第3章第10話 え、懐かしのあのお方は魔眼使い!?
同日午後11時
「中に入ってみたが、誰もいないんだな」
「それはそうです。ここはもう数名の社員しか残されていませんから」
ホントに潰れかけてるな。
「で、社長はどこだ?」
「社長室は・・・こっちか」
オレははやて姉にもらった地図を見てみんなを案内する。
「ここを曲がれば社長室だ」
そこでやはり敵が現れた。
「お、お前は・・・」
「・・・どうしてここにいるのですか?」
そこには元クラスメートがいた。
「あ、飛鳥・・・何故・・・」
そこには飛鳥がいた。
「私の叔父さんがここの社長でね、それで・・・ここに来た刺客を消すように言われているの」
バカな、飛鳥にこんなことは・・・。
「私ね、魔眼を持っているの」
「魔眼・・・死神の眼、直死の魔眼、妖精眼、邪視眼、写輪眼などなど数々の魔眼がある。この少女が持つのは・・・一体・・・。なお、黒龍の魔眼は売れば高い。以上」
か、解説ありがとう・・・亮平よ・・・。
にしてもこいつの雑学はすげぇな。
オカルトなことに関しては。
ってかほとんどマンガやアニメの魔眼じゃねぇか!
しかも写輪眼って瞳術じゃねぇか!
黒龍の魔眼なんてもはや素材だし!
まあ、いいか。
「私の魔眼は・・・イービルアイだよ」
イービルアイ・・・邪視か・・・。
まあ、そんなこと知ったところでオレは・・・戦えない。
「片瀬、何やってんだよ?てめぇの身体能力なら魔眼を圧倒できるだろうが」
亮平が少し怒り気味にそう言った。
「ったく、焦れってぇ。俺が殺してやるよ」
亮平は銃を構える。
「止めて・・・くれ」
「ああ?」
オレは亮平を制した。
飛鳥が死ぬところなんて、見たくはなかったからだ。
仮にも昔好きだった人だ。
殺す相手だとしてもそう簡単に殺せなどいえない。
「ふざけるな」
亮平はいつものような口調ではなく、真面目な口調で言った。
「お前は覚悟したんだろ、お前の大切なものを奪おうとする奴を叩き潰すと」
ああ、オレは確かに千秋を守るために・・・。
「甘ったれんじゃねぇよ。俺だって好きでここにいる訳じゃねぇ。俺はお前についていくと決めたからここにいるんだ。覚悟したことを、そう易々と捻じ曲げるような奴は・・・男じゃねぇ!!」
・・・オレはこのときの亮平がカッコよく見えた。
こいつは本当の漢だと思った。
「こいつを殺したくないなら殺さなきゃいい話だ」
亮平はそう言って飛鳥を撃った。
「あ、飛鳥!?」
オレは倒れた飛鳥を見て涙を流していた。
確かに敵だけど・・・確かに出番は少なかったけど。
それでも殺すことはないじゃないか!
殺さなきゃいいだろって言っただろうが!
オレは亮平を睨んだ。
すると亮平は一発の弾丸を投げてきた。
「・・・安心しろ、麻酔弾だ。わかったか?」
亮平は少し笑って見下ろしていた。
「お前も少しは死に慣れろ、片瀬」
死に慣れることなんてオレにはできない。
だが、亮平の言ってることも一理あると思う。
いずれ家族や友達が死んだとき、このまま立ち直れないってこともあるだろう。
亮平の「死に慣れろ」って言葉は・・・たぶん「死を受け入れろ」ってことを言いたかったんだと思う。
今回は死んではいないが、その時にオレがどう思うか想像して言ってくれたのだろう。
そんなことを考えさせられる一時だった。




