92話目 「光の先へ」
どーも、作者です。
この回は最終回への実質的な繋ぎです。
なので、後書きにちょっとした補足説明を入れてあります。
では、どーぞ。
白。悠斗に目の前には、延々と続く真っ白な世界があった。
身体がふわふわと浮かんで居るような感覚だ。
足は着かないが、身体のバランスは安定している。突然ひっくり返る、なんてことはなさそうだ。
「なんか実感ねぇなぁ」
先程までの出来事を振り返る。
というよりも、短い期間で多くのことがありすぎた。
「俺は、俺のやるべきことが出来たのかなぁ」
多くの人と出会ってきたわけではない。だが、仲間たちとの絆は強固なものとなったし、
他のギルドとの交流もできた。間違いなく、以前の悠斗ではできなかったことだろう。
「やるべきことはできてるぞ」
突然、後ろから声が聞こえる。だが、それは敵意を持ったものではなく、穏やかな声だった。
「なんだ、案外あっさりと帰ってきたんだな」
「ああ、さっさと帰ってこないと千代に怒られるからな」
「ははっ、そりゃ怖い」
悠斗は後ろを振り向かずに見えない相手と話す。見えてはいないが、悠斗には誰だか分かっていた。
「本当に、これで良かったのか?」
「ああ。お前にできることはできてる。なんだ、お前まさか自分が万能な人間だとでも?」
「いや、思ってはねぇよ。だけど、もっと他に方法があったんじゃないかってな」
「そんな方法考えつく前にこの世界が崩壊しちまうっての」
「ま、それもそうだな…」
悠斗は真っ白な世界の奥に光が漏れ出していることに気がついた。
「それじゃ、お別れだな。俺はさっさと戻って千代に怒られるとするわ」
「…色々助かった、ありがとな」
「おいおい、お前が俺に礼を言ってどうするんだよ。ある意味俺はお前自身だ、助けるのは当然だろ?」
「…そっか」
「ま、今後は平穏な暮らしに戻れるさ。だからしょぼくれた顔すんなっての!」
「迷惑かけた」
「だからいいっての。さっさと行け、俺も早く戻りたいからな」
「またな」
「…あぁ!」
悠斗は最後の最後まで後ろを振り向かず、光が漏れ出しているところまで走っていく。
「約束は守った、俺は一足お先に未来に帰るんで後は頼んだぜ夜刀さんよ?」
その言葉を残し、その人物は光の粒となって消えた。
光が漏れ出す場所に近づくにつれ、光が強くなっていく。真っ白な世界でも光と分かるほどに。
この世界へ来た時とは真逆の、真っ白な世界。
暗闇の中、恐怖にとらわれて無我夢中で目指した光。
それとは真反対に、希望を持って目指した光の先。
その先に、希望は――
さて、繋ぎということで補足説明的なお話を。
大人悠斗がラストとの戦いの後消える前に話していた人物ですが、
大体の方は予想がついてるんじゃないかと思ってます。
一応今回の話でポロッと出てるので予想と合っていたか確かめてみるのもいいですよ?
それと、居なかったことにされかけていた夜刀と咲音。
あの2人は実は悠斗たちが本来たどるべきルートの2人ではなく、
台座の所で待っていた悠斗と同じルートをたどる2人です。
崩壊することが決まっていたのを知っていたからこそ、冷静な対応ができていたというわけです。
なら本来の悠斗のルートの2人はどこへ?
実は、エターナルフロア攻略の話が進んでいるときに、ラストの干渉を受けルートが変わってしまった。
このままではイレギュラーではない2人が残ってしまい、
最悪の場合タイムパラドックスにより消滅する可能性も出てきたわけです。
それを防ぐため、大人悠斗がダンジョンへの潜入前に2人を保護し、本来の時間軸へと戻しました。
本来の2人が元の時間軸に戻ったことにより、崩壊する未来の2人の存在が確立することとなりました。
なので、本来の2人は元の時間軸で今も生き続けています。
ちなみに、崩壊と同時にログアウトした人たちも本来の時間軸へと戻されています。
これは、崩壊する世界の時間軸のときに本来存在しないはずの人たちが残っていたが、
ログアウトした事によりそのずれが解消され、正しい時間軸へと戻ったためです。
かなりややこしい解説になってしまいましたが、
またお話を読む際に頭の隅っこにでも入れておいていただけると幸いです。




