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5話 わずかな期待
静かな部屋に本音が響く。
しかし、何も自分には起こらない。
気づいたのは窓にいたカラスがカアと鳴き声飛び去る後姿が見えた。
そうしてまたひと月が巡り魔法使いの話題はそれきり聞く事はなかった。
相変わらずミアは週末に社交界に出かけてはオズボーン伯爵と逢瀬を交わしているらしい。
そんな日常が変わったのは昼食のトレーを返しに来た時にお義母様から掛けられたひと言だった。
「ねえ、ルナ」
あまり、彼女に名前を呼ばれないせいか耳を疑った。
「はい!」
急な呼びかけに声が大きく返事をすると妹の眉は吊り上がっていた。
「あなた、結婚する気はない?あなたにいい話があるの」
と言われ驚いた。
(私に求婚なんて、どんな人なんだろう?)
それになんでお義母様はミアの前でそんな話をするのだろう。
彼女なら『お姉様にそんな話がある訳ないじゃない』と嫌味を言われるのを想像していたが、至って彼女は楽しそうだ。




