第6章第10話 椿姫の禁術・千手真相。それと同時に明らかになる前世
前回投稿したのはなぜか続編で作ろうとしていたものになってました。
「オレを・・・試す?」
「そう、私に見合う人物になれたかどうかを」
・・・はい?
「昔、お前は私にこう言った。いつかオレがお前より強くなれたら結婚を申し込むと」
・・・え?
記憶が完全回復したオレの記憶にもないんですけど、そんなこと。
「・・・え、あの、オレにそんな記憶ないんですけど?」
「そりゃそうか。これは前世の話だからな」
電波ですか!?
あんた電波だったんですか!?
そりゃしらねぇよ、普通の人間には!!
前世って・・・おい。
「それなら、これを首にかけてごらん」
オレは綺麗なネックレスを手渡された。
綺麗だけど、妖しげな光を放つ不思議なネックレス。
この宝石は・・・ムーンストーンかな?
そんなことは置いといて。
オレはネックレスを首にかける。
その瞬間、オレの脳裏にひとつのビジョンが焼きついた。
「・・・あのことは気にするな。魔術師に剣であそこまでやれたんだ。お前は立派な剣士だよ」
・・・椿姫によく似ている。
・・・雰囲気が。
顔は全然似ていない。
だってあいつら西洋人だし。
まあ、恐らくこの人が椿姫の前世だろう。
「そんなことはない。オレは剣、お前が魔術。オレは魔術を使えない。故に剣に頼るしかない。普通の人間じゃ魔術師には勝てない。だが、いずれ魔術をも超えた剣術を修得し、魔術師を倒す剣士となろうじゃないか」
なんか崖に佇んでいるのは・・・オレの前世か。
「・・・それならどうだ?私に勝てたら・・・ひとつ願いをかなえてあげよう」
「そんなこと言っていいのか?なら、オレは勝てたらお前をオレのものにする。つまり、結婚を申し込むよ」
何言ってんだよ!?
てか、本当だったんだ。
「・・・この身はお前に捧げるためにあるのに・・・。そんな約束しなくても・・・」
「これはオレ自身への戒めだ。女に勝てないんじゃ、男として悲しいからな」
オレの前世め、キモい言葉吐きやがって・・・え、オレも吐いてるって?
オレは・・・とりあえずいいんだよ!
ここでビジョンが途切れた。
「中途半端なとこで終わんなよ・・・」
内容はなんとなくわかったけどさ・・・あくまでもなんとなく。
それに強くなったか試せば絶対零度で一発合格だろうし。
でもなぁ・・・。
別に結婚する必要もないし・・・。
オレには千秋いるし・・・。
「ふう、結婚のことは後ででいいが。それよりも私が人を殺していたことに疑問は抱かないか?」
「・・・まあ、確かに。それを調べに来たんだからさ」
「私の禁術・千手は人を殺した数だけ腕の数が増えていく。正確にはその腕はその人の魂なんだ。最高一万本の腕になり、リーチは最大10kmになる」
千本じゃないのかよ!?
千手でしょ!?
ってか、マジでベクターじゃん。
「とある事情で前世の頃の力を取り戻さなければならなくなった。だから力を蓄えていたのだよ」
とある事情?
また面倒な展開か?
「事情とは?」
「悪魔。前世の頃、私とお前はとある悪魔を封じ込めた。フランスにあるある時計塔の地下に。その時に、お前の前世は命を落とした」
死んだのかよ!?
「勿論、今の私は以前のような強さを持ち合わせてはいない。そこで今、お前にこの件を頼むことにした。私もついていくが」
・・・。
悪魔・・・か。
「悪魔の名は?」
「フローディンだ」
「リア、聞いたことは?」
オレはリアを召喚して尋ねる。
悪魔のことは天使に聞いた方が手っ取り早いしな。
「・・・わらわには分からん。何せ、わらわは生まれてから十数年しか生きていないのだからな。他の天使を召喚して聞いてみたらどうだ?」
そうか。
確かオレより少し上ってとこどったな。
その封印した話は数百年前の話のはずだからな。
分かるはずもないか。
「仕方無い。召喚するか」
オレは召喚の支度を整え、
「我、今誓う。誇り高き大天使の力を求めんと!!」
この詠唱は以前リアが見つけてくれたアークエンジェルの召喚詠唱。
こんなとこで役立つとはな。
暫く待つととても大きく、白銀の翼をもつ天使が現れた。
「お前がわたしを呼んだのか?わたしはフローレンス」
そう言えばあの悪魔と名前似てるな。
「フローレンスよ、ひとつ尋ねたいことがある。フローディンという悪魔を知らないか?」
単刀直入に聞いた。
余計な話は一刻を争うような気がしたからな。
「フローディンはわたしの弟。あいつは悪魔というより堕天使なのだよ。天使も悪魔も根本は変わらないのだが・・・」
・・・やっぱり兄弟か。
確か天使も悪魔と同じような存在と聞いた。
悪魔だろうが天使だろうがいい奴はいい奴で、悪い奴は悪い奴だということも。
非常に面倒な世界だな、天使の世界って。
まあ、人間にいい奴と悪い奴がいるように、天使にもいい奴と悪い奴がいるんだろうね。




