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片瀬の日々  作者: STORM
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第5章第14話 綺麗な空、透き通るような海。こんなとこあったっけ?

「ついたのか?」

オレが目を開けて最初に見た光景は青空だった。

雲ひとつなく、透き通るような青で。

こんなとこあったっけ?

ま、いいか。

体を起こし、あたりを見回す。

ここは浜辺か。

海も空と同じく、透き通るように綺麗だ。

そんなことはどうでもいい。

現在地を確認しないと。


「リア!」

とりあえずリア召喚。

リアなら現在の時間と位置を教えてくれるだろう。

「なんの用だ?」

「今は何時?それからここどこ?」

「ふう、現在は主が生きていた時代から約500年前の山中市だ。正確には山中市ができる場所だな」

・・・500年前!?

はぁ!?

・・・あの装置、故障したのか!?

今更こんなこと言ってもな。




500年前って言ったら・・・オレの流派の十代目の時代か。

・・・十代目といったら歴代最強の剣豪。

・・・これも運命なのかもしれない。

山中市ができる場所で受け継がれてきた剣技だから確実にいるはずだ。

歴代最強の剣豪。

彼は唯一全ての奥義を修得した剣士。

今ではオレも1から9までは使えるが。

しかし、十代目の奥義は歴代で十代目しか使うことができなかったといわれている。




十代目一刀奥義・絶対零度




斬りつけた傷口が凍てつき、そこからわずか1秒で血を凍らせていく。

これについて記した文献もこの程度の事しか載っていない。

そう、この奥義は唯一奥義書が残されていない奥義である。

他の書物に、絶対零度の文献を十代目自信が焼いたと書かれている。

十代目は十一代目に口伝で教えたと伝えられているが二人とも使うことは儘ならず、それ以来型だけは伝えられてきたが誰も使うことはできなかったという。

そして、彼が26歳の時に行方を晦ました。


「・・・リア、十代目に会いに行こうぜ」

オレは絶対零度を修得したい。

別に帰るのはこの後でもいい。

今は、十代目に会いたい。










オレはとりあえず村人に聞いて回った。

多少言葉の変化で話が上手くつながらなかったところもあったが、なんとか居場所は割れた。


「・・・ここが十代目の・・・」

それなりに大きな家だった。

ここに十代目が・・・。

「・・・ごめんください」

オレが戸を開けると、そこにはひとりの剣士が。

が、オレの想像していた剣士ではなかった。

紅い瞳、銀の髪、明らかに日本人ではなかった。

それに十代目は女性だった。

「何しに来たの?」

しかし、彼女の強さは本物だ。

先ほどの声を聞いただけで鳥肌がたった。

「オレに、あなたの編み出した奥義・絶対零度を教えてください!」

単刀直入に言った。

てか、これ以外に用事ねぇしw

「先に名を名乗ったらどうなの?」

「オレは片瀬駿と申します」

「姓があるということは・・・武士の子ね」

会話を重ねる度、オレに畏怖の念を与える。

十代目は・・・今まで戦ってきた人間を全て足して100をかけた強さより強い・・・。

気の出し方から違う・・・。

「生半可な覚悟じゃできないわよ」

「覚悟しています。オレは・・・剣の腕には自信がありますから!」

オレは得意げに言った。

圧倒的な威圧感に負けないようオレも声に覇気をこめて。

「分かったわ」

十代目は壁に立てかけてあった細い剣を手に取ると、オレに向けた。

「そのくらい言うなら、完膚なきまでに叩きのめしてあげるわ」

えぇw

なんでそうなるの!?

力量をはかるんだろう。

たとえ負けてもオレは悔いはない。

こんな強い人と戦えるんだからな!


「行くぜ!」

オレは人間が出せない速度で十代目を襲う。

「あなたの体、壊してあげるわ」

なっ!?

あ、ありえない!?

十代目はオレをも超える速度でオレの後ろに回った。

追いつけない・・・。

オレはなんとか攻撃を防ぐことができたが、足が震えていた。

今までこんなことなんてなかったのに!!

「足が震えてるわよ?怖くなっちゃった?」

・・・怖いってレベルじゃない・・・。

オレは地獄を見ている・・・。

・・・ありえない・・・。

「奥義、鬼哭啾啾。この奥義は斬った者を永遠の恐怖に陥れる魔の剣技」

・・・当たってないはずなのに・・・。

「このわたしに防御なんて無駄よ。精神から先に壊していってあげる」

・・・あ、足が・・・動かねぇ・・・。

怖い。

純粋にそう思った。

オレが・・・。

恐れるものなど・・・存在しなかったはずなのに・・・。

・・・この人は本気でオレを殺す気だ・・・。

でも・・・ここで死んだら・・・梨瀬や翠香、月読と琉那がこの歴史から抹消されてしまう・・・。

そんなことは・・・。

「そんなことはオレがさせねぇ!」

剣を構えなおす。

今は恐怖より、守りたいものを思う気持ちの方が数段上だった。

「二十二代目二刀奥義・森羅万象!!」


この奥義は、オレが編み出した奥義。

一言で言う。これを打ち破れるものは、おそらくこの世には存在しない。

この奥義は、二本の腕に己の全てを込め、刀に全てを委ねる。

自身は動くことはないが、近距離に迫ってきた者は全て断ち切る。

・・・誰であろうともな。

これを使った後は体力が無に等しくなるから使いどころが肝心か・・・。


「・・・合格にしてあげるわ」

え・・・。

「あなた、わたしの弟子よりも有能よ」


十一代目を超えた・・・。

これだけでもうれしい・・・。

でも、そんなことよりオレは絶対零度を修得する権利を得た。

それだけでも大きな進歩だ。

とにかく、今はうれしい。

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