめてる。

可愛いな。

「可愛いな・・・」

「え、本当?」

あ、つい口に出してしまった。

一応、感じたことだから正直に答えておくか。

「ああ、可愛いよ」

つばさの頬が一層赤くなった。


と、ここで到着だ。

脱衣所だ。

「・・・い、一緒にお風呂入るの?」

「んなわけねぇじゃん」

オレはヘルスメーターを取り出して、それにつばさを乗せた。

何が起こったかよく分かってないような顔でオレを見ている。

「32kgか・・・軽っ!?」

ありえないでしょ。

「お前少し太った方がいいよ、あと8kgは増やせ」

「や、やだよ・・・その前に体重見ないでよ・・・」

気にするな。

「気にするな、重くない、むしろ軽いから」

「・・・そうなんだ」

つばさはホッとしたような顔をしていた。






部屋に戻ったが、骸は未だに帰ってきていない。

その上、話題がない。

この沈黙をどう破ろうかと思っていたが、急につばさが話しかけてきた。

「ふ、二人きりだね」

「さっきからずっとな」

・・・二人きり・・・。

マジか!?

ヤバいぞ。

女子と二人きりになっていい思い出はほとんどない。

記念すべき1話ではいきなりはやて姉に襲われたし。

さらに、肝試しの時も柚季に・・・ああああああ、思い出したくない・・・。


つばさが奴らよりも内気な子だったのがせめてもの救いだ。

あいつらは何をしでかすかわからん。

「・・・私、今でも駿くんを諦めきれない」

え、いつもより積極的じゃね?

「諦めてくれ、オレには既に・・・!?」

既に彼女どころか娘がいる・・・と言おうとしたら口が柔らかいもので塞がれた。

そして、それからは甘い味がした。

「駿くん、これ私の初めてだよ」

・・・つばさ・・・。

オレは、つばさのキスが無性に嬉しかった。

この一時だけは、千秋の事を忘れてつばさのことだけを考えていた。

つばさをオレのものにしたい。

そんな気持ちもこみあげてきた。


恐らく、オレには今まで周りに普通の女の子がいなかったからこんな気持ちになったのだろう。


はやて姉は魔砲使い、千秋はお嬢様、はるかはメイド、刹那は剣士、円と柚季は魔道師、暁は・・・なんだろ?

まあいいや。


オレと初めて仲が良くなった普通の女の子。

それが、つばさだった。

どこまでも女の子らしく、どこまでも純粋な心を持っている。

オレはつばさといることで平凡を求めていたのかもしれない。

既に、両手を血で染め上げたにもかかわらずな。

「つばさ!!」

オレはベットにつばさを押し倒した。

もう、理性など働かない。

普通の子と幸せになる道だってある。

そうだ、そうだ。

わざわざ危険な生き方をする必要もない。

普通に暮らして、普通に働いて、普通に家庭を築く。

そんな生活でもいいじゃないか。


「駿くん・・・どうしちゃったの?」

「・・・ごめんな、今までつばさの気持ちを軽く見ていて・・・」


オレはそう思いながら、つばさを抱きしめた。


それと、多分人生初の浮気だ。

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