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期待ハズレ
「ちぃ!侵入者はまだ見つからないのか!?」
ドタバタと慌ただしく動きまわる者達の中、豪華な椅子に偉そうに座る男は部屋中に響く大声で叫んだ。
「っ!すいやせん!俺達も力を入れて探してやすが、侵入者は手練れらしく尻尾を掴む事も出来てやせん!」
「ああ?!んな事は関係ねえ!!全力で!死物狂いで見つけ出せ!!」
部下の謝罪も鎧袖一触。ボスは苛立った声で死ぬ気で探して来いと叫ぶ。
「で、でやすが、皆疲れてるで――」
「いいからさっさと探せぇえええ!!!」
「「「は、はい!!」」」
有無を言わせずに無理を強いるボス。
部下達はヘトヘトのまま侵入者を探しに部屋を後にする。
(部下はまともなのが多かったが、そいつらのボスは酷いもんだ。部下の事をなんとも思っていない)
その様子をひっそりと隠れて観察していた密偵は、ボスに対して侮蔑の目を向ける。
(街を占領した奴らはどんなものか楽しみにしていたが、これは期待ハズレだ)
これ以上は観察していても無駄だと、密偵は静かにゆっくりと誰にも気付かれずにボスの背後に立つ。
未だに喚き続けるボスに向けて右手に持ったナイフを―――




