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片瀬の日々  作者: STORM
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第6章第13話 刀では表せない、騎士の誇り。具現するとき、奥義は神髄に

刀の奥義を騎士剣に対応させる。

これがこれほどまでに難度が高いものだとは思ってもみなかった。

重さは刀より重いし、この剣は両刃だし。

今まで扱ってきた代物とはまるで違う。


「神髄・・・か」


防戦一方になっている。

正直このままじゃ危ない。

剣をどう使うか。

奥義をどう対応させるか。


「私は日本人じゃないわ。そのことを考えて剣を振りなさい」

リズが助言をくれる。

リズが日本人じゃない。

んなことみりゃわかるよ。

でも剣とどういう関係なんだ・・・。

・・・わからない。

何を言いたいのか理解できない。

剣との関係。

今使っているのはリズの母国の剣。

いつも使っているのがオレの国の刀。


・・・なるほど、そう言うことか。


「日本の感覚じゃなく、外国の感覚で奥義を使えばいいんだ」

「そうよ、それが私が編み出した奥義の神髄。地球で最もポピュラーな感覚に作り変えた真の奥義」


ふふふ、これで分かった。

オレに負けはない。


「九代目真一刀奥義・ネクロワールド!!」


百鬼夜行の比じゃねぇ・・・。

この邪気・・・桁外れだ!

風景からなんかバイハザ的な雰囲気が漂って。

オレが世界を作り出したのか・・・。


確かに、これは一味違う。

百鬼夜行は妖怪をイメージするが、ネクロワールドは死体・・・それも中世ヨーロッパの戦争で命を落とした兵士たちを思いうかべる。

なお、奥義名は何故か頭に思い浮かんだ。


「気を使って死の世界に(いざな)う。これがネクロワールドよ」

この幻影で悪魔が少し戸惑っているな。

オレも少し優勢になってきたかな。

やり方が分かったなら、他の奥義でも出来る筈だ。


「七代目真二刀奥義・ヴェールオブダークネス!!」

辺りに漆黒の霧が噴き出し始める。

それはもう、フクロウでも見えないくらいに。

それにコウモリの超音波ですら響かない・・・というより、かき消される魔性の闇でもあった。

視界に映るものは漆黒。なんの気配もなく、手は空を切る。空気は味もせず、匂いもない。そして、何も聞こえない。

五感全てを奪われた奴に、もはや死しかなかった。

如法暗夜は視界を奪うだけなのに。

飛び散った鮮血すら見ることはできない。

なお、これは幻覚の一種である。

発動者はきちんと正常な感覚を持っているので、オレには特に影響はない。

ただ、周りにいる無害な人には影響はあるが・・・。

ちなみに、これを修得しているものには影響はない。



かなり気力の消費が激しい・・・。

通常の10倍近くは・・・軽く超えてるな。


・・・終わりにしようか。

「さんざん手こずらせやがって・・・。この幻術もかなり体力消耗するんだぞ・・・。止めにする・・・十代目真一刀奥義・アブソリュートゼロ!!」

オレは悪魔を斬りつける。

そして切り口から冷気が噴き出し、凍り始めた。

絶対零度を極限まで高めた奥義。


ちなみに絶対零度、アブソリュートゼロの範囲は調整できる。

それを知ったのはこの時代に戻ってきてリズと別れる時だった。


凍りはじめる速度は絶対零度の十倍。

そしてその痛みも十倍。

氷の密度も十倍。

全て十倍。


悪魔が閉じ込められた氷柱は澄んでいる。

これではただ単に封印しただけだ。

人間ならこれで死んでいるが悪魔ならこのくらいなんてことないだろう。

だから、オレはこの状態で氷柱を砕く。

鉄よりも硬くなっている氷をオレは斬る。


「六代目真一刀奥義・ダイヤモンドダッシャー!!」


真一文字では斬れないものを切断することができる。

つまり、何でも切断できる。以上。


氷から、悪魔は真っ二つに両断されて、滅された。




「終わったか・・・」


うわ、すげぇ脱力感・・・。

もう立てねぇ・・・。

「大丈夫ですか!駿様!」

倒れる寸前、はるかが支えてくれた。

そして、それに続くようにみんなが集まってきた。

「みんな、悪いな・・・呼んだのに何にもさせなくてさ」

「それは間違いよ、駿くん。みんなはあなたに魔力を与えていたわ。私の魔術でね」

はやて姉・・・そんなことしてたんだ・・・。

「それがなければネクロワールドすら発動できなかったわよ。この状態でも発動できなかったらわたしが殺してたかもね」

・・・何て冗談を。

てかリズの言うことは冗談じゃない。




「なんていうか・・・、まあよかったよ。錬金術しか使えない俺でも役に立てて」

轟騎が笑いながらやってきた。

そう言えば轟騎は何やってたんだ?

錬金術師は魔力は使えないはず。

「魔力収集装置を作った」

それではやて姉は魔力をオレに送りこんでたわけね。

なるほどなるほど。




「そう言えば・・・暁は・・・」

「暁ならいないわよ。あの子魔法使えないし」

あ、そうか。

そう言えばはやて姉は魔術師の家系じゃないのになんで魔法使えるんだろう。

オレにはしっかりとした(?)理由があるけど。

「私の魔術特性は魔砲。禁術のひとつよ。禁術は自分の魔力を根本から使うものもあれば、自分の魔力は使わないで周りから吸収して使う術もあるの。私のは周りから集めるタイプね。それ故にあまりの破壊力と無害な人への損傷から禁術といわれているわ」

「それから私の千手は、根本から魔力を酷使するタイプだ。これは人の(いのち)をも魔力に変えて利用する術として禁術に指定されている」

はやて姉と椿姫の説明があったけどイマイチだな。

まあ、いいか。





みんなでじゃれあっていると奥から殺気を感じた。

「こ、この殺気は・・・」

ゆ、柚季だ・・・。

オレは恐る恐る奥に目を向ける。

うっわ・・・。

黒いオーラでてるよ・・・。

ひでぇ・・・。

こえぇ・・・。

な、なんか呟いてる・・・。

えっと、何々?

オレは読唇術を使った。


<先輩、なんでそんな女とくっつくんですか?>


え?

て、手に包丁持ってやがる・・・。

どうしよう・・・。

ここは素直にはなれるか・・・。

てか、逃げよう!


オレはあまりの恐怖に逃げだした。


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