この愛を受け取って
極小サイズの水球が幾つもマルナを襲う。
その度に与えるダメージは微々たる物であるが、数を重ねればそうは行かない。
小さな傷が作られる度に血が流れ、それが継続するとなれば失血死すらあり得る。
そんな状況でありながら、マルナは全く動きを見せない。
それが意味するところは諦めた、もしくはタイミングを待ってるかのどちらか。
(タイミングだろうがな。もう対策されたのは残念だ。伏兵を潜ませるか)
あからさまな態度で油断なんて誘うタイプじゃねぇし、何が来ても対応できるって自信の現れだろうしな。
なら、その自信に乗らない手はない。
ニヤリと笑った俺は、近くを通り掛かった水球に血を一滴垂らす。
その一滴は水球の中心で破裂すると全てを赤黒く塗り潰し、赤黒い球へと変わった。
球は重力に従い下へと落ちると大海の中へと沈んで行く。
これで仕込みは完了。
「何をするつもりなのかしら?」
「さぁな。それより、もう対策しちまったのかよ!早いな」
身体でも強化……いや、取り込んだか?相容れないから簡単には取り込めないはずだが……
「全然そう思っていないでしょ?それにしても、貴方にしては珍しく何もなかったわね?」
「おいおい、期待されてたか!なら、その期待に応えてやるよ!」
元々違う用途で使うつもりだったが取り込まれたのなら好都合!
取り込まれたって事は全身に行き渡っているって事だろうからな!
「破裂しろ」
「ッ!?!?」
俺がそう命じるだけで仕込まれた爆弾が破裂し、奴の全身から血が溢れだす。
「どうだ?期待に添えたか?」
「はは……ええ、そうね……期待以上よ……あなたを殺すだけでは満足できないくらいにはね!!」
「そうか!なら殺してみろ!ほらほら、俺はこっちだぞ。掛かって来いよ。掛かって来――ッ!?」
あっぶね!!!
掛かって来ないならお前のプライドズタズタにしてやる、て言いたかったが……ヤバい。
一瞬でも油断したら俺がヤられる。
「どう?私の愛は貴方に届いた?」




