表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
95/132

第92話 復活するスライムボス

 なんだこの、巨大なスライムみたいなボス……。


 ボス部屋へ入った瞬間、思わずそう呟いた。


 見た目からして、あんまり相手したくないタイプだ。


 ただでさえこのダンジョン全体がぬめぬめしていて嫌なのに、その締めみたいな顔で出てくるな。


 だが、やるしかない。


「とりあえず先手必勝だ、バル!」


 どう見ても、正面から長引かせたくない。


 だったら、まずは急所っぽいところを狙う。


 巨大なスライムの中心あたりに、核っぽい赤いものが見えた。


「それだな」


 いかにも弱点ですみたいな見た目をしている。


「バル! あの赤いの目掛けてアンカーチャージだ!」


 バルが突っ込む。


 いつもの勢いそのままに、スライムの核っぽい赤い部分へ直撃した。


 次の瞬間――核っぽいものが、スライムの体から分離した。


 そして、核を失ったスライムの体は、その場で分散した。


「マジか!」


 思わず声が出る。


「一撃かよ! 流石バルだぜ!」


 拍子抜けするほどあっさりだった。


 ボスの割に弱ぇな、と思ったが――そこで違和感に気づく。


「……あれ?」


 ドロップがない。


 倒したはずなのに、何も出ていない。


 その答えはすぐに出た。


 分散したぬるぬるが、核の周りへ集まり始めたのだ。


「うわっ、マジかよ」


 そして、そのままスライムが復活した。


「復活系のボスか!?」


 嫌なタイプだ。


 倒したと思ったら、終わっていない。


 しかも、核を吹き飛ばしただけでは駄目らしい。


「バル! もう一度アンカーチャージだ!」


 再度ぶつける。


 核が分離する。


 ならそのまま追撃だ。


「その後、続けてアンカーチャージで追撃するんだ!」


 だが、駄目だった。


「……くそっ!」


 復活する方が、こっちが攻撃するより早い。


 核を分離しても、その周りにすぐぬるぬるが集まって元に戻る。


 これでは意味がない。


 しかも、その間にも嫌な変化が起きていた。


「……待てよ」


 部屋のぬめりが増えている。


 さっきは靴のあたりまでだった。


 だが今は違う。


「ひざ元くらいまで増えてないか……?」


 明らかに水位みたいに上がってきている。


 もしかして時限式のボスか?


 そう思った瞬間、だいぶまずい感じがした。


「まずくね?」


 このままちんたら復活と分離を繰り返していたら、部屋の全部がぬるぬるで埋まるんじゃないか?


 しかも、スライムは分離したところで体積が変わるわけじゃない。


 だったら、この増えているぬるぬるは別の場所から供給されているはずだ。


「どこだ?」


 俺は周りを見渡した。


 そして見つける。


 部屋の奥に、ぬるぬるが流れ出ている場所があった。


「あそこか!」


 あれが原因だ。


 だったら話は早い。


「バル! あのぬるぬるが出てるところ目掛けてアンカーチャージだ! ぶっ壊せ!」


 バルの攻撃が命中する。


 壁が壊れた。


「よし!」


 手応えはあった。


 これで止まる。


 そう思った。


 だが、現実はそんなに甘くない。


 壊れた壁の向こうから、ぬるぬるが洪水みたいにあふれ出してきた。


「おい!」


 思わず叫ぶ。


「ギミック破壊が正解のルートじゃないのか!」


 むしろ悪化している。


 さっきまでじわじわ増えていたのとは比べものにならない勢いだ。


 あっという間に部屋の中が埋まっていく。


「ちょ、待て待て待て!」


 逃げ場がない。


 足元が滑るとか、そういうレベルじゃない。


 もう全部ぬるぬるだ。


 気づけば、顔のところまで達していた。


 息ができない。


「がっ――」


 そのまま、俺は死亡した。


 そして、いつものように拠点へ戻される。


 目の前に表示が出る。


 称号『ヌルヌル大好き』を獲得しました。


「いらねぇよ!!」


 死に戻り一発目の感想は、それだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ